日曜日、ハミルトン空港へ息子を迎えに行った時に見たこの空、何か神のお告げでもありそうな劇的な雲行きだった。その後ちょっと降ったにわか雨の前兆だったらしいけれど。
残る命が恐らく一ヶ月くらいと診断された猫のツィツカをせめて最後のひと時を楽しく、、と甘やかしたのがそもそもの間違いだった。
息子がサンルームまでは何度か出してやっていた。物珍しげにあちこち嗅ぎ回った後ですぐ戻りたがるから、実際に外に出るのは不安なのだろうと思っていた。
夕方息子が雨どいの修理をしていた時にちょっとだけサンルームのガラス戸を開けてやったら、数歩外を歩いてガラス戸を嗅ぎまわり直ぐ戻ってきた。普段は恐い筈の息子の使うドリルの音など大して気にもならなかったらしいから、「外」への興味は大きかったとは思うけれどまだまだ不安はあったらしい。
夕食後、息子が気を良くして外に連れ出したら、急に自信がついたのかお隣の庭に侵入してしまったのだ。私が呼びながら家の周りを歩いた時はもちろん返事などなかったけれど、息子が出た時はうずくまっている姿を見たと言う。
ガラス戸を少し開け夜中に帰宅しても困らないようにして私は就寝。今朝目覚めたのが五時二十分。部屋の外に出てみるとツィツカがいた。
今朝二時過ぎに帰ってきたのだそうな。四時間あまりの外出だった。
よほど気に入ったと見えてまたドアの前で外出要求の仕草をする。
絶対に帰ってくることは判っているが、万一車道に出て車に轢かれたら。。。などと言う不安は消えない。それに、外に出ると蚤を収穫してこないとも限らないし。
残る時間を幸せに過ごさせたい気持ちに変わりはないが常に不安と背中合わせ。私のジレンマである。