のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

ベテラン先生の作文は・・

2008-02-16 10:29:16 | 先生方に②参考になれば
わさわさしていた(やぁ、これかなり押さえた表現です)1年生の一クラス。
2学期の途中で担任の先生が産休に入り,産休の先生に変ったんですけど、
混乱がますます拡がってしまって、パート先生の私たち(同じ立場がもう一人。
定年退職後の嘱託先生がお一人いらっしゃいます)も大忙しです。

校長先生や副校長先生もちょくちょく教室に入りますし、
学年の先生方ももちろん気にして、経験の浅い産休の先生のサポートを
してくださってはいるのですが、それぞれ自分のクラスや仕事を放って置くわけにはいかないですからね。

で、今一番活躍されているのが、嘱託のベテラン先生です。
そのクラスの国語の一部を受け持って、「授業を受ける姿勢」や「国語力」を育ててくれています。
同時に、そのやり方から産休の先生が学んでくれる事も期待しているんですけど、こちらの方が難しい・・・・。

さて、そのベテラン先生の作文指導。
先日子ども達が書いた作文を見せていただきました。
授業中もそうでなくても好き勝手に動き出すガチャガチャのクラスの子ども達なんですけど、
やんちゃな分だけ生き生きとした文章を書いていました。

先生の教え方の一部を教えていただきました。

「寒くて、氷が張ったりしてたでしょ。だから今日は『見つけたよ』でいこうかなって思ったのよ。
でね、『今日氷見た人?』『ツララ見た人?』『しもばしら見た人?』って聞いていったら、
4人だけ、どれにもてをあげない子がいたのね。Tさんと、Kさんと、Nさんと、Mくん。
なんかわかるでしょ。あの子達よ。
(暴れん坊やご勝手ちゃんが異様に多いこのクラスで、いつまでも静かぁにじっとしているタイプの子達です)
きっとねぇ、真っ直ぐ前を見て学校に来るんだろうねぇ。
周りの子はね、きっと氷踏んだり、しもばしら蹴飛ばしたり、いろいろやったりしてると思うのよ。
でも、それが目に入らないんだなぁ。

他の子達は、みんな何か見つけてたし、割ったり触ったりしてるから、その子達にはまず題名の所に、
「こおりをみたよ。」とか「しもばしらをみたよ。」とか「つららをみたよ。」
って書かせて、書き始めさせて、4人をつれて体育館の裏にいったのよ。
日陰にね、まだ氷があったんで、触らせて、
それから、地面の盛り上がったところで、
『ほらこれがしもばしらだよ。』って教えてあげたら、
『へぇー、地面が浮いてる。』
とかね、寒かったけど、
『寒いからこんなになるんだ。』
って、言ってたわよ。」

この4人、これからはきっと寒い日に霜柱を探すでしょう。
ちょこっと踏んでみたりもするでしょう。
学校は、よそ見を覚えるところでもあるんですよね。


皆の書いた作文を見せてもらいました。
やんちゃ者の集まるクラスだけあって、割ったり触ったり、踏みつけたり、人に向かって投げてみたり、
子ども達、しっかり『体験』しているから、借り物ではない言葉がいっぱいあって、読むのが実に楽しい。
楽しい理由は、先生の赤の入れ方にもありました。

なにしろ、すごいクラスですから、字は雑、小さな「っ、」がない。点がへん。漢字の間違い。
「は」と「わ」「へ」と「え」がぐちゃぐちゃ・・・・
その他、赤チェックしようと思えばするところは山ほどあります。
でも、ベテラン先生はそういう所にチェックを入れていません。
線が引いてあるのは、
その子が見つけたその子なりの発見部分。
お姉さんから聞いた話しをどんなに上手に書いていてもそこには赤線は引きません。
「こおりをふんだらわれた。」
なんていうシンプルな文章でも、そのこがやってみた事、見つけたことに赤線と花丸が入っています。
うちの娘の昔を思い出すような、主語述語なんだかわからない子。ひらがなでさえ滅茶苦茶な子もいますけれど、
その子の文章も推察力で判読して、やはり見つけたものの部分に赤線ひいてありました。

子供によっては、赤チェックも入れるんですよ。
でも、どの部分にどのくらい入れるかは子どもの段階によって変えているのがわかります。
そして、チェックはほんの少し、ぱっと見たときに赤線と花丸の方が断然目立つような添削なんです。

こういう添削が、のんびりちゃんの母にはものすごく嬉しい。
ルールがあるからと、一律にチェック入れられると、弱い子の作文は赤チェックだらけになって、
戻ってきても実に楽しくないです。
チェックが多ければ多いほど、何を大事にしたらいいかは見えにくくなりますし、
なんだか、自分の書いたものが「ダメなもの」という感じがして、次を書こうという意欲を持ちにくくなります。

まずは、自分の書いたものを認めてもらって嬉しい気分になって、その上でひとつかふたつ、
これから気をつけるとお得なポイントに振ってある直しをみて、「へえーそうだったんだ。」と思う。
そういう形でこそチェックは生きるんですよね。

お隣のクラスの苦虫先生は、この辺りの柔軟性が無くて・・・。
一年生の作文の余白に書く一言に、
「点を打ちすぎます。」だの、「丁寧な字で書きましょう。」だの。
文末表現の正しさに拘って、やたら赤でお直しが入れてあるの。


ベテラン先生はこう言うわ。
だって、直しばかりじゃ楽しくないでしょ。ルールはねぇ一つずつ入っていけばいいのよ。

こういうベテランの持つノウハウが、経験の浅い先生方にもうまく伝わっていくようになるといいなと、
影でこそこそ画策する日々なのであります。




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