三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 7月8日 10円の検査機器!

2013-07-08 | メンテナンスお気楽日記
家の近くにある「石川県繊維検査協会」名前は堅苦しいが、要は
撚糸屋のおやじや商社の営業たちの飛び込み寺的サロン?(ちょつと言い過ぎ)

何かオカシイ?糸や、気になる生地を持ち込んで、分解検査や拡大映像確認。
もちろん事故原因の解明も真面目に対応してくれるが、なぜか世間話の方に華が咲く?

そこでいつも顔を合わす、繊維商社の嘱託のおっさん。これがまたスゴイ!
生地から繊維一本を抜き出して、指先でチョチョイと捻じり、検査前に答えを出してしまう。

「ポリの150d フィラメントは72?Z撚りで800ぐらいだから確認してもらえる?」
それにも増して、ン、ンなのが検査技師の中西のおっさん。顕微鏡を覗くなり
「ンーン、5マル36フィラの3本合糸」フィラメントを数えている時間?など当然ない。

撚糸工場が持ち込む糸の場合は、自分の糸種や太さが解っているので、せいぜい撚りムラの
確認かフィラメント事故の確認。そこへいくと繊維分解は一からの知識が必要。

若手営業が検撚器で検査しようとしても、まずS撚なのかZ撚なのかも解らない。
おっさん達は指先でチョイ触って、スイッチ方向を選んでいるが、正直自分にも自信がない。
縄綯いはもちろんのこと、紙縒りも経験のない若者?には体では理解しがたい。

二代目専務から「撚り方向の解かる機器はないのか?」なんて聞かれた。

自分が検撚器を使う場合は、まず一方方向にモーターを回転。糸が縮めば追い撚なので
回転を逆方向にもどして、目盛りを0に合わせ、そこから解撚して撚り数を計る。

撚り方向を確認したければ、検撚器の要領で模型用モーターでも使って乾電池でも出来る。
縮めば○方向、伸びれば○方向。でも、おっさん達のアドバイスは厳しい。
「糸は色々、下撚りもあれば上撚りもある。簡単でない以上にそんなモンもったいない」

話はそこで終わってしまったが、素人?が事務所でも撚り方向を確認する簡単な方法があった。

クリップを重りとして、糸にぶら下げるだけ?
外撚りに力が加わり、クリップが解除方向に回転し始める。回転方向を見極めれば・・・ネ。

材料費は100円ショップで10個入りの大型クリップのみです。

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メンテお気楽日記 7月4日 嫁に出す。

2013-07-04 | メンテナンスお気楽日記
何年か?まえから、自分で組み立てる機械が多くなった。
中古機械から、部品取りで1・2・3・4・6錘の小型機を組み立てる。

以前なら、産業機械の販売とメンテナンスだから、工場に入っている機械を整備するだけ。
大半の場合は12錘×何台のワインダーを整備・修理して同じ状態にするのが仕事。

ところが、現在の問い合わせは1・3・6錘の世界。使用糸も違えば仕様条件も違う。
もちろん新品機械の製作も中止されているので、希望条件の機械はマズない。

うちの場合は同一タイプの中古機械がそろっているとのことで、イイとこ取りの
小型機の製作。オリジナル仕様。言い換えれば寄せ集めで組み立てる小型機対応。

部品選びも在庫があるから、簡単といえば簡単なのだが、小型機ゆえの低価格、
仲間に声をかけることも出来ず、一人でコツコツ倉庫仕事となる。

まだ納品先が近くならイイが、ネットのおかげ?で旅先からの問い合わせが多い。
まして小型機の場合は、修理依頼も部品注文も極端に少ないと考えた方がイイ。

せっかく?手塩にかけた機台を二度と見れないことの方が多い。
メンテナンス仕事では、工場のトイレの様子まで解っているのに、まったくの別世界。

作家が自分の作品を売るときの気持ちは聞いたこともないが、一抹の寂しさは感じる。
でも、売れなければ飯は食えない。売れてこその仕事だとも理解している。

ま、いつかまた会えるチャンスを期待して「嫁に出す」気持ちで作っています。
現在、倉庫にいる娘たちは、京都・兵庫・和歌山へ嫁ぐ予定です。


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メンテお気楽日記 7月2日 中古機価格

2013-07-02 | メンテナンスお気楽日記
考えてみれば、中古販売ほどあやふやな商売は無い。
当然、それなりの?中古相場はあるが、あくまでも目安で差は大きい。

まず、仕入れ価格であるが「○○の機械を探して欲しい!」となると、
情報を集め、売り手との値段交渉。あわてて売る気のない持ち主ならば
販売価格を考慮しての、高価?買い入れとなってしまう。

もちろん売り手からの電話連絡もあるが、まず販売予定もなく長期在庫が確実となれば
買い上げ意欲も湧かない。「車を入れたいから、なんとかしてくれ」なんて泣き付かれ
はじめて重い腰をあげる。当然ここでは中古価格の半分以下。

もっとヒドイ?のは、大手だけが出来る「工場買い」何%かの商いが出来れば元がとれる。
残った機械は儲けだけだから、元値なんて無いに等しい。でも価格は相場どうり?

中古機械の場合は、在庫を持っていた者勝ちなのだが、市場を見ると厳しいとの一言。
おいおい情報を集めるだけになるが、その情報が自分だけとは限らない。

販売価格にいたっては、ピンからキリまで。仲間どうしの譲渡なら謝礼と整備工料。
業者取引でも、現状渡しと整備渡しではン万円の差がでてしまう。機械価格よりも
人件費の割合が高くなる。運搬経費もけっしてバカにならない。

まだ以前?の様な産業設備なら、機料店も何%の利益で充分満足していたが、
現状の流れは、補充設備。取引価格が小さい分、儲けの割合も少なくなる。

うちの3錘6錘機にも、業者からの問い合わせがあるが、半分は途中でキャンセル。
正直、業者には厳しいマージン。それなりの売り上げを確保すれば客が引いてしまう。

よく「需要と供給」なんて夢ものがたりも仲間同士の話題にもなるが、
中古需要はあくまでも中古需要。タイミングと価格設定が大きなポイント。

客が満足する価格のギリギリを見極めるとは言うが、これがなかなか・・・

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