拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

『キテレツ大百科』-藤子アニメのニューウェーブ

2008-09-20 21:29:54 | テレビ
スカパーのアニメ専門チャンネル「ANIMAX」は最高だ。24時間休むことなく新旧問わずあらゆる日本のアニメが垂れ流されていて、うっかり見始めたら止まらない。とはいっても比較的新しめの作品にはあまり心惹かれない。女子の声がキンキン耳に響くし、男子の声は皆同じに聞こえるし(さすがに言い過ぎ?でもなんか最近のアニメの男キャラって殆どクール+棒読みに思える…)。
じゃ、どんなアニメにハマってるのか。これは時期によって色々変わるけど、今は断然『キテレツ大百科』と『ど根性ガエル』。前者は子供の頃よく見てた作品、後者は最近ちゃんと見始めた作品だが、どちらも一話一話の完成度の高さに衝撃を受ける。ひたすらテンポ良く笑わせ続け、最後に残るのは「え、もう30分経ってらぁ!」みたいな幸福感…というわけで今回は『キテレツ』の感想を。
『キテレツ大百科』は、発明家を先祖に持つ物作り大好き少年・キテレツと、キテレツが先祖の遺した記録を元に作ったロボット・コロ助、そしてキテレツのクラスメイトらが巻き起こす珍騒動を描いたコメディ。この作品を見て思い出すのは、やはり同じ藤子アニメの『ドラえもん』。キャラの立ち位置が似まくりですし。メガネの主人公、二頭身くらいのロボット、ガキ大将、ガキ大将の連れ、そして憧れの女の子。しかしポジションは似てても細かな部分はそれぞれ違っており、個人的には『ドラえもん』キャラよりも魅力を感じる。特に、ジャイアン的ポジションに居る八百屋の息子・ブタゴリラのピュアハートには癒された。たまに横暴な所もあるけど、すぐに反省することができるブタゴリラは基本的にピュアな少年だ。大体「ブタゴリラ」って…ルックスから付けられたあだ名だろうけど、そんな酷い顔じゃなくね?また、スネオ的ポジションのトンガリも悪くない。彼の家もスネオ同様金持ちだが、必要以上にひけらかさないし、たまに金持ち自慢エピソードがあったとしても声が可愛いから全くムカつかない。愛されキャラ。
主人公キテレツも発明家の子孫だけあって、ヘタレの極みで見てるだけでイラっとくるのび太君とは根本が違う。珍アイテムを次々と作っちゃう奴だしな。ただしアイテムを使う時の要領の悪さはのび太に似ているが。そんなキテレツの想い人・みよちゃんは、しずかちゃんよりも利発的で言いたい事をビシバシ言うけど、女の子らしいおしとやかさが全く薄れない不思議キャラ。このみよちゃんとキテレツの関係はのび太としずかちゃんと比べるとかなり親密。キテレツがブタゴリラ似の女子に抱きつかれる、という珍現場を見てしまった時のみよちゃんのジェラシーっぷりは二人の仲の深さの証だ。仲が良いといえば、トンガリやブタゴリラにも彼女出来たりするんだよな。良いアニメです。
あと、コロ助。そのトボけたルックス(ブタゴリラの親父からは「ネギぼうず」と呼ばれている)から天然キャラに見えなくもないが、時に暴走するキテレツ達に「今はそんな事してる場合じゃないナリよ!」と一喝するなど、シメる時はきっちりシメる。さすが武士の魂をもつロボットだけある。
キャラ設定といい、『ドラえもん』に比べてレトロ(というか和風)なアイテムの名称といい、『キテレツ』は何もかもが私のツボにヒットする。というか、『ドラえもん』見ててモヤモヤする要素がことごとく改良されてる感じ。キャラの濃さや歴史はクラシックである『ドラえもん』に負けるけど、あっちがクラシックなら『キテレツ』はニューウェーブ。過去にサントラアルバムをレビューしたが主題歌も無駄に良いし、本当、大好きだ。


追記
萩尾望都の『ポーの一族』全話レビューなるものを何故か書き始めてみたものの、当然なかなか進まず。好きすぎてまとまらない。