三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 5月17日 「工夫」するという事。

2016-05-16 | メンテナンスお気楽日記
                          空気で糸を絡め、つないで、端糸をカットします。

確かに「便利」な世の中にはなっています。
蛇口をひねれば水が出て来るし、コンロもカッチ!で煮炊きも出来る、ご飯をも予約ボタンで炊けている。

「はじめチョロチョロ、中パッパ。赤子泣いても・・」知ってはいるけれど、実際、お釜で炊くこともない。
ボーイスカウトの飯盒炊爨でも、そこまでは気にしていない。生炊きご飯も、その時は美味しかった?

便利な世の中、便利な道具、そして美味しい食料。これらはすべて、先人の「工夫」の賜物です。
今、当たり前と思っていることの8割9割は、先人の「どうすれば、どうしたら」の工夫によって
積み重ねられて来た「結果」です。それを当たり前の生活として捉えている自分たちがいる。

「工夫」とは「知識」の上に「知恵」を重ねて出来るものです。


先日、有機農業をしている青年の言葉を聞いた。「農薬の情報はあるけれど、それ以前の話が聞けない」
「農薬に頼らない・頼れない農業もあったハズだが、その知識が伝わって来ない。土・水・季節など・・」

そのことが、現在の「ものづくり」全般・すべてに言われている様で、少々怖くなってしまった。

鉄工所ではNC旋盤加工。手作業で削り出してくれる工場を探すのさえ厳しい。繊維産業でも
ダブルツィスターのパネルのボタンで操作します。織機はパソコン入力で模様が自由自在です。
ボタン操作で「ものづくり」が出来るのが、当たり前の様にとらえられている。

ところが、現場の女工さんに「幡結び」の技術が伝わっていないのも現実です。

「ノッター」という結び機器もあります。機械式で5万以上、エアースプライサーに至っては糸口だけで
20万の設備投資が必要となります。機械に頼るという事はこういう事です。

「機械に頼るな」なんて一言も言っていません。機械は先人の「工夫」の積み重ねで便利なツールです。
だからこそ、何のため機械、何をどうするために何をする。「使いこなす」とは、そう言うことです。


・・・・・・あぁー、又、話がくどくなって来た。
このあたりで文章も「支離滅裂」になってきた。ゴメン!頭を冷やして、又の機会とします。

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メンテお気楽日記 5月15日 電動「紡ぎ」装置

2016-05-16 | メンテナンスお気楽日記
                                       開発時の資料写真です。

卓上型の「リング撚糸機」です。均一加工用の卓上(試作用)撚糸機は他社でも製作されていますが、
繭綿や天蚕繭から糸を作ったり、不均一な加工で「紬」的な味のある?糸を作りたいとの声から開発しました。

綿花や羊毛、もちろんクズ繭から糸を紡ぐ装置は昔からありますが、手回しや足踏み式の手作業です。
時間がたっぷりとある生活ならば、それも楽しいですが、機械で出来る処は「簡単」に済ませたい。

三筋の「電動検燃器」も色んな工場で使用されていますが、これも産地から1800~2400TWを
効率良く検査したいとの要望での開発でした。全自動にはせず、人間が使う機器としての装置です。


電動紡ぎ装置「いともかんたん」には、糸送り装置が付いていません。絹・綿・羊毛などのかたまり?を
細く伸ばせば、その部分にだけ「撚り」をかけます。回転操作はミシンモーターのフットスイッチで行うので
スピードコントロールが出来、尚且つ手作業に専念できます。いえば「不均一撚糸装置」です。


桐生のサンキンサービスからの連絡で「北陸のお客様に納品したから、様子を見てきて欲しい」のこと。
と、言われても、自分も現物を見るのは初めて。どうすれば、どんな糸が出来るかなんても解らない。
使用説明どころか、お客様の装置を見ながら、いっしょに考えなければならない。

で、訪ねた結果、開口一番「撚りが掛からない!」でした。「???・・・困ったゾ・・」
とりあえず、装置を観察させてもらったところ、どうも糸道が間違っている様です。ボビン巻きは出来ているが
「トラベラー」に糸が掛かっていない、これじゃ「撚り」が掛かるハズもない。まずは、一件落着。

要領が解れば、後はお客様自身で色んな糸で「試行錯誤」してもらうしかない。それが「味」だとも思う。

今回の反省は「客先を知っての販売」素人とは言わないまでも、装置(仕組み)を知らない人もいる。
自分が解っていることや、糸づくりの常識?を相手も解っていると思うことから「間違い」が生ずる。

「思い込みミス」それは相手から指摘されるまで解らない、やっかいなミスです。

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