つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

暴走したっ!

2007-01-29 23:56:24 | ファンタジー(異世界)
さて、すいません……最近死にっぱなしです、な第790回は、

タイトル:砂の覇王8 流血女神伝
著者:須賀しのぶ
出版社:集英社 コバルト文庫(初版:H14)

であります。

須賀しのぶの長編ファンタジー『流血女神伝』シリーズの第二弾『砂の覇王』の八巻目。
兄弟の国ルトヴィア、夫の国エティカヤ、二つの大国の間で揺れるカリエの姿を描きます。
今回の表紙は……いや、何も言いますまい。しかし、これが六巻の御子様と同一人物とは……。



カリエは、ギウタ皇国最後の皇女カザリナとしてルトヴィア貴族との婚姻を要求されていた。
候補は二人――現ルトヴィア皇帝であるドミトリアス、そして、死の淵から生還し、トルガーナ伯となったミューカレウス。
だが、かつて皇子宮で共に過ごした兄弟との婚礼など、カリエには考えられなかった。

そんな中、カリエはミューカレウスとともに、先帝マルカーノスが座すコーフィリアを訪問した。
コーフィリア――別名廃帝宮の主とミュカの会話は、彼女に失った両親の顔を思い出させる。
愚帝として知られるマルカーノスの顔と、現帝ドミトリアスのそれが重なった時、カリエは奇妙な幻覚を視た……敬愛する兄の未来の姿を。

コーフィリアには意外な人物が滞在していた。
バルアンの先兵としてルトヴィアに留まり、首尾良くゼカロ北公を籠絡した第一妾妃・ビアンである。
彼女はカリエに、バルアンの正妃としての心構えを説き、その上で自分のやりたいようにやるよう言い渡した。

ルトヴィア皇帝ドミトリアス、トルガーナ伯ミューカレウス、エティカヤの第二王子バルアン……カリエが最後に選ぶのは――。



前回の記事では伏字にしてましたが、今回は堂々とバラしてしまいました。
そう、帝国の娘(後編)で重傷を負った悪ガキ皇子・ミュカ復活です。
身長が一気に伸びただけでなく、性格もかなり良くなりました……苦労したんだね、君も。

もっとも、いつものように――
どこぞの性悪女神が関わってたりしますが。(怖)

前から思ってたのですが、ザカリア流血女神に関わった人間って、少年漫画の改造人間に良く似てますね。
スペックだけはやたら高くなるけど、決して幸せにはなれない。
一番好き勝手に生きてるように見えるトルハーンも、結局バルアンの思惑に乗らざるを得なくなったし、皆さん大変です。

もっとも、今回一番貧乏籤を引いたのは主役のカリエ。
彼女が自分の思い通りにならないのが気に喰わなかったのか、今回、女神は実力行使に出ます。
女神の力でトランス状態に陥ったカリエは、ある人物と出会い、ある儀式を行います。でもその相手が……をい、よりによってそいつかよ。(苦笑)

他にイベントと言えば、トルハーンの裁判がいよいよ始まります。もちろん、死刑オンリーの方向で。(爆)
置いてけぼり状態のバルアン&ラクリゼ&海賊達も一応出てきますが、ほんの触り程度。
後、今でも充分危険な状態のドーン兄さんとグラーシカが、さらに死亡フラグを立てました。このままいくと洒落抜きでベルばらでギロチンエンドかも……。
(※女神伝シリーズはまだ終わってないので、どうなるかはまだ未定です)

次巻はエティカヤ編最終巻です。
バルアンの国盗り物語が全く進展してないのに大丈夫か? って感じですか、それについてはまた来週。



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