夫が逝って四年が過ぎ、最近になって朝ゆっくり眠れるようになった。猫に起こされさえしなければの話だけれど、そんな朝でも、餌を与えてベッドに戻り、九時頃まで眠れる日がある。
「春だからかしら、眠くて・・」と友人が言っていたが、それもあるかもしれないけれど、過去四回の春はこのようなゆとりを感じなかったのだ。精神的な落ち着きが戻ってきたのだろうと思う。とは言っても私の生活から彼の存在がすっかり消えてしまったわけではない。消えることは決して無いだろうし、消したくも無い。独りで居る時は特に声に出して彼に話しかけているし、独りでないときでも、無言で語りかけていることは常なのだ。
他人は、私の子供たちも含めて、私の生活がすっかり正常に戻ったと思っているだろう。これが正常ならそれはそれで良いけれど、以前の正常とはすっかり違っている。
それでも、朝人並みに眠いと感じることは喜ばしいことのような気がするのだ。
先週、ヴォランテァの仕事などで二、三日一寸活発すぎたせいか、金曜日の午後は眼を開けていられないほどに眠くなり、横になったら四時間ぐっすり眠ってしまった。こんなことも長いこと経験していない。疲れると反って眠られなくなり、二時間置きに目覚めてはイライラするのが常なのだ。こんなに眠ってしまったら夜眠れないかもしれないと思ったら杞憂だった。むしろ五、六時間続けて眠ってしまったくらいで、目覚めてもまだ体が正常ではないようなかったるさを感じたから、楽しみにしていた一日遠足をパスすることにした。
実は金曜日の夜、子供たちに近況を書き送ったのだけれど、即息子から返信があり、休息が必要と感じなくても疲れていると思ったら休むのが良いと。素直に彼の助言を受け入れただけなのだけれど、正解だったようだ。
今朝は爽やかな気分。疲れ過ぎの感じがすっかり消えている。眠さ、これはやはり健康のバロメーターなのだろうか。