今日の棋譜20171225
昭和58年10月、小林健二先生と第23期王将戦です。
大山先生の四間飛車に小林先生は居飛車穴熊です。若いころは居飛車党でした。44歩の形の居飛車穴熊が初期のころ(升田大山の名人戦)の形で、44銀がこの時代の流行で、藤井システムが出てからは44歩のほうが主流、と時代は繰り返しています。
この図先手側が神谷明廣さんの好きな形でした。名南将棋大会は15年ですが、始めたのが神谷さんです。亡くなったのが12年前になりますね。懐かしいです。
大山先生は銀冠に組み替えようとします。この瞬間が危ないのがいつものこと。ここから55歩同銀86歩同歩75歩同歩に
55角と切る攻め筋があります。だれが発見したんでしょうね。
角銀交換でも先手陣がバラバラですから、ずいぶん小林先生がうまくやったようですが
大山先生は自陣角を打ち
64歩と突きだせば金取り、銀を上がられて何かありそうなのですが、63歩成に65桂、というのも難しそう。
78歩も大山先生らしい辛抱です。ここから数手はどちらからも選択肢が多いです。小林先生は76歩から飛車を使い
大山先生は端に手を付けます。金銀2枚の穴熊なので手がつけば早いです。
銀を出られて両取り。65同角同桂38金が普通の進行か。87角66銀43角成とか。本譜は75角で
飛車は取っても大山先生は大きな駒損です。一気に寄せるつもりだったのでしょうが、54角と打たれて嫌な感じです。
15歩は継続の攻め。小林先生は駒得だからと銀を捨てて
角を打って銀を打って、どんどん攻めていきます。これが案外に受けにくいです。駒損になっても一手で先手玉がしっかりするなら良いのですが、それがなくて
銀を打って飛車を取らせて、さらに金を上がって後手を引く、これでは悪いのですが代わりの手が見つかりません。まあこの図でも結構難しく、大山先生らしい選択肢だという気はします。後手玉は13桂成同桂14歩で結構危険ですから。
若いころの小林先生は勢いよく切り込んで
あれ?大山先生に合駒する持ち駒がありません。59飛に28角は打たないほうが(18香で間に合わせられないか)よかったのかも。
金の移動合いは切られて
この図は寄せ合い一手負けなのです。47銀不成が詰めろだから
13桂成から75角は桂を打たれて意味がなかったか。66同角でも先手玉が危険です。13桂成同桂を入れずに75角なら46竜でしょうか。やはり足らなさそう。
投了図。
角銀交換で飛車をさばく筋は何度か見るのですが、互いの陣形次第です。振り飛車が27銀の瞬間なら条件が良いのですが、居飛穴の43金も浮き駒でした。すぐに決まらないなら駒得の大山先生のペースだと思いましたが。74手目65銀への対応を、角2枚で飛車を取って寄せに行った、というのが間違いでしょう。薄い穴熊で簡単に寄りそうだし、76の銀も働きがない、やりたくなるのはわかるのですが。金銀が乱れていても気にしない(後で埋めてしまえばよい)大山先生の強気が裏目に出ました。私たちアマチュアなら38金と締まっておきたいですよね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:小林健二7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 8四歩(83)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 3三角(22)
15 6七銀(78)
16 5三銀(62)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5六銀(67)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 4三金(52)
25 3六歩(37)
26 1二香(11)
27 1六歩(17)
28 1一玉(22)
29 2六歩(27)
30 2二銀(31)
31 3七桂(29)
32 3一金(41)
33 1五歩(16)
34 8五歩(84)
35 7七角(88)
36 7四歩(73)
37 6五歩(66)
38 5一角(33)
39 2七銀(38)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 7三角(51)
43 4七金(58)
44 5五歩(54)
45 同 銀(56)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 7五歩(74)
49 同 歩(76)
50 5五角(73)
51 同 角(77)
52 8六飛(82)
53 8八歩打
54 7六飛(86)
55 7七角(55)
56 7三桂(81)
57 8七角打
58 7五飛(76)
59 6四歩(65)
60 5四銀(53)
61 7八歩打
62 3五歩(34)
63 同 歩(36)
64 7六歩打
65 6六角(77)
66 6五飛(75)
67 7六角(87)
68 6四飛(65)
69 1四歩(15)
70 同 歩(13)
71 1三歩打
72 同 香(12)
73 2五桂(37)
74 6五銀(54)
75 7五角(66)
76 7六銀(65)
77 6四角(75)
78 同 歩(63)
79 7一飛打
80 5四角打
81 1五歩打
82 6七銀成(76)
83 同 飛(68)
84 7六角打
85 6九飛(67)
86 5八銀打
87 3八銀打
88 6九銀(58)
89 4八金(49)
90 3七歩打
91 同 金(48)
92 2七角成(54)
93 同 玉(28)
94 5九飛打
95 2八角打
96 5四角(76)
97 4五歩(46)
98 同 角(54)
99 3六金(47)
100 同 角(45)
101 同 金(37)
102 5七飛成(59)
103 4七歩打
104 5八銀(69)
105 1三桂成(25)
106 同 桂(21)
107 7五角打
108 6六桂打
109 4六金(36)
110 2九銀打
111 3九香打
112 3八銀(29)
113 同 香(39)
114 4七銀(58)
115 投了
まで114手で後手の勝ち
昭和58年10月、小林健二先生と第23期王将戦です。
大山先生の四間飛車に小林先生は居飛車穴熊です。若いころは居飛車党でした。44歩の形の居飛車穴熊が初期のころ(升田大山の名人戦)の形で、44銀がこの時代の流行で、藤井システムが出てからは44歩のほうが主流、と時代は繰り返しています。
この図先手側が神谷明廣さんの好きな形でした。名南将棋大会は15年ですが、始めたのが神谷さんです。亡くなったのが12年前になりますね。懐かしいです。
大山先生は銀冠に組み替えようとします。この瞬間が危ないのがいつものこと。ここから55歩同銀86歩同歩75歩同歩に
55角と切る攻め筋があります。だれが発見したんでしょうね。
角銀交換でも先手陣がバラバラですから、ずいぶん小林先生がうまくやったようですが
大山先生は自陣角を打ち
64歩と突きだせば金取り、銀を上がられて何かありそうなのですが、63歩成に65桂、というのも難しそう。
78歩も大山先生らしい辛抱です。ここから数手はどちらからも選択肢が多いです。小林先生は76歩から飛車を使い
大山先生は端に手を付けます。金銀2枚の穴熊なので手がつけば早いです。
銀を出られて両取り。65同角同桂38金が普通の進行か。87角66銀43角成とか。本譜は75角で
飛車は取っても大山先生は大きな駒損です。一気に寄せるつもりだったのでしょうが、54角と打たれて嫌な感じです。
15歩は継続の攻め。小林先生は駒得だからと銀を捨てて
角を打って銀を打って、どんどん攻めていきます。これが案外に受けにくいです。駒損になっても一手で先手玉がしっかりするなら良いのですが、それがなくて
銀を打って飛車を取らせて、さらに金を上がって後手を引く、これでは悪いのですが代わりの手が見つかりません。まあこの図でも結構難しく、大山先生らしい選択肢だという気はします。後手玉は13桂成同桂14歩で結構危険ですから。
若いころの小林先生は勢いよく切り込んで
あれ?大山先生に合駒する持ち駒がありません。59飛に28角は打たないほうが(18香で間に合わせられないか)よかったのかも。
金の移動合いは切られて
この図は寄せ合い一手負けなのです。47銀不成が詰めろだから
13桂成から75角は桂を打たれて意味がなかったか。66同角でも先手玉が危険です。13桂成同桂を入れずに75角なら46竜でしょうか。やはり足らなさそう。
投了図。
角銀交換で飛車をさばく筋は何度か見るのですが、互いの陣形次第です。振り飛車が27銀の瞬間なら条件が良いのですが、居飛穴の43金も浮き駒でした。すぐに決まらないなら駒得の大山先生のペースだと思いましたが。74手目65銀への対応を、角2枚で飛車を取って寄せに行った、というのが間違いでしょう。薄い穴熊で簡単に寄りそうだし、76の銀も働きがない、やりたくなるのはわかるのですが。金銀が乱れていても気にしない(後で埋めてしまえばよい)大山先生の強気が裏目に出ました。私たちアマチュアなら38金と締まっておきたいですよね。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:小林健二7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 6二銀(71)
5 7八銀(79)
6 8四歩(83)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5四歩(53)
13 2八玉(38)
14 3三角(22)
15 6七銀(78)
16 5三銀(62)
17 3八銀(39)
18 2二玉(32)
19 5六銀(67)
20 4四歩(43)
21 4六歩(47)
22 5二金(61)
23 5八金(69)
24 4三金(52)
25 3六歩(37)
26 1二香(11)
27 1六歩(17)
28 1一玉(22)
29 2六歩(27)
30 2二銀(31)
31 3七桂(29)
32 3一金(41)
33 1五歩(16)
34 8五歩(84)
35 7七角(88)
36 7四歩(73)
37 6五歩(66)
38 5一角(33)
39 2七銀(38)
40 9四歩(93)
41 9六歩(97)
42 7三角(51)
43 4七金(58)
44 5五歩(54)
45 同 銀(56)
46 8六歩(85)
47 同 歩(87)
48 7五歩(74)
49 同 歩(76)
50 5五角(73)
51 同 角(77)
52 8六飛(82)
53 8八歩打
54 7六飛(86)
55 7七角(55)
56 7三桂(81)
57 8七角打
58 7五飛(76)
59 6四歩(65)
60 5四銀(53)
61 7八歩打
62 3五歩(34)
63 同 歩(36)
64 7六歩打
65 6六角(77)
66 6五飛(75)
67 7六角(87)
68 6四飛(65)
69 1四歩(15)
70 同 歩(13)
71 1三歩打
72 同 香(12)
73 2五桂(37)
74 6五銀(54)
75 7五角(66)
76 7六銀(65)
77 6四角(75)
78 同 歩(63)
79 7一飛打
80 5四角打
81 1五歩打
82 6七銀成(76)
83 同 飛(68)
84 7六角打
85 6九飛(67)
86 5八銀打
87 3八銀打
88 6九銀(58)
89 4八金(49)
90 3七歩打
91 同 金(48)
92 2七角成(54)
93 同 玉(28)
94 5九飛打
95 2八角打
96 5四角(76)
97 4五歩(46)
98 同 角(54)
99 3六金(47)
100 同 角(45)
101 同 金(37)
102 5七飛成(59)
103 4七歩打
104 5八銀(69)
105 1三桂成(25)
106 同 桂(21)
107 7五角打
108 6六桂打
109 4六金(36)
110 2九銀打
111 3九香打
112 3八銀(29)
113 同 香(39)
114 4七銀(58)
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