つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ライダアアアキィ――ック!!

2007-01-03 23:53:40 | マンガ(少年漫画)
さて、実は頂き物だったりする第764回は、

タイトル:仮面ライダーSPIRITS(1~11巻:以下続刊)
原作:石ノ森章太郎  漫画:村枝賢一
出版社:講談社 マガジンKC(初版:H13)

であります。

島本和彦と並び称される熱い漫画家・村枝賢一が描く、萬画版仮面ライダー。
TVシリーズが作られることなく終わった幻のライダー『仮面ライダーZXゼクロス』をメインに据え、新たな敵『バダン』との戦いを描きます。
全編通して、「お前ら仮面ライダー好きか? 俺は死ぬほど好きだぁぁぁっ!」という作者の叫びが炸裂しており、単なるタイアップ作品ではない凄まじいクオリティを誇っています。



かつて、世界征服を企む悪の組織と戦う者達がいた。
ある者は悪の手によって、ある者は自らの意思で改造手術を受けた者達。
変身能力を持ち、強固な意志と鋼の身体で正義のために戦う戦士……人は彼らを、仮面ライダーと呼んだ!

巨悪は滅んだが、世界各地にはまだ悪の種子が残っていた。
しかし、悪が血の花を咲かせる時、正義の風がそのすべてを吹き飛ばす。
そう……仮面ライダー達は、いまこの瞬間も平和のために戦っているのだ!

だが、ここに未だ目覚めぬ十人目のライダーがいる。
記憶を失い、戦う意味も知らぬまま、彼は殺戮を続ける。
奴の名は村雨良……またの名を、仮面ライダー・ゼクロス!



無意味に熱い解説文を書いてしまいましたが、実は仮面ライダーはあまり詳しくない方だったりします。
辛うじて1号2号は解るんですが、V3はほとんど記憶にないし、それ以降はスーパー1以外視てなかったり。
あ、でも、平成ライダーはしっかりハマりました。つーか、クウガ面白すぎ。(爆)

そんな半端者の私が言うのも何ですが、本作、ファンなら迷わず買い。
元々、画力には定評のある方ですが、TV版のコスチュームを忠実に再現しています。
変身シーンなんかもう……そのまんまです。(笑)
(変身前と変身後で明らかに等身が変わっちゃってるとこまで似せてるんだから凄い)

ストーリーは、一巻から四巻までが旧九人ライダー達のその後を描くオムニバス短編集。
旧作ファンにとっては感涙もののエピソードが満載で、TVでは描かれることのなかったライダーマン復活話まであったりします。
このライダー知らな~い、という方のための案内編としても良くできており、個人的には一番のオススメ。

四巻以降は村雨良(ゼクロス)が主役となり、記憶を失っている間に犯した罪と、家族を殺された復讐心の間で葛藤する彼の姿を描く長編。
昔ながらの『正義の味方』の話だった三巻までと比べると、瞬間的なカタルシスは少々落ちますが、巻が進むに従ってじわじわと話が盛り上がっていきます。
雰囲気的には、石ノ森章太郎の『仮面ライダーBLACK』に近いでしょうか……ま、あそこまで暗くはありませんが。(好きな作品だけど)

中でも、一番燃えたのは五巻!
世界各地の空に出現する謎の魔法陣、それを見上げるライダー達。
モスクワでは沖一也と筑波洋、パリでは風見志郎と神敬介、シドニーでは城茂と山本大介、そして……ロサンゼルスでは――。

「行こうぜ、本郷」
「ああ、一文字」

やっぱ最後はお前らかっ!

で、全員一斉に「変身!」と叫ぶのですよ!
当然の如く、そこだけカラーページで!
これで盛り上がるなと言う方が間違っている!

えー、レビューと言うか、単なる叫びで終わっていますが、三重丸のオススメです。
旧作を知らない方でも読めるので、是否一度手に取ってみて下さい。