★ Serena ★

カナダ暮らしのエスペランチスト、自然愛好家。
エスペラントやカナダの野草、ネーチャークラブの活動など思いつくままに。

帰りのバスで

2010-05-31 17:47:12 | 雑  記

土曜日の夕方、トロントの日系会館で催された「なつかしのメロディー」に招待されたので行って来ました。その夜は招待してくれた友人宅に泊めて貰い、丑三つ時までおしゃべりをして、積もる話を発散させたわけなのです。
日曜日の朝十時のバスに乗るべくバスデポに到着して驚いたのは個人旅行の日本人が10人くらいも居たことでした。そうか、旅の季節か!と改めて季節に目覚めた私。
バス乗り場には既に長い列が出来たいました。私の後ろには初老の日本人夫妻が来て並びました。
いよいよ乗車が始まり、運転手が切符を調べ間違った列に並んでいた人々に正しいバスへの指示をしたりしていましたが、私の前の青年の番が来ると、パスポートの提示を求めていました。このバスは国境を越えバッファローまで行くので、パスポート無しの人間を乗せて国境を越えてしまっては運転手としては大変な災難です。
これを見て私の後ろの夫人が言いました。
「何か見せなきゃならないみたいよ」
運転手の言っていることが聞こえなかったのでしょう。
「国境を越えるのでなければ何も見せなくていいですよ」と私は代わりに答えてあげました。
青年は、パスポートを何処に入れたのか思い出せないらしくバックパックのポケットをあちこち探し時間が掛かりそうでした。すると、今度は夫君の方が「やっぱ、俺トイレに行って来る」
「おおお待ちなすってダンナさま」と私の内心が…
「バスの中にありますよ」と私の外の声、「はァでも…」
私がバスデポに到着した時、この夫妻は悠々と待合室の窓辺に座っていたのでした。その時間に何故行って来ない?あれからまだ5分も経っていないのです。
「そんな時間無いかも知れませんよ」
発車まではまだ10分ありましたが、彼は旅行者、このバスデポに詳しいとは思えません。手洗いを探してうろうろしていたら10分くらいは直ぐ経ってしまいます。
ちょっと余計なお世話だったかな、とは思ったものの、夫君が帰るまでイライラする夫人も気の毒に思えましたし。
順番が来て私は前から二番目の席に陣取りました。その夫妻も乗って来、夫君はドンドン奥へ行こうとしたのですが、夫人が「前の席に座らない?」と引きとめ、私の前の席を取りました。
まだ続いて乗ってくる人が何人か。私が窓の外の人々に気を取られていたら、夫人が何か言いました。
私の耳に届いたのは
「&%~*・・たですか?」それから間を置いて独り言のように「違うのかしら?」
夫君の返事は無いので彼に話しかけたのではない様子、とすると私に???

そうか、「日本の方ですか?」と言ったのでしょう。返事が無いので「違うのかしら?」という独り言になったのでしょう。
私はこの手の会話の切り出し方が苦手です。数え切れないほど聞かれましたが、「日本の方ですか?」ってどういう意味?「日本からの旅行者か?」、「日本生まれ日本育ちの人間か?」、「日本国籍を持っている者か?」
そしてこういう聞き方をした後には、いたって個人的なことを知りたがるのです。
正直なところ私は聞こえなかった事をありがたく思いました。
幸いシツコイ人ではなかったようで、それ以上会話を試みようとはしませんでしたが。

以前経験があるのです。私の前の席に陣取り、ずうっと後ろ向きに座った状態で私にナイアガラフォールスの情報を根掘り葉掘り聞いた男がいました。仕事帰りの私は疲れ切っていて、バスの中で一眠りする心算だったのでとても迷惑でしたし、大体情報は我々の商品なのですから、ただでせしめようとする魂胆も気に入りませんでした。

日本語が聞こえても、困っているのでもなければ余計なお世話はしないのが私の建前なのです。

エスペラントの父ザメンホフ
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