名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

20170525今日の一手(その513);相手の働いている駒を攻める

2017-05-25 | 今日の一手
20170525今日の一手

4月22日の名南将棋大会から、MさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手(できれば少し先まで)を考えてください。

おまけ、寄せ方の問題です。

先手優勢ですが、紛れのない寄せ方はどれでしょう。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得で竜を作りあっています。後手に持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は(96角は後手の囲いに届いていないので除外)21竜と持ち駒銀銀桂で4枚。
後手の攻め駒は33角29竜と持ち駒銀桂で4枚。

総合すれば先手不利です。

☆ 大局観として
終盤では駒の損得の重みが下がり、玉の堅さを重視することになります。この場合は玉の堅さがかなり違うのです。
穴熊だから堅い、というわけではなくて、金銀3枚(73金は働きが弱いですが、無いよりは良い)と81桂VS金金と跳ねてしまった77桂の差があります。穴熊だからというのは玉の深さによるもので、78にあるよりは91のほうが相手の攻め駒からは遠いわけです。手番を持っているので攻めたいと思うわけですが、単純に寄せ合いに行くと2手くらい違いそうな局面です。

困りましたね。攻防になるような手が欲しいです。


△ 実戦は94歩で勝負。だったのですが、なんとこれを手抜かれて66歩

と踏み込まれました。66同歩67歩同金55桂58銀

67桂成同玉55銀78桂に79金

79同金同竜69金99竜

端を手抜いて99の香を取ってしまえば優勢です。ただしこれは先手のHさんがいうことを聞きすぎました。

79金には93歩成です。

93同桂同香成同香85桂

後手の端の取り方で変化がありますが、93同桂ではない時に85桂と跳ねれば攻防になります。69金と取られても詰めろにならないのです。これは先手の勝ち筋。チャンスがありました。
後手としては79金が危なくて、94歩と手を戻すべきでした。

では最初の94歩66歩に93歩成が成立しているかどうか。

93同桂に94桂と打っておき、67歩成同金66歩

この時に82桂成同玉91銀72玉71竜

で後手玉が詰んでいます。

後手はどこかで51歩と受ける必要があり

これで形勢互角のはずなんですが、ちょっと先手が悪いみたいです。うまい守りの手がないし、攻め合いでは少し足りません。32竜にも66歩で負けそうです。

また仮に最初の94歩に同歩だとして

後手に歩を余計に渡したので、66歩同歩67歩の筋が厳しくなっています。少し条件が悪くなっているか。(ただし後で調べる変化に影響がないものもあります。)


△ 53角成が自然な攻め方です。

72金引には64桂89銀79玉

角が移動すると77桂の守りが減るので、89銀から77角成という筋ができるのですが、次の72桂成が詰めろなので、これはどうにか先手の勝ちか。

また、63から桂を打って

62金上同馬同金71銀

と詰めろを続けていくのもありそうです。

ならば53角成で先手が良さそうなのですが、いきなり77角成が厄介です。

77同玉には85桂86玉77銀

どんどん攻められて71馬の余裕がありません。(後手は詰めろになっていなくても角をもらって詰めばよい。)

戻って77同金には85桂

桂馬のお代わりがあるので、89桂と受けたいですが、77桂成同桂66桂

から詰めろが続きます。(66同歩89銀68玉66歩)

平凡に86銀と打って受けても

77桂成同銀85桂のお代わり。59桂で抵抗しますが

38竜68銀打77桂成同玉58歩

のんびり桂馬を取りに来られ、71馬から行けば44角の王手竜取りが待っています。71竜から同銀同馬72金打

こういうのが穴熊の深さなんです。角を渡すと44角が両取りか攻防になるので先手の負け筋です。馬を引き上げると59歩成から85桂で寄せられます。


△ 65桂という勝負手もあります。

金を逃げたら66銀と埋めれば案外に耐久力があります。99角成に73桂不成

といけば詰めろ。でも73同桂72銀に89銀79玉78香

78同金寄同銀成同玉66桂同歩89馬

きれいに詰まされます。

途中で73同桂のところで72銀の詰めろではなく、89金と受けることになるのですが、77香

77同角同馬同金65桂打

で1手負けでしょう。


△ 受けるなら58銀と埋める手。

これで53角成とやりやすくなります。でも59銀とかけられると金を逃げられません。53角成68銀成同玉64桂88桂56歩

一手受けるだけでは後手の攻めの速度は落ちません。

59銀に79銀と埋めて頑張ってみます。

68銀成同銀64桂88桂19竜

先手の攻撃力が減ってしまい、また、駒損で長くするわけにもいきません。53角成も防がれたので94歩同歩85桂ですが76桂

という強烈な返し技があります。ジリ貧になりそうな展開になり、動けば斬られます。


× 88銀と受ければ

65桂や85桂と攻めやすいわけですが、66歩同歩67歩

の筋に対応できていないので悪いです。


○ 後手の攻め筋は角が中心でしたから、31竜と角を追います。

まだ77角成は早いですし、銀を使って受けるわけにもいかず、44角45歩26角に94歩同歩85桂72金引64桂

角筋がそれたら(53角成を防ぐ逃げ方でしたが)端攻めを絡めて攻められます。62金寄に93歩同桂同桂成同香72銀

まだ後手に受けの余地がありますが、攻めは十分に続きます。これはうまくいきすぎました。

45歩には55角の方ですね。

56歩19角成53角成62銀

は長いけれどやや穴熊のペースです。

44角には重く53銀と打つのが良さそうで

26角には65桂63金55桂

という調子です。べたべた重く攻めても、先手玉に寄り筋が見えないので勝てそうです。

55角には62銀打。

これも先手のほうが勝ちやすそうです。

ということは31竜に最初から55角と逃げるのが正しく(また、55角などではなく39竜には37歩が有効です)

有効な利かしが入ったと考えます。39歩として待つか、56銀46角65桂72金引53桂成

としておくか(64桂が狙い)。形勢は互角ですが、問題図よりは改善していると思います。


☆ まとめ
問題図では先手が不利。そこで勝負手としてみれば

実戦の94歩というのは後手玉に嫌味をつけるという意味で成功しています。穴熊に攻められるだけというのは避けたいのです。相手の攻めが切れそうでなければ、いつでも寄せ合いにできるようにしておくとか、入玉を見るか、というのが勝ち方です。
さすがに94同歩の一手ではないかと思ったら、手抜いてもらえてチャンスが生じていました。

65桂で寄せ合い勝負、というのも怖いですが、形勢不利と思えばやる価値があります。次の73桂不成が詰めろですが、後手に桂を渡すと99角成が詰めろになっていて負け筋です。これは一発勝負。

普通に指すなら
53角成が自然な攻め方で、72金引なら寄せ合いで勝てそうです。62銀と受けられて・・・のほうを考えこんでしまいそうですが、実はばっさり77角成で寄せられてしまいます。こういうのは穴熊の怖さです。

銀を打って受けるだけというのはじり貧負けです。

一番働いている33角に働きかけるというのが最善で、追いかけ方は31竜がベター(34歩とか32竜とか45桂も悪くはないですが)。55角ならまだ難しいのですが、受けやすくなっています。

地味な感じなのですが、相手の働いている駒を攻めると有効だということがあります。取ることができなくても、一番良い位置から移動させると働きが鈍るのです。気を付けて棋譜を眺めてみると、この類の手は何度も出てきます。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(529); 四間飛車に左美濃(小林健二)

2017-05-24 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和55年3月、小林健二先生と第21期王位戦です。


小林先生はまだ5段です。後に「スーパー四間飛車」を愛用していますが、若いころは居飛車党でした。四間飛車に中央位取り

から天守閣美濃に。ずいぶん欲張った感じです。

さらに44歩から固めるのは欲張り過ぎ。44角~33桂で55の位が保てるかという指し方か、31角88飛64角~74歩~73桂という指し方か。この場合は歩を突くよりは角を使っておくほうが良いのです。

中央で戦いが始まってみると、後手のほうが薄いのです。

大山先生は25歩同歩を入れて銀をぶつけます。

たまらず銀を埋めるようでは、振り飛車よしでしょう。

大山先生は拠点を作り

互いに角を移動し

馬の作り合いです。

小林先生は手順に飛を追いかけました。77馬と取れれば有利になるかもしれないのですが、24銀から攻められてもたないでしょう。

馬を引いても迫力がないです。

大山先生は馬を引き付けて歩を垂らし

銀を打てば飛交換。

くさびを入れて

44歩同銀の工作から飛を下せば43銀成で寄せになります。これが受けにくいのです。

小林先生も反撃しますが

飛を渡したので

詰んでしまいました。

大山先生の完勝です。小林先生もずいぶん作戦を練ってきたのでしょうが、大山先生相手に欲張った序盤を考えても、とがめられるだけなのです。とんでもなく感覚が良いのですよね。少し有利になればあわてずに玉を固め、簡単に寄せてしまいました。左桂を跳ねる寄せ方より速いとは思いませんでした。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:小林健二5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5二金(61)
15 3八銀(39)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 5三銀(62)
19 4六歩(47)
20 5五歩(54)
21 6七銀(78)
22 5四銀(53)
23 5八金(69)
24 2四歩(23)
25 4七金(58)
26 2三玉(32)
27 3六歩(37)
28 3二銀(31)
29 2六歩(27)
30 8五歩(84)
31 7七角(88)
32 4四歩(43)
33 5八飛(68)
34 4五歩(44)
35 5六歩(57)
36 同 歩(55)
37 4五歩(46)
38 同 銀(54)
39 2五歩(26)
40 同 歩(24)
41 5六銀(67)
42 同 銀(45)
43 同 飛(58)
44 2四銀打
45 2六歩打
46 5五歩打
47 5八飛(56)
48 2六歩(25)
49 2五歩打
50 3三銀(24)
51 5九角(77)
52 1三角(22)
53 2六角(59)
54 7九角成(13)
55 7一角成(26)
56 8四飛(82)
57 7七桂(89)
58 4六歩打
59 3七金(47)
60 5六歩(55)
61 同 飛(58)
62 7八馬(79)
63 4六飛(56)
64 4五歩打
65 4七飛(46)
66 5六馬(78)
67 2六馬(71)
68 2二玉(23)
69 5四歩打
70 同 飛(84)
71 6五銀打
72 4七馬(56)
73 5四銀(65)
74 5六馬(47)
75 5三歩打
76 2七歩打
77 同 馬(26)
78 5一金(52)
79 4四歩打
80 同 銀(33)
81 8二飛打
82 3三銀(44)
83 4三銀成(54)
84 1三桂(21)
85 2六馬(27)
86 2七歩打
87 同 玉(28)
88 7九飛打
89 4四歩打
90 4九飛成(79)
91 同 銀(38)
92 2九馬(56)
93 3三成銀(43)
94 同 玉(22)
95 4三飛打
96 投了
まで95手で先手の勝ち






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棋譜の表記法、間違っていました。もう一度すみません。

2017-05-23 | 未分類
皆様すみません。
私ずっと勘違いをしておりました。(20170522)

棋譜の表記方法について、正しくはリンク先の日本将棋連盟サイトにあるのですが、
優先度を駒の位置>駒の動作
だと思い込んで記事を書いていました。
もちろんずっと正しい方を知っていたのですが、このブログを書く少し前に、何かで聞いたのを間違って鵜呑みにしていました。
優先度は 駒の位置<駒の動作が正しいです。

例えば58金69金の形で、68に金が移動するのは
68金寄あるいは68金直
×68金左あるいは68金右
なんですね。×のほうに変わったのだと思い込んで、意識して直したつもりになっておりました。

明日からの記事は正しい方(昔からの方というか、間違っていない方)にします。
(竜や馬の場合は、最大2枚しかないので、直と書かない、という例外があって、これをどこかで聞き間違えたのだと思います。)

古い記事が多すぎて、全部は直せません。
すみませんでした。


<訂正>
また読みなおして間違いに気が付きました。(20170523)
68金寄あるいは68金直
ではなくて、68金寄あるいは68金上なんですね。居飛車の急戦の形や金無双の時には気をつけないといけません。昔は「直」と言っていたと思います。「上」は斜め上に行く時だけではなく、まっすぐ上にも使うとなりました。「引」は斜め後ろや真っすぐ後ろにも使うので、統一したということなんでしょう。

59金69金などと2枚横に並んでいる時だけ、68金直または68金右だということです。



☆正しくは
必要なときに寄上引を使い
は2枚ならんでいてまっすぐ上るときだけ。(ただし竜馬は直よりも右左を優先という例外があります。)
その動作の用語で2枚が区別できないときだけ、寄上引を省略可能なら省略して、右左をつけるのだとか。

やはりどこかでルールが変わっていたのですね。どちらにしても私が誤解していましたが。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(528);四間飛車に居飛車穴熊(桜井昇)

2017-05-23 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和55年3月、桜井昇先生と第19期十段戦です。


大山先生の四間飛車に桜井先生は居飛車穴熊です。

居飛穴に対して腰掛銀にするのは初めてかな?

銀冠まで組めれば堅さ負けしません。桜井先生としては端を受けずに攻める筋を考えなければいけなかったでしょう。

互いに角筋が怖いのですが、この銀上りは22金をみたものか、単なる手待ちか、不思議な手です。

大山先生は先手番だし、局面打開のために銀を引いて立て直すのですが、桜井先生はバンツ脱ぎで45歩を狙います。

45歩に55歩で中盤戦です。

桜井先生は「筋が悪い」ので1歩損してまた桂を打ち

大山先生は筋よく歩を突き捨てて攻めます。44同銀には55銀というつもり。

37桂と埋めてから桂頭を攻めます。

これで駒の取り合いは

金と銀桂の2枚換えなので、普通は先手有利です。

だけど穴熊が遠いので、食いつかれてみれば簡単ではありません。

大山先生はしっかり受ける手がないので、34桂から穴熊を薄くして勝負。

後手からは56歩が決め手になりかねないのですが、その時に44角で勝とうとしています。

桜井先生は一度は受けなければなりません。

大山先生は強気ですね。飛車をさばいて勝てる将棋ではないと思うのですが。

桜井先生は上から抑えていき

あまり打ちたくはないですが、飛車を追います。ここで55飛から

飛を渡して受けるとは。だめそうな手順なのですが、案外にバランスが取れています。

大山先生は受けの合間に歩を垂らして攻め合いです。桜井先生としては79飛から桂を拾って手を渡すくらいが良かったか。46桂と捨てて角を使いましたが

ばらされて

成桂を払われたらほぼ詰めろ。

合駒に桂を使わせたので詰めろは消えました。57歩は詰めろっぽいですが、詰まなさそう。

大山先生は手掛かりを作ってから銀を逃げます。(逃げずに詰めろをかけても勝ちか。)桜井先生は駒を渡さずに詰めろをかける手があればよいのですが


見つからず、飛を切って詰ましに行きましたが詰まずに投了です。

大山先生は受け将棋と思われているのですが、時々は自玉が薄くても平気で寄せ合いに出ることがあります。駒得でよし、ともいえないのが穴熊相手の将棋の怖いところで、受けきれないから穴熊を薄くして勝負しようということだったのです。駒を渡してだめ、ということのほうが多いのですが、本局はなぜかバランスがとれていて、終盤までよい勝負でした。私が振り飛車を持ったら簡単に負けそうです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:桜井昇6段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 8四歩(83)
5 7八銀(79)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 6七銀(78)
16 3三角(22)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5八金(69)
20 8五歩(84)
21 7七角(88)
22 1二香(11)
23 5六銀(67)
24 4四歩(43)
25 4六歩(47)
26 5二金(61)
27 3六歩(37)
28 4三金(52)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 2六歩(27)
32 1一玉(22)
33 3七桂(29)
34 2二銀(31)
35 2七銀(38)
36 3一金(41)
37 3八金(49)
38 5一角(33)
39 6五歩(66)
40 7四歩(73)
41 2五歩(26)
42 9四歩(93)
43 9六歩(97)
44 8四角(51)
45 4八金(58)
46 7三角(84)
47 4七金(48)
48 3三銀(22)
49 6七銀(56)
50 2二銀(33)
51 5六歩(57)
52 3三桂(21)
53 6六銀(67)
54 4五歩(44)
55 5五歩(56)
56 4六歩(45)
57 同 金(47)
58 4五歩打
59 同 桂(37)
60 同 桂(33)
61 同 金(46)
62 3三桂打
63 4六金(45)
64 5五歩(54)
65 6四歩(65)
66 同 歩(63)
67 2四歩(25)
68 同 歩(23)
69 4四歩打
70 4二金(43)
71 3七桂打
72 3二金(42)
73 3五歩(36)
74 4五歩打
75 3六金(46)
76 4四銀(53)
77 3四歩(35)
78 3五歩打
79 3三歩成(34)
80 3六歩(35)
81 2二と(33)
82 同 金(31)
83 3六銀(27)
84 3五歩打
85 2七銀(36)
86 6五歩(64)
87 5七銀(66)
88 3六金打
89 3四桂打
90 2七金(36)
91 同 金(38)
92 3六銀打
93 2二桂成(34)
94 同 玉(11)
95 5四金打
96 2七銀成(36)
97 同 玉(28)
98 4三金打
99 4四金(54)
100 同 金(43)
101 6五飛(68)
102 3六金打
103 3八玉(27)
104 4六歩(45)
105 4八歩打
106 2六桂打
107 4九玉(38)
108 4七歩成(46)
109 同 歩(48)
110 同 金(36)
111 5八銀打
112 3八桂成(26)
113 5九玉(49)
114 5七金(47)
115 同 銀(58)
116 6四歩打
117 5五飛(65)
118 同 金(44)
119 同 角(77)
120 4四歩打
121 5八銀打
122 5六歩打
123 同 銀(57)
124 8四角(73)
125 6六歩打
126 3七成桂(38)
127 3四歩打
128 4六桂打
129 同 角(55)
130 6六角(84)
131 3三銀打
132 同 金(32)
133 同 歩成(34)
134 同 玉(22)
135 3四歩打
136 同 玉(33)
137 3七角(46)
138 3九飛打
139 4九桂打
140 5七歩打
141 4六桂打
142 4三玉(34)
143 5四金打
144 3二玉(43)
145 4三金打
146 2二玉(32)
147 3三金打
148 1一玉(22)
149 4七銀(58)
150 3七飛成(39)
151 同 桂(49)
152 5八銀打
153 4八玉(59)
154 4七銀成(58)
155 同 銀(56)
156 5八歩成(57)
157 同 玉(48)
158 5七銀打
159 6七玉(58)
160 投了
まで159手で先手の勝ち





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20170523今日の一手(その512);直線的な読み

2017-05-23 | 今日の一手
20170523今日の一手

4月22日の名南将棋大会から、HさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂桂と銀の交換で、と金を作られています。後手の駒得です。ただし終盤戦なので重視しません。
玉の堅さは(相手の攻め駒は考えずに)先手玉がわずかに堅いか。53金対58金の違い、73桂と26銀の違いです。
先手の攻め駒は76飛と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は44角と 29と、持ち駒桂桂で4枚。

総合すればやや後手有利です。

☆大局観として
先手の優っているところは玉の堅さくらいですが、29と は不気味です。でも駒損なので自玉に手を戻すというのはあまりやりたくないのです。できれば攻め合いで勝ちたい、この問題図に至る前に、互いに殴り合いで攻めているのですから、寄せ合いで勝てないかなあ、という流れです。
寄せ合いにするなら、もう一枚攻め駒が欲しいです。65の銀を使うか、と金を作るとか。手は難しくないですが、少し読まないと間違えます。


× 29玉と と金を払うと

75歩同飛36桂

38金に37歩以下攻められて負けます。

あるいは61玉74銀72歩

と後手に受けられてもやや悪そうです。


× 74銀は自然に見えます。

一応は銀取りだったので、逃げつつ攻め駒が増えます。28と同玉55角

37歩36歩51角

で先手もやれそうに見えますが、74飛同飛37歩成同銀同桂成同金36桂38玉29銀

飛車を切られて寄せられます。

途中28と を取れず、49玉なのですが、75歩

が厄介です。75同飛は64金から74の銀を消されます。36飛は飛車交換を狙われて飛車を渡せません(35歩同銀同角同飛34飛という筋)。
86飛に84桂

となって、73銀成同金65桂77角成

では少し悪そうです。


○ 少し工夫して84歩。

これは手抜きにくいです。28と49玉は入るとして、84歩74銀75歩

83に穴が開いているので、75同飛64金に83角82玉61角成

きれいに必至がかかります。


○ 実戦は74歩でした。

銀を取らせて寄せようとしています。28と49玉37桂打59玉65桂

ここで先手Tさんが間違えました。73歩成同金51角に77角成。

詰めろ飛取りをかけたのですが、王手で飛車を消されます。77同飛に同桂不成が詰めろ。68玉に69飛で

ほとんど詰みです。

戻って73歩成を入れずに51角なら

76飛がいなくなっても、角をもらえば73銀からの詰めろです(77角成同飛同桂不成73銀81玉82歩92玉81角)。これなら勝ちでした。残念。


○ 先に51角もあって

28と49玉21飛に74歩

51飛73歩成同金74歩

駒を取りながら攻められます。74同金同銀62玉73銀成52玉62金

最後が重いですが、飛を取れば優勢です。

後手は飛を見切って99角成もあります。これには81銀と攻めないと怪しくなります。

(銀を打たないで24角成98馬は難しいです。)81同玉には62角成で受ける駒がなく、55馬に72金92玉73馬

で先手の勝ち。

81銀を取らないで71玉には

24角成98馬に51馬が詰めろ

という仕掛けで、76馬は間に合いません。


△ 54歩に52金引か。

64金と出てくる受けの筋が消えましたが、51角も消えました。これでも84歩同歩74銀を狙えば勝ちそうではあります。



× 他には35銀打

で大駒を取ることはできますが、あっさり99角成24銀98馬

飛を取られると39飛で終わりですし、飛を逃げて65馬でも悪いです。入玉できれば24の銀も働きますが、その余裕はなさそうです。


☆ まとめ
問題図のあたりが決めどころなのです。できればもっと前に

これくらいのところから、28歩は手抜いて勝てないか、と考えて、73歩成同銀85桂29歩成73桂成同桂
で問題図なわけですが、74歩と打って51角の筋できれいに勝ち、と読み切りたいですね。

これは先手が望めばほぼ一本道の変化です。後手としては1つ前の図で28歩ではなくて74歩から一回は受けるものだと思うのですが。53金と上ずらされているので、51角の筋があって、7筋がかなり危険なのです。

問題図では
74歩65桂51角が見えれば大正解。実戦では73歩成同金51角だったので、74歩の拠点が消えてしまって、後手にうっちゃりを食らいました。

先に51角でも勝ちそうなのですが、後手に変化の余地があります。後手は駒得しているので、飛車を捨てるのが勝負手でしょう。

攻めるなら74銀はいかにも自然ですが、84歩同歩を入れて74銀としないと負け筋です。83角と73銀成の両方の攻め筋を見せておけば後手は防戦困難でした。

29玉から受けに回るのは、問題図だけみたら考えるのですが、本当はもっと前に28歩と打たれたところで受けるべきです。あるいはさらに前に37の銀を追われた時に28にかわしてこの歩を打たれないように指しておくものです。問題図で(ここだけみると考えにくかったでしょうけれど)駒損して手を戻すのは変調です。

先手のTさんはベテラン、後手のTさんは中学生です。ベテランが若手に一直線の筋で勝ちにもっていくのは難しいのですが、これは勝ちだという確信があったのでしょうね。ところが最後に着地失敗が残念でした。
若手の読みは速いのですが、直線的なところしか読んでいません。ベテランは経験からいろいろな手を知っているので、基本的には枝分かれの部分で勝負すべきだと思います。この問題のように、直線で勝ち、というのは怖いです。

後手のTさんにアドバイスするとすれば、直線的な攻め合いを読んでしまうと、つい読んだとおりに指してしまうのですが、これは悪いのではないか、と気が付いたらその時点で対策を考えるのです。終盤に自信があるから寄せ合いは自分が勝つものだと思い込んでしまう(そういう経験のほうが多い)のですが、もっと幅を広げると強くなります。
こういう傾向は子どもに教える時に詰め将棋を解かせることの弊害だとは思います。やるなら必至問題のほうが良いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(527); 四間飛車穴熊に銀冠(森雞二)

2017-05-22 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番加藤先生の次の手は?



☆ 今日の棋譜
昭和55年3月、森雞二先生と第29回NHK杯決勝です。


森先生の四間飛車穴熊で

大山先生は左美濃から

銀冠に。森先生は34銀型ではなくて、向い飛車にして

飛車をぶつけます。大山先生は飛交換するわけもないですが、この形は25から打つと34銀から取りに来られるので注意が必要です。26から打ちます。

森先生は穴熊を固める前に動きます。大山先生はこの歩を交換されるのを気にしないのはいつものこと。

固め合ってから銀を引くのは、57角とぶつける手を見ています。森先生は46歩と動きを止めませんが

2筋の歩を捨てて46の歩を取り返すのが良い手順でした。

手順に47銀の形になり、大山先生がかなり手を得している形になりました。

森先生は角を追いますが

穴熊が薄いです。飛角を働かせようと銀を繰り出します。

ここで47銀や45銀もありそうですが、25に銀を出て

飛交換。穴熊が薄い上にどうやっても角に当たります。

両取りがかかり

金を取っての寄せ合いは大山先生優勢です。

それでも「終盤の魔術師」怪しく追いかけますが

合駒を打たずにしのげるなら話は簡単です。

71の成桂を取れば数が足りています。

大山先生の快勝譜。森先生は終盤型なのですが、作戦がまずいというか、大山先生の対応がうますぎるというか、さばき合いの前に差がついているので逆転は難しいです。
作戦負けで自分から動いて、カウンターをもらって終わり、というよくある流れになってしまいました。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:森雞二8段
後手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(42)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 7八玉(68)
12 6二玉(51)
13 5八金(49)
14 7二玉(62)
15 9六歩(97)
16 8二玉(72)
17 5七銀(48)
18 9二香(91)
19 7七角(88)
20 9一玉(82)
21 8八玉(78)
22 8二銀(71)
23 7八銀(79)
24 1四歩(13)
25 8六歩(87)
26 3五歩(34)
27 2五歩(26)
28 3三角(22)
29 8七銀(78)
30 2二飛(42)
31 7八金(69)
32 3二金(41)
33 8五歩(86)
34 2四歩(23)
35 同 歩(25)
36 同 飛(22)
37 2六歩打
38 3四飛(24)
39 6六歩(67)
40 3六歩(35)
41 同 歩(37)
42 同 飛(34)
43 3七歩打
44 3四飛(36)
45 6七金(58)
46 2四角(33)
47 6五歩(66)
48 3三桂(21)
49 6六角(77)
50 4五歩(44)
51 7七桂(89)
52 4二金(32)
53 9五歩(96)
54 7一金(61)
55 1六歩(17)
56 1二香(11)
57 4八銀(57)
58 4六歩(45)
59 2五歩(26)
60 1三角(24)
61 2四歩(25)
62 同 角(13)
63 4六歩(47)
64 2五歩打
65 4七銀(48)
66 1三角(24)
67 3六歩(37)
68 2四飛(34)
69 3五歩(36)
70 6四歩(63)
71 同 歩(65)
72 6五歩打
73 7五角(66)
74 5二金(42)
75 3七桂(29)
76 7四歩(73)
77 8六角(75)
78 4四銀(43)
79 3六銀(47)
80 3四歩打
81 6五桂(77)
82 3五歩(34)
83 2五銀(36)
84 同 桂(33)
85 同 飛(28)
86 3六歩(35)
87 2四飛(25)
88 同 角(13)
89 2二飛打
90 4六角(24)
91 5二飛成(22)
92 6六歩打
93 7七金(67)
94 6八銀打
95 6三桂打
96 7七銀(68)
97 同 角(86)
98 6七金打
99 7一桂成(63)
100 7七金(67)
101 同 玉(88)
102 6七歩成(66)
103 同 金(78)
104 5九角打
105 8八玉(77)
106 3八飛打
107 7八銀(87)
108 7一銀(82)
109 8二銀打
110 同 銀(71)
111 同 龍(52)
112 同 玉(91)
113 7二金打
114 投了
まで113手で先手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(526);四間飛車に居飛車穴熊(加藤一二三)

2017-05-21 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

先手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和55年2月、加藤一二三先生と第29期王将戦第5局です。


大山先生の四間飛車に加藤先生は居飛穴です。対四間飛車に棒銀以外の将棋を指していた時期もあるのです。居飛穴は数えるくらいしかなかったと思いますが。

大山先生はオーソドックス。

加藤先生は7筋の歩を飛で交換しました。

58飛が悪手で(後手がどう指したかわかりますか)

飛を切って

76歩が痛いです。取れば49角があります。こういう時に竜を作って頑張るというのが振り飛車の寝技なんですが

加藤先生は35銀から46銀を狙うのが好調子。実現すれば4枚の攻めになります。65歩なら53角もあります。この受け方が悩ましい。48飛は59角ですし、46の守りを増やせないのです。

大山先生は71竜でしたが、これは負けを早めたか。49角が入り

36歩を取りきれず

銀を捨てて53角の筋がありました。

これは加藤先生優勢です。

あとはどう寄せるか。角はなくてもよいので金と交換して

もったいないですが桂を打ち捨てて

46金から角を切り

攻め駒が減った分は桂をぶつけてカバーします。

投了図。

居飛車穴熊の快勝譜です。当時はいきなり飛切りの筋は知られていなかったはずですが、今ならだれでも指しそうです。いつもこうなるなら私でも居飛穴が指せるのですが。
後手をもって楽しく並べましょう。桂を取った後の指し方を自分ならどう指すか考えながら並べるとよいです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:加藤一二三王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 5三銀(62)
15 5八金(69)
16 3三角(22)
17 6七銀(78)
18 2二玉(32)
19 3八銀(39)
20 1二香(11)
21 4六歩(47)
22 1一玉(22)
23 3六歩(37)
24 2二銀(31)
25 1六歩(17)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 4二角(33)
29 4七金(58)
30 4四銀(53)
31 8八飛(68)
32 3一金(41)
33 2六歩(27)
34 5一金(61)
35 1五歩(16)
36 4一金(51)
37 2七銀(38)
38 7四歩(73)
39 3八金(49)
40 7二飛(82)
41 5六歩(57)
42 7五歩(74)
43 同 歩(76)
44 同 飛(72)
45 3七桂(29)
46 3二金(41)
47 5八飛(88)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 7七飛成(75)
51 同 桂(89)
52 7六歩打
53 7一飛打
54 7七歩成(76)
55 同 飛成(71)
56 3五歩(34)
57 同 歩(36)
58 6四角(42)
59 7一龍(77)
60 4九角打
61 5七飛(58)
62 3五銀(44)
63 5五歩(56)
64 3六歩打
65 2五桂(37)
66 2六銀(35)
67 同 銀(27)
68 5三角(64)
69 7八龍(71)
70 2六角(53)
71 3六金(47)
72 3五銀打
73 2六金(36)
74 同 銀(35)
75 3六歩打
76 4五桂打
77 同 歩(46)
78 4六金打
79 5九飛(57)
80 3八角成(49)
81 同 玉(28)
82 3七銀成(26)
83 2九玉(38)
84 3八歩打
85 2八歩打
86 3三桂(21)
87 同 桂成(25)
88 同 金(32)
89 2六銀打
90 3六金(46)
91 3七銀(26)
92 同 金(36)
93 2六銀打
94 2七銀打
95 投了
まで94手で後手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20170521今日の一手(その511);自然な手を考える

2017-05-21 | 今日の一手
20170521今日の一手

4月22日の名南将棋大会から、TさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしと見ます。
玉の堅さは同等です。同じ形ですから。
先手の攻め駒は55桂と持ち駒銀で2枚。59飛も働きそうですが。
後手の攻め駒は52飛73角44桂と持ち駒銀で4枚。

総合すればやや後手もちです。

☆ 大局観として
後手が82の飛を52に回って飛車を使ったところです。これで攻め駒4枚。だけど危険ですね。派手な筋が見えますが、それでよいかどうか。玉の堅さが同等なので、少しでも有利になれば1手勝ちとなりやすいのですが。
駒得を目指すか、55桂を守っておくか。いずれにせよ駒の損得がかかわってきます。迷ったときは自然な手を選びましょう。


○ (私は見えるのに時間がかかったのですが)43桂成がありますね。

59飛成なら33成桂同金59角

で桂金交換で駒得です。後手は52飛などを防いで58飛49金51飛成77角

というくらい。竜を作られて駒得は減りましたが、後手玉が薄くなりましたし44桂も中途半端。先手有利です。

後手の変化は43桂成に58歩くらい。

33成桂同金69飛57飛成65歩

これも先手有利でしょう。


△ 41銀のほうが見えるかもしれません。

55飛同飛同角32銀成同金

ここで33金は同玉53飛43桂

で無理筋。角は抜けません。

もどって51飛に後手は56飛

と打ち返すのが最善で、47金打に73角

これで56飛成同桂65歩33銀56金44歩

とするか、

56金51角65歩

33銀55金43歩45歩36桂同銀69飛

という変化か。
どちらにせよ駒の損得はほぼなくて後手玉も33銀と打てば堅さを取り戻すので互角です。


× 実戦は54歩同飛45歩

と進みました。54歩の打ち捨ては意味がないのですぐに45歩でもほぼ同じです。桂取りに桂取りで返したわけです。55飛同飛同角51飛に57飛

と打たれたら先手玉が危険でした。37角成の素抜き筋と、37角成同金39銀での寄り筋があります。

実戦は58から飛を打たれたので

これなら46銀で大丈夫。(57飛だったら46同角で大損でしたが。)49銀に55飛成

と角を取れば先手有利です。38銀成同金55飛成同銀58飛

ここでは強く44銀として同金に47銀

ならば先手優勢。

あるいは65歩56桂44銀

でも先手有利でしょう。

戻って実戦では自玉を危険だとみて単に47銀として55飛成

で形勢不明です。この後も互角の戦いでしたが

ここで33角成からの即詰みを逃し、35桂13玉33角成

で必至をかけたら37歩成から詰まされて後手のJさんの勝ちに終わりました。

なお、45歩としたのは44桂を取りたかったからなのですが、取ると45桂

と打たれるので取りきれません。


△ おとなしく指すなら56歩と守ります。

53飛に45歩だと56桂同飛55飛

とさばかれ、55同飛同角65歩77角成同桂49飛

は形勢互角です。先手からは44桂がありますが、後手には66角があります。先に飛を打てるほうが勝ちやすいか。

もっとおとなしく53飛には65銀として

56桂を防ぐべきでしょう。上から打つのは54歩に63桂成同銀74銀

と使えるからで、43飛73銀成同桂72角

2枚換えは損ですが、馬を作ればまあまあです。


○ 一番筋の良いのは65歩です。

歩を打つよりも角を使うほうが良いわけです。53飛には64歩同角65銀

82角54歩51飛63桂成

銀を使うので空振りになるとひどいですが、飛角を抑え込めば勝てます。

後手は65歩に58歩か。

でも後手は歩切れになるので怖くはないです。(63桂成は57飛成でやや損ですが)58同飛に49銀では歩切れのまま。67銀59飛76銀不成には63桂成

58歩52成桂59歩成

強く44角同金41飛33角42銀

と攻めてしまえば76銀は空振りですから先手優勢です。


☆ まとめ
形勢がやや有利あるいは互角、というときは迷ったら自然な手を考えるのが良いでしょう。自然ではない手の組み合わせを読んでも無駄になることのほうが多いです。
自然な手とは
駒を得する手、損しない手
自分の駒の働きを良くする手、相手の駒の働きを悪くさせる手

のことです。

43桂成は駒を捨てる不自然な手ですが、59飛成に33成桂同金59角までセットで見えれば、駒得です。ただし59角の働きが悪いので、77角~65歩まで使うことを忘れずに。

41銀は後手玉を薄くするので、相手の守りの駒の働きを悪くさせる手なのですが、桂損(銀桂と金の交換)になります。その先まで読まないと指せませんが、駒損になるのは不自然だ、と切り捨ててもよいでしょう。

45歩あるいは54歩同飛45歩は桂の取り合いにしましょう、という意味合いですが、実際には取り返すことができません。後から駒を取り返すというのは、その間に相手に手段があるかもしれないので不安なのです。

55桂を守るなら56歩は手堅く見えるけれど、後で56桂同飛55飛とさばく手段を与えます。56歩自体が飛車先を止めてしまう手なので自然な手ではありませんね。

65歩が角を使って55桂を守る手で、一番自然なのだと思います。自分の駒の働きを良くして、駒損しないわけですから。相手の応手によってすぐに戦いになっても、角が使えそうなので安心できます。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(525);三間飛車に中央位取り(森雞二)

2017-05-20 | 大山将棋研究
☆ 昨日の復習

後手番大山先生の次の手は?


☆ 今日の棋譜
昭和55年2月、森雞二先生と第38期名人挑戦者リーグです。


森先生の三間飛車で

石田流ではなくて34銀の形にするのが得意なのです。先手番ならひねり飛車、後手番なら34銀型の三間飛車というのが定番でした。そういえば引退されるのでしたね。

大山先生は3筋の歩を交換し

中央の位を取ります。

森先生は13桂から25の歩を取るのが狙いです。この場合は先手に持ち歩があるので銀で取ります。

大山先生は中央から動き、3筋は低く謝っておきます。これは25銀の逆をつく良い感じです。

43金に45歩はいかにも筋。

森先生はぎりぎりでしのぎますが、ちょっと窮屈です。

46銀と圧力をかけられて、角をさばきますが

25銀13桂が生きていませんね。大山先生が有利です。

森先生は金を捨てて両取り。飛車にも当たっているのであり得ない手なのですが

馬も消されて

端を攻めます。飛は取ってもらった方が25銀が働く、と主張します。

57飛には35角。少し悪いところでただ受けるだけではなくて踏ん張る、というのが森先生の将棋の特長です。

大山先生は46歩を打たせて取りに行きます。

41香が入っても44歩から46金。清算してみると

角銀交換だけなので大きな差ではありません。しかしここに銀を打つようでは大山先生のほうが良さそうです。

形勢が良くなれば自然な手が好手になります。歩を突き捨てて(後手の44銀と25銀がひどいのがわかりますね。)

41角。23角成もあるので

24飛に63香。これで寄り筋です。

84金は投げ場を求めたもの。

詰み筋があって

投了です。

大山先生は振り飛車退治もうまいです。特殊な振り飛車に対しては特にうまく指しています。相手から動いてもらった方が指しやすそう。大局観が良いというか、勝ちやすい形を知っているのです。
先手をもって楽しく並べましょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:森雞二8段
後手省略名:森
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4三銀(42)
9 6八玉(59)
10 3五歩(34)
11 2五歩(26)
12 3三角(22)
13 7八玉(68)
14 3二飛(82)
15 4六歩(47)
16 3四銀(43)
17 5八金(49)
18 6二玉(51)
19 6八銀(79)
20 7二玉(62)
21 9六歩(97)
22 1四歩(13)
23 4七銀(48)
24 4二金(41)
25 3六歩(37)
26 同 歩(35)
27 同 銀(47)
28 3五歩打
29 4七銀(36)
30 9四歩(93)
31 5五歩(56)
32 8二玉(72)
33 5七銀(68)
34 7二銀(71)
35 5六銀(57)
36 5二金(42)
37 6六歩(67)
38 1三桂(21)
39 6五歩(66)
40 1二香(11)
41 1六歩(17)
42 5一角(33)
43 6六角(88)
44 2五銀(34)
45 5四歩(55)
46 3六歩(35)
47 3八歩打
48 4三金(52)
49 4五歩(46)
50 5四金(43)
51 4四歩(45)
52 3三角(51)
53 1五歩(16)
54 同 歩(14)
55 6七金(58)
56 4二飛(32)
57 4六銀(47)
58 4四角(33)
59 同 角(66)
60 同 飛(42)
61 4五歩打
62 3四飛(44)
63 5七銀(46)
64 4五金(54)
65 同 銀(56)
66 5五角打
67 2七飛(28)
68 9九角成(55)
69 6六角打
70 同 馬(99)
71 同 銀(57)
72 9五歩(94)
73 同 歩(96)
74 9七歩打
75 5七飛(27)
76 3五角打
77 5六飛(57)
78 4六歩打
79 5七金(67)
80 4一香打
81 4四歩打
82 同 香(41)
83 4六金(57)
84 同 角(35)
85 同 飛(56)
86 4五香(44)
87 同 飛(46)
88 4四銀打
89 4九飛(45)
90 9八歩成(97)
91 6四歩(65)
92 4八歩打
93 5九飛(49)
94 6四歩(63)
95 4一角打
96 2四飛(34)
97 6三香打
98 同 銀(72)
99 同 角成(41)
100 6二香打
101 8五馬(63)
102 6五歩(64)
103 7五銀(66)
104 8四金打
105 同 銀(75)
106 同 歩(83)
107 8三銀打
108 同 玉(82)
109 9四金打
110 同 香(91)
111 同 馬(85)
112 7四玉(83)
113 4一角打
114 投了
まで113手で先手の勝ち


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第72回東海団体リーグB級1R結果

2017-05-20 | 東海団体リーグ
先週14日の結果が送られてきました。

尾張AチームはB級に落ちてしまいましたが、とりあえずは三連勝。私も不戦勝、勝ち、勝ちでホッとしました。




当たり方は最終日がきつそうですね。それでも全部勝たないといけません。
斎藤さんが長期離脱で(出産だとか。おめでとうございます。)レギュラー探しも必要です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする