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奇面組の思い出(その11)

2006-03-01 17:13:25 | アニメのお仕事
さて、今回はちょっと専門的な話。

TVシリーズの場合、通常一本(30分)あたりの使用する動画総枚数は3000枚~3500枚ぐらいです。
奇面組の場合、一本の上限は4000枚と決められていましたが、ほとんど守られた例がありません(笑)。
この4000枚という枚数で、予算組みしていますから、越えた分は赤字になります。その分、手間も余計に掛かりますし、作業量も増えます。
でも、ある程度は枚数を多く使わないと、面白い表現が出来ないのも確かです。
このあたりに、現場の葛藤はあります。

#67ぐらいでしたでしょうか?
奇面組が遊園地で遊ぶ話がありましたよね?
実は、この回の動画総枚数が、30分2話のうちの1話分にもかかわらず、4000枚を超えていました。

この頃は、オイラもデスクっぽい立場になりまして、自分で話数を回す(担当)事が少なくなり、少しノンビリしていたのが運の尽き。
担当進行さんには、何度も枚数確認していたのですが、進行具合が遅く「どうもおかしい」と思い、自分でチェックしてみると、なんと1話分が、その段階で4000枚近くいってましたが、後の祭り。
削りようも無く、最終的に4400枚、もう片方も2300枚で、合計6700枚です。
暴挙というか、快挙というか・・・。
TVシリーズでこんなに枚数を使ったのは、「未来少年コナン」ぐらいではないでしょうか?(笑)。・・・いや~参りました。

しかも、肝心のクライマックスのシーンで、リテークが出てしまい、撮影さんから泣きが入るほど、めんどくさいカットだったので、仕方なく「中抜き」で撮影したため、映像的にもグレードダウンしてしまったのです。
このカットは、当初、フル(24コマ)で撮影だったので、それはそれは、凄い迫力のあるカットでした。
ただ、時間的制約もあり、仕方なく12コマ(24枚の絵を中抜きして12枚で撮影)にしました。
TVシリーズは通常1枚の絵を3コマ撮影しますので、1秒間24コマに使う絵は8枚になります。
ですから、それでも、なかなかのクオリティであると思うのですが・・・。

6700枚って言ったら、1.5本分。
しかも、有効に活かされないカットがあったのですから、踏んだり蹴ったりです。

絵コンテの段階から「やばい」とは思っていたんですけどねえ・・。
まあ、演出に言わせれば「シナリオの段階からなんとかしてくれないと・・・」ということだったので、ある程度は仕方の無いことなのでしょうが、それにしてもねえ、多すぎでした(笑)。

あ、今だから笑えるんですよ、
その当時は、大変でした。
メチャクチャ怒られましたから・・・(爆)。
コメント
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