後手番升田先生の手を考えます。
第1問
先手にうまく攻められています。少し悪いので指し手は限られています。
A 53同銀 B 71金 C 33金
第2問
これは勝負手です。先手は応対を間違えます。
A 34角 B 66桂 C 27角
第3問
形勢はほぼ互角です。どう受けますか?
A 71桂 B 72銀 C 53金
第4問
これで先手の詰めろは続かなくなります。
A 62銀 B 71角 C 95桂
後手番升田先生の手を考えます。
第1問
先手にうまく攻められています。少し悪いので指し手は限られています。
A 53同銀 B 71金 C 33金
第2問
これは勝負手です。先手は応対を間違えます。
A 34角 B 66桂 C 27角
第3問
形勢はほぼ互角です。どう受けますか?
A 71桂 B 72銀 C 53金
第4問
これで先手の詰めろは続かなくなります。
A 62銀 B 71角 C 95桂
今日の棋譜20200302
1954年10月、小堀清一先生と早指し王位戦(第1期として始まった)です。
後手の升田先生は矢倉のような振り飛車のような。先手の小堀先生は46歩が早いです。ねらいはわかりますね。
升田先生は53銀型、大野流の
四間飛車です。升田先生はたまに振り飛車を指すことがありました。後年には自分から動く陽動振り飛車、力戦振り飛車を指すことが多くなるのですが、この時代の振り飛車は受け身をとることが多いです。
小堀先生は9筋の位を取りました。逆に升田先生は端を受けずに、(後年では特に)動く振り飛車を指すことが多いです。
小堀先生は25歩を突いてから腰掛け銀へ。対抗型でも腰掛け銀が好きなのですよね。右四間飛車ではないようです。
飛角銀桂を使って急戦を考えています。
金無双にしたのは、88角成を同銀と取って王手飛車などを食らわないようにするため。今のAI時代に金無双が見直されているのでしたっけ。
43金と守られたところで、24歩から仕掛けます。
24同歩35歩同歩45歩。こういう攻め方をするときに、55歩同銀45歩64銀88角成同玉64歩24飛33角で王手飛車、という変化が消えています。
45同歩33角成同金。どこかで55歩を突かれて困りそうな形ですが、
45桂34金31角。32飛には64角成同歩43銀31飛32歩で金を取れます。
41飛22角成。45金23馬は先手が良いでしょう。やはり55歩が難しいかな。
25歩29飛46歩。ちょっと嫌な歩ですが、後手の飛先が重くなりました。
23馬44飛53桂不成。53同銀45歩は金を取れそうです。比較としては、53桂成としてあったら
33金に45歩を打ちやすかったということ。23金44歩53銀43歩成は桂損でもと金が残りました。本譜は33金に61桂成23金
62成桂33桂77桂。成桂は銀と交換するとして、角桂と金銀の交換は等価値くらい。玉の堅さで優り、先手が少し良いかというくらいです。
55歩65銀73銀引
72成桂同玉53銀。41飛42歩とか43飛54銀は先手良しなので
24飛49飛。後手玉は薄くて受けにくそうですが。
升田先生は71角52銀不成を入れてから66桂。66同歩は34角ですね。金角交換になります。後手陣をまとめるのは大変そうなので、小堀先生としては66同歩のほうが良かったのかもしれません。
88玉58桂成同金62金。先手玉は薄くなり、攻めが続くかどうか。
43銀不成36角。68金打では攻め駒が減ってしまいます。
68金47歩成37歩。なるほど、37同と とは散りにくいですね。
27角成47飛45歩。47飛は攻め駒には入りません。小駒4枚で攻めが続くかどうか。
52金38馬48歩、馬飛の交換は歓迎です。
52金同銀成64歩
61金82角54桂63金。65銀を取られる前に攻め切れるか。
62桂成から清算して、後手玉は薄くなったものの、攻め駒は65銀を使っても3枚です。小駒3枚では心細い。
74銀71桂
32銀22金43銀成73歩。このまま74銀を取られるとだめです。
83銀成同桂53金
72玉33成銀同金45飛。飛を使って攻め駒3枚ならばどうか。
51金35飛。35飛のところで63桂はあったのか。
44銀33飛成同銀63金打。また小駒3枚の攻めですが、後手玉は狭いです。
71玉43桂
61金52金直同金同金。後手玉に詰めろがかかりようになりました。
62金51桂成72玉。何かありそうなのですがないのです。
53金打同金同金95桂。83に逃げるルートができてしまいました。38馬の利きもあるので後手玉を捕まえにくいです。
95同香74歩。75桂を防がれて、52成桂~62成桂83玉63金~72成桂で詰めろなので、現状は4手すきです。後手には受けもあるので、寄せ合い勝ちは絶望でしょう。
97歩は96金などを気にした受けの手でしたが、49飛は詰めろ。
78金44飛。飛を成り込まれると詰めろです。
47桂48馬55桂。怪しくうっちゃりねらい。
57馬63桂成83玉。先手玉は詰めろで、後手玉は詰めろもかからず。
68金打同馬まで。
小堀先生がうまく攻めていたのですが、最強の手順を選ばないと難しくなるものです。攻めが続くかどうかの難しい局面が続いたのですが、升田先生にうまく粘られてしまいました。升田先生は飛角桂香を使うような受けも得意で、攻める将棋ばかりではありません。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.60 棋譜ファイル ----
開始日時:1954/10/04(月) 00:00:00
棋戦:早指し王位戦
戦型:四間飛車
手合割:平手
先手:小堀清一
後手:升田幸三
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 4二銀(31)
7 4六歩(47)
8 3三角(22)
9 4七銀(48)
10 5四歩(53)
11 6八玉(59)
12 5三銀(42)
13 5八金(49)
14 4二飛(82)
15 7八玉(68)
16 6二玉(51)
17 9六歩(97)
18 7二玉(62)
19 9五歩(96)
20 5二金(41)
21 2五歩(26)
22 8二玉(72)
23 5六銀(47)
24 7二銀(71)
25 1六歩(17)
26 1四歩(13)
27 3六歩(37)
28 6四銀(53)
29 3七桂(29)
30 7四歩(73)
31 2六飛(28)
32 8四歩(83)
33 6八金(69)
34 4三金(52)
35 2四歩(25)
36 同 歩(23)
37 3五歩(36)
38 同 歩(34)
39 4五歩(46)
40 同 歩(44)
41 3三角成(88)
42 同 金(43)
43 4五桂(37)
44 3四金(33)
45 3一角打
46 4一飛(42)
47 2二角成(31)
48 2五歩(24)
49 2九飛(26)
50 4六歩打
51 2三馬(22)
52 4四飛(41)
53 5三桂(45)
54 3三金(34)
55 6一桂成(53)
56 2三金(33)
57 6二成桂(61)
58 3三桂(21)
59 7七桂(89)
60 5五歩(54)
61 6五銀(56)
62 7三銀(64)
63 7二成桂(62)
64 同 玉(82)
65 5三銀打
66 2四飛(44)
67 4九飛(29)
68 7一角打
69 5二銀(53)
70 6六桂打
71 8八玉(78)
72 5八桂成(66)
73 同 金(68)
74 6二金打
75 4三銀(52)
76 3六角打
77 6八金(58)
78 4七歩成(46)
79 3七歩打
80 2七角成(36)
81 4七飛(49)
82 4五歩打
83 5二金打
84 3八馬(27)
85 4八歩打
86 5二金(62)
87 同 銀成(43)
88 6四歩(63)
89 6一金打
90 8二角(71)
91 5四桂打
92 6三金打
93 6二桂成(54)
94 同 銀(73)
95 同 金(61)
96 同 金(63)
97 同 成銀(52)
98 同 玉(72)
99 7四銀(65)
100 7一桂打
101 3二銀打
102 2二金(23)
103 4三銀成(32)
104 7三歩打
105 8三銀成(74)
106 同 桂(71)
107 5三金打
108 7二玉(62)
109 3三成銀(43)
110 同 金(22)
111 4五飛(47)
112 5一金打
113 3五飛(45)
114 4四銀打
115 3三飛成(35)
116 同 銀(44)
117 6三金打
118 7一玉(72)
119 4三桂打
120 6一金(51)
121 5二金(53)
122 同 金(61)
123 同 金(63)
124 6二金打
125 5一桂成(43)
126 7二玉(71)
127 5三金打
128 同 金(62)
129 同 金(52)
130 9五桂(83)
131 同 香(99)
132 7四歩(73)
133 9七歩打
134 4九飛打
135 7八金(68)
136 4四飛(24)
137 4七桂打
138 4八馬(38)
139 5五桂(47)
140 5七馬(48)
141 6三桂成(55)
142 8三玉(72)
143 6八金打
144 同 馬(57)
145 投了
まで144手で後手の勝ち