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奇面組の思い出(その13)(終)

2006-03-20 22:15:47 | アニメのお仕事
さて、今日は最後ですから、最終回についてですよ。

番組が終わる前に、ジャンプの連載は終わりました。(確かそうですよね)。
MIXIのコミュを覗きますと、その内容について案外悲観論をお持ちの方がいます。
で、アニメ制作の現場ではどうだったかというと、わりと好評でしたね。
あの奇面組と唯や千絵の仲間たちは、実は、読者の皆さんそのものなんです。
もちろん、あんな芸当(奇面フラッシュとか、筋肉大移動とか)はできませんが、一人一人に物語があって、そんな皆が、それぞれ、楽しい思い出を作って欲しいという作者の思いがあったんだと考えます。
だから、ストーリーは一番最初に戻った所で終わらせたのです。
終わりだけど、それがスタートの合図だったんですね。
あとは、それぞれの心の中で、それぞれの奇面組を演じていく。

ただ、ジャンプの最後のシーンでは、奇面組を出さなかったので、誤解を招いたかもしれない、という作者の反省(?)が、単行本の出版に際して、零君の影を見せることで、今までの物語が唯の空想ではなく、「予感」であったと言う結末にしていたんですよ、ということを伝えたかったのだと思います。

だから、あの最終回のあと、唯たちと、読者の皆さんは、それぞれが思い出作りの始まりだったんです。
唯たちは、奇面組と、
そして、皆さんは、周りの友達と・・・。
同じ青春の「時」を過ごしていくんだよ、という作者の思いなんです。

前置きが長くなりました。
TVの奇面組の最終回の内容は、偶然そうなったものです。
つまり、あの話は、完全なオリジナルです。原作にはありません。
あるシナリオライターの卵があの脚本を書き、シリーズ構成を担当していた脚本家の先生が採用して、最終的にTV局サイドがOKをだしたものです。
この段階では、ジャンプの連載はまだ終わっていませんでしたし、TVの方も放送終了が決まっていませんでした。
当初、TVの最終回は、以前に作った編集版を使おうか、という話もあったようですが、最終的に、このオリジナルのシナリオが、最終回としていいんじゃないか、ということでした。

作者はもちろんですが、制作スタッフも「奇面組」をとても大事にしていましたので、原作の意図を伝える為に、時には違う表現をしてみたり、あるいは、原作に無いことも付け加えたりしました。ですから、原作によっては、単行本出版時に、わざわざ、TVに合わせて加筆、修正もしていたと聞きます。
より読者、視聴者のみなさんに喜んでもらえるよう、ベストの選択をする。
常に、読者の気持ちを最優先に考える。
新沢基栄先生は、そういう方だと思います。

今また、新たな「奇面組」が始まっていると聞きます。
素晴らしい事です。
それだけ皆さんに支持を受けている証拠です。
オイラはこの作品に関わる事が出来て、本当に良かったと思っています。

「ハイスクール!奇面組」
この世に「笑い」がある限り、語り継がれ、読み続けられる作品です。

ありがとうございました。
コメント (3)
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奇面組の思い出(その12)

2006-03-13 19:00:19 | アニメのお仕事
そろそろネタも無くなって来ました(笑)。

え~、奇面組は、一応ゴールデンタイムに放送していましたが、当然のことながら、この時間帯は、4~9月にかけてはナイター中継が入りまして、その都度、厳しい制作スケジュールが助けられたものです。
もちろん、雨で中止になった場合は、放送がある予定だった事もありますが(って、ほとんどそうだったのですが・・・)、幸いにも、そのようなことは、一度も無かったように記憶しています。

で、その時(ナイター中止)のために、一本だけ、編集版を作っていました。いわゆる名場面集ですね。

ただ、この名場面集、作ったのが、かなり初期の段階でして、ネタが少なかった事も事実です。

放送終了が決まった時は、ナイター中継の絡みなどもあり、何本まで作るということが割りとアバウトでして、にしても、最終回だけは、それらしく終わりたい、ということもあって、最終的には、この編集版を放送しよう、と一時は決まったのですが、最後の最後に、雨が降りまして、ナイター中継は中止。
で、この編集版が日の目を見ました(笑)。

さて、予定が狂い、もう一本作らなければならないのか、ということですが、
結局、特番が入り、追加の制作はありませんでした。
この時は、みんなで結構焦っていたように思います(笑)。

次回、最終回です。
ちょうど、13回目、1クールですね(笑)。
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奇面組の思い出(その11)

2006-03-01 17:13:25 | アニメのお仕事
さて、今回はちょっと専門的な話。

TVシリーズの場合、通常一本(30分)あたりの使用する動画総枚数は3000枚~3500枚ぐらいです。
奇面組の場合、一本の上限は4000枚と決められていましたが、ほとんど守られた例がありません(笑)。
この4000枚という枚数で、予算組みしていますから、越えた分は赤字になります。その分、手間も余計に掛かりますし、作業量も増えます。
でも、ある程度は枚数を多く使わないと、面白い表現が出来ないのも確かです。
このあたりに、現場の葛藤はあります。

#67ぐらいでしたでしょうか?
奇面組が遊園地で遊ぶ話がありましたよね?
実は、この回の動画総枚数が、30分2話のうちの1話分にもかかわらず、4000枚を超えていました。

この頃は、オイラもデスクっぽい立場になりまして、自分で話数を回す(担当)事が少なくなり、少しノンビリしていたのが運の尽き。
担当進行さんには、何度も枚数確認していたのですが、進行具合が遅く「どうもおかしい」と思い、自分でチェックしてみると、なんと1話分が、その段階で4000枚近くいってましたが、後の祭り。
削りようも無く、最終的に4400枚、もう片方も2300枚で、合計6700枚です。
暴挙というか、快挙というか・・・。
TVシリーズでこんなに枚数を使ったのは、「未来少年コナン」ぐらいではないでしょうか?(笑)。・・・いや~参りました。

しかも、肝心のクライマックスのシーンで、リテークが出てしまい、撮影さんから泣きが入るほど、めんどくさいカットだったので、仕方なく「中抜き」で撮影したため、映像的にもグレードダウンしてしまったのです。
このカットは、当初、フル(24コマ)で撮影だったので、それはそれは、凄い迫力のあるカットでした。
ただ、時間的制約もあり、仕方なく12コマ(24枚の絵を中抜きして12枚で撮影)にしました。
TVシリーズは通常1枚の絵を3コマ撮影しますので、1秒間24コマに使う絵は8枚になります。
ですから、それでも、なかなかのクオリティであると思うのですが・・・。

6700枚って言ったら、1.5本分。
しかも、有効に活かされないカットがあったのですから、踏んだり蹴ったりです。

絵コンテの段階から「やばい」とは思っていたんですけどねえ・・。
まあ、演出に言わせれば「シナリオの段階からなんとかしてくれないと・・・」ということだったので、ある程度は仕方の無いことなのでしょうが、それにしてもねえ、多すぎでした(笑)。

あ、今だから笑えるんですよ、
その当時は、大変でした。
メチャクチャ怒られましたから・・・(爆)。
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奇面組の思い出(その10)

2006-02-21 18:22:15 | アニメのお仕事
今回は修学旅行のお話(#45?)でのエピソード。

この回も30分一話の話数で、作画も前回登場した「サムシング吉松」氏が所属していたスタジオライブさん。
作画監督が、局からクレームがついて替わりました。
まあ、確かに、ちょっと似てなかったですけど、替えなきゃならない程なのかは、ちょっと微妙・・・。
局の声は「天の声」なので、仕方ないか・・・。
で、替わった彼女(それまでは男性でした)が、なんか凄く上手い(笑)。と、当時は思っていました。
上手いのは、当たり前です。
「ダンクーガ」という作品のキャラクターデザインをやってましたからね。

って。ここまで書いて、ひょっとしたら話数を勘違いしてるかもしれないと。思い始めました・・・(爆)。
でもまあ、彼女も間違いなく作画監督をやっていましたので、許してね♪

で、本題。
奇面組のサントラ盤ってあったんですけど、主題歌以外にも「うしろゆび」の曲が入っていまして(シングルのB面?)、その曲をアニメの本編にも使いたいと、言う事になったんですが、どういうわけか音源の手配が付かなかったんですよ。

それで、どうしたかというと、そのサントラ盤のCDと、オイラの自前のCDプレイヤーをダビングスタジオに持ち込んで音源を落としたんです。

今はとても考えられないんですが、当時はまだまだ、CDと、アナログレコードが半々ぐらいで、音源としての認知も少なかったんですね。
もちろん、TV用の音も「アナログ」収録でした。

音源としてのCDは、まったく問題ないんですが、その落とし方が、いかにも、「アナログ」な、手作り感覚で、「こんなんでいいのか?」と、オイラは苦笑していました。
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奇面組の思い出(その9)

2006-02-14 21:38:51 | アニメのお仕事
さて、今日の話は、話数で言うと確か第33話かな?
(#31だったかも。。。)
林間学校だか、臨海学校だかの話です。

この回は、30分で1本のストーリー。

で、オイラのネタの内容は、作画に関することです。

丁度、ストーリーも大詰めを迎えたカットナンバー308・・・。

豪君がスイカを切るシーンです。
このシーン、原画の段階では、かなり長いカットだったのです。
絵コンテでは、多分8秒ぐらいだったのですが、いざ原画が上がってみると、12秒ぐらいのカットになってました。
というのも、絵コンテの絵自体がいい加減に描いてあって、原画打ち合わせでは、「おまかせ」だったのです。
つまり、アニメーターさんに、「好きに描いて下さい」ってことです。
結構困る人もいるのですが、乗り乗りで、描いてくれる人もいます。

で、この時のアニメーターさんは、知る人ぞ知る「サムシング吉松」氏(笑)。
「アニメディア」などで、ご自身のコラムも持ってたので、30代ぐらいのアニメファンなら知ってるかも? ちなみにオイラも「ネタ」にされたことがあります。

まあ、それはさておき、
描いてくれた原画の内容は、確かに面白かったのです。
しかしながら、ちょっと残虐な表現がありました。

実際、撮影まで作業は進んでいて、そのラッシュフィルム(チェック用の棒焼き)を見たときは、クオリティの高さに驚いたのですが、とてもTV局の許可が下りる内容ではありませんでした。
オイラの初めての「ダメ出し」です。
赤ちゃん姿の零君(だったか?)の頭に包丁が突き刺さる、というものでした。

まあ、オイラが「ダメ出し」しなくても、直してくれたんじゃないかとは思うんですが、ひょっとしたら、また「受け取れないね」なんて、プロデューサーT氏に言われていたかも・・・(爆)。

放送されたものは、尺(秒数)を調整して、作画したものが無駄にならないように、工夫して完成させたものです。
ですから、この残虐な絵も一応入っていますが、1コマだけです。
普通に見てるとわかりませんが、スロー再生ならきっと解かると思います。
DVDをお持ちの方は確認してみて下さい。

そうそう、この時の演出は「三沢伸」氏です。
この方も「知る人ぞ知る」有名人(?)・・・の、はず・・です・・ねぇ?(笑)
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奇面組の思い出(その8)

2006-02-06 21:09:56 | アニメのお仕事
では、昨日の続きを・・・。

これからお話する事件は、ある意味、T氏の個人的な意見が尊重された事例です。
しかし、作品の内容に深く関わっているので、賛否があるでしょう。

最終的には、ダビングという作業をやり直すことになりました。

話数は覚えていませんが、零君が発する「くしゃみ」の音に、千絵が「胸のときめき」(胸キュン)だと、勘違いするお話です。

問題になったのは、この時に使用された効果音です。
初号試写の段階では、シナリオ上において「キュイ~ン」と記述された零君のくしゃみの音を、効果音のみで表現していました。
どんな音かというと、ちょうど「ガンダム」におけるニュータイプが覚醒した時のあの音、と言えば解かって頂けるでしょうか?

では、T氏の見解から説明しましょう。
T氏は、この音では、くしゃみであることが解からない、と言いました。
それが解からなければ、「オチ」につながらない、だから、くしゃみであることが、最初に判るようにして欲しい、ということでした。

かたや、この話数の演出F君は、最初から判ると、「オチ」のインパクトが低下してしまうことと、それらしいニュアンスの音付けもしている、と反論。

くしゃみを文字にすると「ハクション」となりますが、この最初の「ハ」の音を、声優さんに入れてもらっていました。
で、「クション」の部分が、前出の効果音になっていたのです。
シナリオ通りであり、たぶん、原作に忠実な、処理だと思います。
音響監督(宮崎作品も手がけたS氏)も納得づくで仕上げているものでしたので、やり直しをするにあたり、かなりの抵抗を感じていたようです。

実は、T氏はこの話数のダビングには来ていなかったのです。
この回に限らず、ダビング作業には往々にして、顔を出さないことがあります。
まず、そのことが問題なのですが、とにかく、この音については譲れないようでしたので、結局ダビングをやり直すことになりました。

このダビングには、急遽、声優(千葉繁)さんにも来て頂いて、T氏立会いのもと、納得するまで入れ直しを行いました。

結果が、放送されたものです。
生声を効果音的に加工して、双方の妥協の産物となりました。

ご覧になった方は、どう思われたでしょうか?
オイラの個人的意見は、やり直す前のバージョンを採りたいと思うのですが・・・。

これ以降、T氏がダビングにも欠かさず顔を出すようになった事は、言うまでもありません(笑)。
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奇面組の思い出(その7)

2006-02-05 18:56:22 | アニメのお仕事
作品が完成すると、試写が行われるが、現像所で行われるこの儀式を「初号試写」という。
「初号」とは、最初にプリントされたフィルムの番号であり、劇場用の作品であれば、何十本もプリントされるのであるが、TVシリーズなどは、大抵の場合、この「初号」一本きりである。

初号試写には、制作関係者はもちろん、TV局や代理店のプロデューサーがやって来る。
で、放送するのに問題がないか最終確認を行うのだ。
たいていの場合は、問題も無く終了する。
シナリオ、絵コンテ、アフレコ、と、何重にもチェックを受けているので、当たり前の話なのだが、これからお話する2回の出来事は、オイラが強く記憶している初号試写である。

まず、一つ目。
試写室で初号を見終わった後は、別部屋に移動して、そのフィルムについてや、今後のスケジュール、シナリオ、その他諸々の話し合いが持たれるが、オイラ達、制作現場の人間にとっては、とても緊張する場面である。
ここで、OKが出なければ、納品出来ないからであり、イコール、リテーク作業(作り直し)に取り掛からなければならないからである。
スケジュールに余裕がなければ(放送日目前)、多少のミス(色パカ、ハレーションなど)は、見逃してくれるのであるが、それでも見逃してくれない場合もある。
その時もそうであった。
なんら問題なく、初号試写は終了して、オイラ達も、安心していたのだが、
別部屋に移動し、全員が着席した後、しばらく沈黙が続き、オイラ達の社長が、「どうですか?」と、たまらず一声を発した後、局プロデューサーT氏の放ったひと言で、緊張はピークに達した。

「受け取れないね」

皆が「え?」と思ったのだが、その理由に気付いた者は他には、いなかったのだ。

実は、サブタイトルの文字が間違っていたらしい。
「零」の字が「雰」となっていたのだ。

こんなことで、初号プリントが使えなくなったことは、残念なのだが、防げないミスではないし、この時は、スケジュールにも割りと余裕が出てきていたので、気持ちの緩みが生んだミスであったと思う。

しかし、それ以上に、T氏の発見がなければそのまま放送されていたことになるので、「さすがだなあ」と、オイラは感心してしまった。
周りの人は、「偉そうにしてる」と、とかく評判の良くないT氏だが、基本的な部分を、ちゃんとチェックしている「偉い人」だと思う。

ということで、もう一つの話は、また明日・・・。
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奇面組の思い出(その6)

2006-01-29 17:47:52 | アニメのお仕事
さて、続きです・・・。

それまで、「これでもか!」というぐらい、二重三重のチェックしてきて、そのチェックの段階で発覚した「漏れ」が無かったことが、逆にオイラを油断させたのです。
原因がハッキリしていたので、ショックもありましたが、それよりも、撮影さんのミスで救われた思いの方が大きかったのも事実です。

「魔が差した」ということでしょう。
当然、オイラは、思いっきり反省しました。

この事件が何話目だったのかは、覚えていません。
まあ、忙しかったんですよね・・・

では、ここで、奇面組の制作状況を・・・。

9話、10話を作ってる辺りで、土田プロから離れまして、「スタジオコメット」として独立した会社になりましたが、しばらくの間は、「スタジオぎゃろっぷ」さんと交互に話数を受け持って制作していました。
たぶん、26話までがそうだったと思います。
DVDが出ているようなので、確認して下さい(笑)。

で、それ以降、オイラと、もう一人先輩の「T氏」とふたりで、交互に話数を持ちましたが、番組が2本立てでしたから、半分の1本を、制作グロス出し、という形で、「あにまる屋」さんと「スタジオムサシ」さんに、4~5週間隔で出していましたので、まあ、なんとか回していました。
普通、制作進行は4~5週間隔で、話数を持ちますので、ある意味、よくやってたと思います。

この頃の業界の状況は、TVシリーズなら、ほとんどの場合、作画スタジオ単位で、原画の発注をしていましたので、その後の、アニメーター不足から来る、掛け持ち受注も少なく、ほぼ安定した行程で、作業は進んでいましたから、そういう意味では、平和な環境でしたね。

今回は以上です。・・・ではまた・・・。
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奇面組の思い出(その5)

2006-01-28 19:17:01 | アニメのお仕事
さて、先日の続きです。

尺が足りない?

当時の詳しい状況は、実は、まったく覚えていません。

が・・・、
唯一つ、はっきり覚えている事があります。

車の後部座席の足元に、仕上げ上がりのカット袋が、一山あった!

やってしまいました。

いわゆる「チェック漏れ」、と言うヤツです。



では、まず、何故そこにカット袋が落ちていたのか?

乗っていた車は、ホンダのシティでした。
もちろん、会社の車ですが、オイラ「専用」のマシンです。
「専用」だからと言って、「赤色」ではありませんが・・・(笑)。

いやいや、笑ってる場合ではありません。

現在、シティという車は廃番になっていますが、当時は、シビックに次ぐ、ホンダの人気車種でした・・・、って、こんなことも、どうでもいいです。

その車のシートの形態が、ちょうど「背もたれ」とお尻の部分に、割と大きな隙間があるんです。
オイラは、回収した、仕上げ上がりの束を、助手席に綺麗に重ねて運びました。たぶん、その時に、後部座席の方へ落ちたんですね。

普通、こんなことは、ありえません。

いや、落ちたことではなくて、それに気付かなかった事です。

聡明な皆様であれば、もう、お気付きと思いますが・・・。

そうです。
最終チェックを



しなかったのです。



チェックをしなかったのは、オイラの気の緩みでした。

その時、この仕事に就いて初めて、「手抜き」をしたのです。
それまでは、どんな場合でも、必ずチェックをしていたのですが、
本当に油断していたのだと思います。
自分自身に「驕り」があったのです。

すいません。
また、続く、になります・・・。
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奇面組の思い出(その4)

2006-01-26 18:35:32 | アニメのお仕事
さて、オイラがアニメ業界をやめてから、10年近くなります。
もうすっかり、デジタル撮影に移行しているでしょうが、奇面組を制作しているころは、むろん、フィルム撮影です。
この技術が優れていたので、「ジャパニメーション」として、外国からの評価を受けていたのだと、オイラは思います。
もちろん、カメラマンだけではなく、演出や、アニメーターの創意工夫が、それを担ってきたのは、言うまでもありません。

で、今日は、その撮影さんの「ちょんぼ」の話。
例によって、現像所には、編集当日の朝入れと言う日の前夜、最後の撮出しカットを某撮影スタジオに持ち込んだのですが、この回は、オールカラー(線撮りカットが、無い状態)に近い状態になってきていたこともあり、仕上げ上がりが、この日に集中して多く上がってきて、かなり忙しい想いをしたのです。

やれやれ、と思いつつ、翌日を迎えました。
やっとこ、線撮りの無いアフレコが出来るなと、自信満々だったのですが・・・


なんと、


編集さんから、一部のフィルムが真っ黒だと、連絡がありました。
しかも、その分を入れても、尺(当然あるべきフィルムの長さ・約22分程)が足りないとも・・・。

真っ黒な理由は、すぐ判りました。
撮影さんが、レンズにキャップをしたまま、撮っていたのです。
そりゃぁ、写りませんよね。

むろん、撮り直ししなければなりません。

で、

尺が足りない?・・・何故?

いずれにしても、アフレコが出来ない状況になってしまい、まあ、仕方ないなと。

ところが、とんでもない事実が、オイラに襲い掛かっていたのです。



それは何か?



続く・・・(笑)。
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