のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

菓子折りもって・・・。

2008-10-23 00:08:23 | 先生方に②参考になれば
夫の転勤(単身赴任決定!)、義父の大腸がん発覚(がんセンターに転院させました)で、連日長距離を運転しながら3つの家庭と仕事場を走り回っていたのですが、
ようやく義父のほうの心配がなくなって、ホット一息つくはずだった昨日の仕事後、
妹ちゃんの担任の先生から電話がありました。

学校からの電話って、
「何があった???」
と不安になりますよね。
(怪我したか。熱でたか。)
と、ハラハラしながらお話を伺うと、
なんと、怪我をしたんじゃなく怪我をさせたらしい・・・。

発端はたわいもない場所取り。
お互いに譲らず、言葉が次第にきつくなって
そうしてうちの子が最初にパンチをだしたのだと・・・。
相手のお子さんもやられてだまって引き下がるようなこではなく
1年上の4年生の子達が引き止める中で取っ組み合いのけんかに・・・。
妹ちゃんもお腹を殴られたらしいけれど、
相手のお子さんは妹ちゃんにほっぺをかなり強くつねられ
2時間冷やし続けても、なお腫れがひかないので
昼休みを利用して近所の病院にいった・・・と。

「すぐに学校に伺います。」
と車に乗り、近所で一番評判のいいケーキ屋さんで
ロールケーキを2本。
「菓子折りもって謝りにいく」
なんていう経験を、女の子の母である私は想定していなかったわけで、
どう行動するのがいいのか、どう感じるべきなのか、それも定まらなくて・・。

機能的には問題なさそうだということ、
傷ではないということは確認しましたけれど、
女の子の顔です。
相手のお子さんの具合は気になるし、
妹ちゃんにどういう態度で接するべきかも
いつものようにスパッと浮かばないし、、、。
つねっただけで2時間も跡が消えないなんて
どれだけひどい力をかけたのか、
それはどれほど痛いものなのか、
どう本人にわからせたらいいのか・・・
運転しながら、自分の左手を右手で思いっきりつねってみました。
跡が残るほど目一杯力を入れてねじると
息が止まるほど痛いという事もわかりました。

週末には妹ちゃんの9回目の誕生日がありますが、
相手の女の子の傷がいえなければ
傷つけた側がお祝いなんてできない。
そんな事を思ったり、
お友だちに怪我をさせた乱暴者の女の子は
これから一体クラスで、学校内でどんな風に扱われるのか、
明日学校に行けるのだろうか、行くべきだろうか。
と考えたり、


そうして、学校につくとクラスは帰りの準備中で、
私を見つけた先生がすぐに寄ってきてくださいました。
病院から帰ってきた女の子の顔は昼よりもずいぶん良くなっていたそうで、
「腫れ」はなく、ただ、右側の耳の後から首にかけて
赤くなっている部分がなん筋か。

その少し前、目ざとく私を見つけてよってきて、
「わたし、悪いことしちゃったの。」
と言いながらも
「お腹グーで殴られた時、10秒くらい息が止まるほど痛かったんだよ。」
という妹ちゃんに、
「ママね、アザができるほどつねるってどんなに痛いのか試してきたの。」
と後のいくつも残った右の腕をみせ、
「自分でやったから、手加減しちゃったかもしれないけど、
それでもね、やっぱり息が止まるほど痛かったよ。」
というと、それ以上は何も言わなくて、しばらく私の腕を見てました。

で、先生が上手に二人を向かい合わせてくれた時、
妹ちゃんの口からは気持ちのこもった「ごめんなさい」が、
目からは涙が出てきました。
「でも、痛かったんだもんね。そう簡単には許してあげられないよね。」
と、私がその女の子に言うと、
先生がちょっとおどけて、
「でもね、あれっ、○○ちゃんのほっぺにもほら、なにかあるなぁ・・・
これは誰がやったのかなぁ???」
と笑顔で問い掛けると、
相手のお子さんも「えへっ」
という顔をして、
「ごめんなさい。」
それで子供同士の間は、何だかホンワリとなりました。

更に、先生は帰りの会の終わりに、

「今ねぇ、すごくいい事があったんだよ。○○ちゃんが涙を浮かべて
本気で謝ったんだよ。
それを、△ちゃんも許してあげたんだよ。
△チャンは、手を出されたから、やっぱり手をだしちゃったけど、
そりゃぁそうだよね、叩かれたらたたき返しちゃうよね、
それで○○ちゃんの顔にも傷ができちゃったんだけど、
それを、やっぱりちゃんと謝ったんだよ。」
「さっきも皆に話したけど、手を出すのはいけないよね。
絶対ダメだよね。
だけど、失敗は先生にも皆にもあるよね。
先生だって、やったらいけない事をうっかりやっちゃうこともあるんだ。
そういう時、悪かったって思って、心から謝れるって大事だよね。
許してくれたら嬉しいよね。
先生、だからすごく素敵だと思った。」

「乱暴者」「危ない子」・・・・
そういうレッテルが貼られたらどんな対応ができるだろう・・
そんな気持ちを抱えて学校に向かった私の不安は、
先生のこの言葉で救われました。


帰りの会が終わって、担任の先生と、病院に付き添っていかれた補助の先生と、
私と妹ちゃんとで、△チャンをすぐ近くにあるお父さんの会社まで送っていきました。
ビルの3階の事務所でお詫びをした妹ちゃんに、お父さんは
「けんかだから、もういいですよ。でもこれからは喧嘩しないで仲良く遊んでね。」
といってくださり、ご自分のお子さんである△ちゃんにも
「あなたもね、これからは喧嘩しないで遊んでね。」
と、許してくださいました。

狭い階段を1階まで下りきった時、担任の先生がぎゅっと妹ちゃんを抱きしめて、
「○○、よく頑張ったね。辛かったのにしっかり謝れたね。偉かったよ。」
と・・。
それからしゃがんで妹ちゃんの両手をご自分の手の中に包み込み、
「でも、先生は○○が、頭を下げるところを見るのが辛かったよ。
○○は、下を向いて生きるような子じゃあない。
貴方は真っ直ぐ前を向いて真っ直ぐ歩く子だ。
上を向いて笑っているのが似合う子だよ。
だから、もう2度とこの手で人を殴ったらいけないよ。
もう絶対に、この手をそんな風に使わないでね。」
涙をいっぱいに浮かべた目で妹ちゃんを見つめて言ってくださいました。

この子はもう大丈夫だ。
こういう方に出会って、見守られて、認められて、
こういう対応をしてもらった事は、
心の奥底で大切なプライドに育ち、
きっと、妹ちゃんの一生を支えるだろうって、
そんな風に思えました。


3年生にもなって「取っ組み合い」をやらかすような娘です。
我が家での呼び名は「ボンズ!!!」です。すぐに企画外に踏み出すやつです。
でも、そこも含めて、妹ちゃんの事を認め、その面白さを高く評価し
愛して見守ってくれる
そんな人に人生のこんなに早い段階で
出会えた妹ちゃんは
まったく、運のいいやつです。



これが昨日の「菓子折りもって・・」の顛末。
夕べ、自分がビーズで作ったストラップを
「△チャンにあげるの」
と、手紙を書いていた妹ちゃん。
きょう学校で渡して、中休みは昨日と同じ
二人で一輪車競争を楽しんだそうです。
(そもそもそれが騒動の発端なのに・・)

「今日も、昨日みたいになりそうだったけど、
気をつけて、私がならないようにしたんだよ。」
と報告してくれた妹ちゃん。
1日たって、△チャンの内出血もだいぶ収まっていたそうで、
ホット安心する鬼母なのでありました。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
素晴らしい担任の先生ですね (しずく)
2008-10-24 10:33:06
読ませてもらって胸がいっぱいになって、
自然と涙がこぼれました。
こんなに素敵な学校の先生が存在するのですね。

seiさん、
ご自分でつねられた腕のあとはもう痛みませんか?
ご主人の転勤やお義父さまのことなど、
お忙しい日々の様ですが、どうかご自愛下さいね。

遠くからお祈りしています。
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Unknown (しのぶ)
2008-10-24 16:53:11
担任の先生も勿論 すばらしいけど、
実際に自分の体をつねって 体感してみた、その上で 冷静に注意が出来た seiさん、やっぱりあなたは素敵です。

それにしても 本当に すばらしい先生ですね。

私も この先生や seiさんに近づきたいなぁ。。と思いつつ、今日も駄目駄目な私です・・
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おつかれさまでした (ringo)
2008-10-24 21:39:26
担任の先生、めちゃくちゃ良いですねぇ~本当に良かった!

それにしても環境が似ていますね
私も年末から東京の端から端へと長距離運転の日々になりそうです(実父がなので)
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しずくさん。 (sei)
2008-10-25 02:37:05
ありがとうございます。つねった跡、打撲と同じ様な紫色になってます。触らなければ痛くないのでどうという事はないのですが、DV疑われそうなので長袖着てます(汗)。

転勤されてきた早々から、「この先生はプロ!」って思っていたんですけど、今回目の前で事の収め方を拝見して、やっぱり力のある先生なんだなぁって思いました。

去年までの先生の下で同じ出来事が起こったら・・・
そう思うと、怖いですよ。


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しのぶさん。 (sei)
2008-10-25 12:03:45
冷静じゃぁなかったですよぉ。
張り倒すべきか、相手のこと同じ様につねるべきか・・・
そんな事を思ってる時に、ふと
「どのくらいつねったらあざになるわけ??」
「そういう時の傷ってその後どうなるのよ??」
って思いついてした事なんですけど、
何度も何度もつねったのは、たぶん
学校に向かう間に想像が悪い方へ悪い方へと向かいすぎちゃうのを逸らしたかったからなんじゃないかと思います。

妹ちゃんの顔を見た途端に殴り倒さずにいられたのは、
帰りの会の雰囲気があまりにもゆるくて、自分の中の緊迫感が緩んじゃったからです。
そういう意味でも、担任の先生には感謝してます。

でも、つねっておいたのは結果として良かったなって思います。

相手のお子さんの顔の腫れは、私が行った時にはすっかりひいていて、もしもあの痛さを体験していなかったら、やっぱりどこかで、
「なぁんだ。たいしたことないじゃん。」
って思ったかなぁって・・・。
妹ちゃんもお腹を殴られてるわけですしね。


傷は残らないかもしれない。機能にもダメージはない。
今は痛みもない。
でも、つねられた時はものすごく痛かっただろうし、離して欲しくて必死で暴れただろうし・・・そんな事が想像できたので、
「ごめんね。ゆるしてくれる?」
とは言えませんでしたし、相手のお父様にお逢いした時も、心からお詫びができたとは思います。

あれは痛いです・・・。


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初めまして (satorie)
2008-10-25 21:31:48
seiさん、初めてコメントさせていただきます。今回の事拝見して涙が出ました。同じ子供をもつ身、seiさんの心配や子供さん達の心を思うと私も心配になりましたが、先生の対応やseiさんの妹ちゃんやもう一人のお子さんへの接し方拝見して、素適だなと思いまたまた涙がでました。良い方々がいらっしゃるんだなぁと、感じます。
実は我家の小ニの息子ものんびりちゃんなんです。会話やコミュニケーションが少し苦手で通級教室『ことばの教室』に通っています。
別のサイトでこちらを知り、ずっと拝見させていただいて、ブログを参考にさせていただいております。
いつか、我家の息子の事をseiさんにお話できたらなぁと思っていました。
今回の『菓子離折りもって』も私の心にとめて置きたい
記事でした。
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ringoさん。 (sei)
2008-10-27 00:28:56
ありがとうございます。
そうなんです。いい先生に出会えました。

ところでringoさん、中学校進学に向けて、滅茶苦茶忙しい時期だと思いますが、お父様体調が思わしくないのですか?
私も移動にはよく車を使いますが、東京の端から端の移動となると、結構きついですね。運転、お気をつけくださいね。
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素敵なお話 (さくらんぼ)
2008-10-27 13:33:09
心が温まりました。
なにより、ここに登場してきた全ての人々が素晴らしいと思いました。

最近は取っ組み合いのけんかなんて男の子でもすることがなくなって来ましたね。
親にも叩かれない、痛みのわからない人間が増えてきました。
その結果悲惨な事件が増えて来た様に思います。

妹ちゃんは自分の痛みも必死で訴えようとしましたし、でもseiさんが自分で経験された痛みを知ったときにぐっと気持ちが動いたんでしょうね。

相手の女の子も、始めは自分の痛みしかわかってなかったかもしれないけど、先生が妹ちゃんの痛みも同じように気付かせてくださって、ほんとに良かったと思います。

ともすると逆上しかねない相手のお父様も、全てのことをよく理解してくださったうえでの言葉掛け、良かったですね。

何より翌日笑顔で遊べた二人の関係が目に浮かんでくるようです。
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satorieさん、ごめんなさい。 (sei)
2009-01-08 21:33:47
年を跨いでしまいました。本当にごめんなさい。
せっかく始めて書き込んでくださったのに、無視してしまったようになって、本当に申し訳なかったです。

ここにも何度か書いてますけど、小学校低学年の頃って、どう教えていいか、このさきどんなフォローが出来るのか、実は一番大変な時期なんじゃないかと私は思ってるんです。
中2の今だって、確かに毎日のお勉強フォローは大変です。こちらが勉強しなきゃいけないものの幅も広がっていってしまうし、どんどん難しくなって(私の頭が)ついていくのに悲鳴をあげ始めてはいますけど、それでも小学校低学年の頃よりはらくだなぁと思うのです。
だって、あの頃は私の言葉が娘にはなかなか届かなくって、どう言い換えても伝わらなくて・・・今思えば彼女との学習は、宇宙人と意思疎通をしているような状況でしたもんね。
娘の言語力がずいぶんあがってきたので、今は中国語(筆談は可能)くらいになってるでしょうか(冗談です。小学校3年生位の感じですかね。一応日本語で何とかやっていけます。

息子さんの通っていらっしゃる「ことばの教室」はどうですか?
うちののんびり娘は「言語」が非常に弱いにも関わらず、そういうサポートを受けるチャンスがなかったものですから、一体どんな事を教えてもらえるのか、とても興味があります。

こちらによってくださるお母さん方の中にも、興味をお持ちの方はきっといらっしゃると思います。
また機会がありましたら、もちろんご無理のない範囲で「ことばの教室」について教えていただけたら嬉しいです。

本当に、長い間お返事もせず申し訳ありませんでした。





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さくらんぼさん。ごめんなさい。 (sei)
2009-01-08 21:53:18
本当に長いこと、お返事もせずに申し訳ありませんでした。
温かいコメントありがとうございます。

私は知らなかったんですけど、相手のお子さんのお父様、以前お嬢さんと喧嘩した男の子のうちに怒鳴り込みにいったこともある方だそうで、クラスの一部のお母さんからは恐れられていたようなんです。

でもね、その相手のお母さん(男の子の)からお話しをきいて、それって学校側の対応一つなんだなって感じたんですよ。

自分の娘が傷ついて帰ってきて、それに対して先生からしっかりとした説明がなされなくて、娘に聞けば当然娘の側の言い分だけが出るわけですよね。
それを先生に訴えても、はっきりした対応をしてくれない。そのうちにまた同じ様な訴えが娘からある。そうなれば、子どもを守るために怒鳴りこみにも行きたくなるだろうなって。
去年の先生は、何だかはっきりしない方でしたから・・。

でも、今年の先生は、ちゃんと二人から(+周囲の子供たち)状況を聞いて、前後の流れもしっかり把握したうえで、両方の親に事情を伝えてきてるんです。
そのうえで、あくまでも
「私が気がついて止めればよかったのに・・・」
と、学校でおきた事の責任は学校でとると言う姿勢を明確にしてくれていました。
だから、私にも
「お母さん、来てくださってありがとうございます」
という態度で接してくれていたんです。
うちの娘が最初に手を出して、思いっきり跡の残る暴力を振るってるにも関わらずです。

こういう風にキチンと説明をしてくれて、筋の通った対応をしてくれれば、親だって疑心暗鬼に陥ることなく落ち着いた対応が出来るんですよね。

娘がこういう事をしでかしたのが、去年でなく今年で本当に助かったと思うと同時に、「クレーム親」みたいに誤解されてしまったそのお父さんのイメージを少しでも変えていきたいなと今は考えています。

子ども達の関係は、おかげさまで良好のようです。
タイプが似ているのでぶつかる事、競り合いになる場面も時々はあるそうですけど、二人とも譲り合う事を覚えたそうで・・・ありがたいことです。

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