この地図は、国土地理院の2万5千分の1地形図を複製加工したものである。
秋穂(あいお)は周防灘に突き出た地で、東は大海湾、南は周防灘、西は秋穂湾に面する。
その中央を北の大海山から経納山、南部に串山連峰が突き出て東西に二分する。串山遊歩
道とされる峰は南北に細長く形成されている。(歩行約5.3㎞)
JR防府駅(9:05)から防長バス秋穂漁港行き約40分、秋穂総合支所前バス停で下車す
る。
バス停から引き返すと遊歩道を示す大きな看板がある。秋穂コミュニティセンター(にこ
にこ館)があるので車だと駐車可能である。(柵のある左道を上がる)
この地には、1984(昭和59)年に閉校した山口県立山口農業高校秋穂分校があった。
(遊歩道入口は左手)
入口には「秋穂荘まで3㎞」と案内されている。
上り始めるとすぐ右手に宝篋印塔と坊主墓がある。宝篋印塔の傍には「円城比丘供養之
碑」「天明元年(1781)5月7日この地にて御入寂」とあるが詳細を知り得ず。
見上げると山頂まで続くのではと思われるほどの階段である。
秋穂 花巡礼 八十八串山連峰コースの花見表が設置されている。春夏秋冬に区分され
て33ヶ所に設置されている。
小さなタブが点々と取り付けてあるが、145個取り付けてあるというので20m間隔
と思われる。
少し下って登り返すと標高117.3mの善城寺山山頂に到着する。四等三角点の先に展
望が広がる。
善城寺山の東面には小浜山と日地山、入り込んでいるのが青江湾で、1957(昭和32)
年に湾口は閉め切られて埋め立てられる予定だったようだが、農地化されず湖面を見るこ
とができる。
北東方向に大海山と大海湾、その先に防府の山々。
単なる石柱と思っていたが、「出会いー88」という芸術作品だそうだ。秋穂には八十
八ヶ所霊場があり、札所周辺より採取した石を遊歩道に沿って置いたという。
コミュニティセンターより1㎞地点。
展望はないが樹間から陽が差し込む明るい稜線である。
善城寺山から下って少し登り返すと右手に展望地がある。
下山後に歩く花香集落と秋穂湾。
山の上とは思えない遊歩道である。
さらに進むと左手に展望岩があり、善城寺山から見た角度とは違うので足を止める。
コミュニティセンターから1.4㎞地点の先が展望地。西側に秋穂湾一帯の展望が得られ
る。
展望地から少し登ると東側に中道海岸、前方に行者嶽の山頂を示す鉄塔が見える。
少し下って登り返すと露岩が見られるようになり、その岩上で生長する松の木が見られ
る。
秋穂荘まで1㎞の距離標を過ごすと左手に大岩があり、大岩から中道海岸が見えるよう
になる。
串山連峰といわれるので多少のアップダウンがある。
今度は西側に大岩があって、秋穂湾と秋穂の町並み、山口湾と周防大橋など見飽きない
展望が広がる。秋穂は日本で初めて車エビの養殖が行われた地であり、1963(昭和38)
年この地に山口県内海栽培漁業センターが設置され、車エビの他、瀬戸内海に生息する漁
種の種苗や培養が行われている。
ロープが張られている場所が行者堂跡への道と思われる。(先に行者嶽)
坂を上がると山頂には、標高151.7mを示す三等三角点がある。
山頂には四阿とベンチが設置されており、海を見ながらランチが楽しめる。
眼下には白砂青松の中道海岸と赤石鼻が見られる。日本の白砂青松100選というのが
あるそうで、山口県では虹ケ浜海岸が選定されているが、白砂と青い海は引けを取らない。
少し北側に目をやると日地山の海側が見えるが、採石場とされて山形が崩れつつある。
潜り岩を通って西側に出ると、岩上に展望台が設けてある。
秋穂湾の先に臼美遊歩道と岩屋の鼻、山口湾の先にきららドーム。
串山連峰の尾根に沿った最南端にあるのが草山で、尻川と中道に挟まれた標高116m
の頂上には、白い灯台が設置され公園化されている。右手の小島は周囲1.9㎞竹島で、島
全体が魚付保安林に指定されている。
左手が「行者様」への道で約80mの距離と案内されている。
案内によると大岩の下に祠には、行者を中心にこの地方の安全のために蔵王権現、不動
明王の3体の石像と、海上安全の金比羅権現、火災予防に愛宕権現と秋葉権現の各石板碑
がある。かって祠前の広場にお堂があったとのことで瓦が残されている。
遊歩道に戻り舗装道を下って行くと、国民宿舎あいお荘の駐車場に出る。
秋穂荘バス停にバスが待機していたが、1便遅らせて車道を下る。角度は違うが秋穂湾、
岩屋の鼻やドームが見える。
下山途中にはウガ・ドラヴア(1954- )のアート作品2点が展示されている。「個虫の
形成物」と「おみくじゲート」だが、彼はラトビア生まれでカナダに移住しているとされ
るが、旧秋穂町の関係は知り得なかった。
下って行くと花香地区の入江が見えてくる。
県道25号線(宇部防府線)に入ると、菜の花がデザインされた旧秋穂町のマンホール蓋。
花香集落の中心部通り。
集落内は見るべきものはなかったが、秋穂八十八ヶ所霊場の81番・花香南大師堂があ
る。海辺にも祠があったが詳細不明であった。
秋穂の海岸沿いには、古くから採石場が点在し、右手の花香山もその1つで、山頂に花
香灯台があったが、採石の関係で草山に移転する。
花香山の東麓に小さく見えるのが「猿岩」で、奇形な形をしているという。(海に浮かぶ
島は竹島)
海岸から見る草山。四差路に戻って花香バス停(13:15)よりJR新山口駅に戻る。