さんでんじです。

ブログで思いのまま、自分なりの感想も含めて、発信します。

1月21日、大分の別府に向かう。その2

2007-01-23 20:49:13 | Weblog
私が乗車したのぞみ11号博多行、名古屋が近づくと妻からメールが入る。近所の人に、岡山まで車に乗せてもらうので、私が乗車した列車に乗り込むという内容。妻は、ほとんど1時間に1本の井原線、新見経由の伯備線で岡山だったのが、任意の時間に着けるのだ。

それはいいが、ここは自由席。今は、空きがあるが油断はならない。妻の席を確保しておかねば。席がなければ私の上に座るという。妻の重さを考えたら、それは勘弁。名古屋に停車前に斜め前の2列シートが空いた。私はそこへ、荷物とともにスルスルと滑り込む。ひと安心。

しかし京都で通常の乗車客に加え、スーツ・ネクタイ姿の会社員風10数人の団体が乗り込んできた。かなりやばい。みるみる座席は埋まりだしたが、まだ隣はかろうじて確保できている。大阪でも、誰も降りない。すげーやばい。もうこの車両に空きは数席。その一つが通路側を私が陣取った窓側の空き席だ。

この会社員の集団は、どうも昨日に京都で社内会議があり、ホテル宿泊、チェックアウト後に新幹線乗車と、そんな雰囲気が何となく読めた。平日は営業業務に勤しみ、土曜日に招集をかけられて営業会議の名目で、叱咤激励をかけられ、日曜日に家族の元に帰る。などと想像しながら。

新神戸で彼らの2人が下車した。もうこれ以上混むことはない。妻はもう岡山のホームにいるだろう。妻にメールを打つ。ホームには、この号車の位置に何人ぐらい並んでいるかと。返事は、わたしひとり。安心した、ほどなく列車は岡山に到着し、妻が乗り込んで、私が確保し続けた窓側席に座った。私の安全も守られた。よかった、無事に、大分、別府温泉を目指すことができる。

1月21日、大分に向かう。

2007-01-22 10:00:10 | Weblog
妻には念のために、7時に起こしてもらうことになっていたが、6時過ぎには目が覚めた。私は目覚ましを持たない。集中力で起こされることなく目覚めるのだ。家を出た7時きっかりに電話があり、もう私が動き出したことに妻はちょっと拍子抜け。

さて、岡山で待ち合わせるために、本来は8時58分に乗るつもりなどだが、8時20分に乗れた。岡山で降りるので自由席。品川から乗り込むと、東京からの乗客が座っている。しかし3列シートと2列シートに一人ずつなので、3列シートの通路側に座れた。

9時過ぎ、新富士駅を通過。家を出るとき東京はどんよりした空だったが、ここでは富士山がくっきり望めた。ラッキー。穏やかないい天気だ。それにしても日曜日というのに、工場の煙突からは煙がもくもくと立ち昇る。このあたりは製紙工場が多い。働いている人がいっぱいいるのか。それとも完全無人化で、人気のない工場で多数のロボットがもくもくと動いていたりして。やがてそんな時代がくるのかもしれない、などと。

静岡駅を通過。日曜日の朝の空気が澄み切っているせいか、遠くの山々がくっきりと見える。東京の空は汚れすぎている。富士山はめったにしても、高尾あたりの山の稜線が見えることは少ないから。

車内ニュースが、流れる。ヒラリー・クリントン上院議員が、時期大統領選に立候補を表明。民主党の予備選とかあって登り詰めるのは大変だろうけど、誕生すれば初めての女性大統領。世界中の女性を勇気づけるに違いない。

車窓をよぎる茶畑の緑が鮮やかだ。車内ニュースが流れる。緑茶飲料、清涼飲料のペットボトルに異物混入で、回収へ。中身は破棄か。せっかく作ったお茶が無駄になる。むなしい車窓の茶畑だった、これがペット飲料になるとは限らないけど。

京都に近づくと、車内ニュース。納豆でダイエットは捏造だった。あるある番組は、打ち切りも。とうとうやってしましましたね。うそをついたらいかんぞ。でも1日に2個も食べなくて、1個で食事内容を管理すれば、健康なカラダ作りはできるのに。みんな、ダイエットに踊らされるんだな。

今日は、大学のセンター試験ですか。

2007-01-20 21:46:20 | Weblog
今日は、雪もちょっとちらつきました。受験生の皆さん、風邪を引かないようにしてくださいね。

ところでこのセンター試験って20年以上続いているのでしょうか。私が高校生や学生の頃は、なかった制度ですから。子供もいないし、ピンときませんが。直接の合否を問うわけでは試験って、なんだかかわいそう。余計な負担を強いているみたい。おまけに、こんな早い時期に。

私たちの時は、一期入試が3月の3、4、5日。二期が23、24日と遅めで、その間に中間の公立校の入試があったりしました。もう、30数年前ですが。

で、私立大学は2月くらいに入試をして、とっとと合格発表をして、くそ高い入学金やら授業料を前納させよう、というシステムでした。今は、結局行かない大学に納めた入学金やらを返還してくれるそうですが。

ともあれ高校生の半分以上が、100万円以上も出して大学へ行って、それでろくろく勉強しなかったら時間とお金のムダですね。当時、お金がなくても行けた大学は、防衛大、防衛医科大、自治医大と記憶しています。今は知りませんが。本当に、社会に役立つ人間を育てようとするのなら、高いお金なんか要求せずに学生を育てたらいいのに。

だいぶ前ですか、アメリカの大学が日本の各地に分校を作りました。いまや、そんな話題はとんとありません。あれは、教育とはほど遠い一種のビジネスだったのですね。また、地方のへんぴな場所に大学を作って大量の外国人留学生を受け入れた、そんなこともありましたね。その結果は、ご存知の通りです。いまも、そんなことをやっている大学は多々あります。教育よりも、ビジネスですか。

私は、とにかく直ぐに社会に出て仕事をしたかったという高卒学歴の人の方が、意気や覇気を感じます。10数年前に韓国からの留学生と話しをしたことがあります。日本の大学生は、とにかく勉強しない。彼らは、頭も悪いと。その言葉が、今も頭に残ります。大学生のレベルでいうのなら、日本は、韓国、中国、インドに、はるかに劣ります。日本の大学を卒業しても、言葉の読み書きのレベルが低い人、算数的な計算ができない人、根本的な知識の欠落した人、いっぱいいますから。

ま、学生時代、ほとんど勉強しなかった私が言うのもなんですが。でも、その入試にまつわる、ごめんなさいがあります。一年浪人して、で、2月受けた大学にとりあえず受かって。もちろん行く気もありません。でも、親はその大学にお金を払え払えと。だって、その入学金とかのお金だって20万円くらい必要ですもの。ガンとして、私は突っぱねました。

その代わり、受かることを最優先したのです。一期と二期のうち、二期は2つを併願しました。あぶないかなー、というのと、絶対大丈夫と。結果、一期を落としたので、絶対の方を受けて、とりあえずお金を納めました。だって、入学金と前期の授業料を合わせても、1万円でしたから。でも、私は大学に行かずに籍だけ置いて、結局は親に無理を言って2浪目となる予備校に通いました。でも社会に出てから10年くらい経ったときに、この時に、私がここを受けなければ、合格した人がいたはず、と思ったのです。そこに、行きたいと願った人。行くつもりもないのに合格した私。それで、はじき出された人は、はたして可哀相なのか。

でも、レベルってのがありますよね。本当にその学校の教育を理解できる資質があるのか。そりゃーペーパーテストの入試だけでは判別できません。意欲、才能、その他が、適合しているのか。お金があるだけで、エスカレーターで大学になんて絶対おかしい。大学だって、これからは独立行政法人。儲かる大学、稼げない大学。大学ブランド菓子を作る大学。ワインを作る大学。漫画を創作する大学。色々あっていい。でも、犯罪を撒き散らす大学だけはやめてほしい。

センター試験、まだ明日もあるそうですが、頑張ってね。むろん、こんなブログなんか見ているようじゃ、駄目ですよ。


明日から旅行です。

2007-01-20 12:48:30 | Weblog
結婚してから初めての旅行となるわけで、いわゆるなんとか旅行というのでしょうか。ふたりとも50代で、なんとかもないでしょうけど。さておいて、その宿泊ホテルも、ネットで予約できるから便利になりました。数年以上前は、旅館ホテルガイドを見ながら、電話のかけまくりでしたから。

とりあえずは、IDのあるヤフーで。ヤフーサイト、旅行、国内、宿泊予約、地域から探す、観光目的を選んで。すると、ホテルや旅館がズラズラっと並ぶ。で、宿泊可能プランを選び、適当な料金プランをクリック。

満室とか、残室わずか、空室あり、などと表示されて、ヤフー画面は数ヶ月の状況がわかるのがいいですね。楽天は、この状況が見えないからキライ。予約の際に結構あるのがオンライン決済。私はクレジットカードを持ってないので決済不可能、よってこのプランはパス。じゃらんネットで予約も多い。じゃらんってリクルートですよね。これもうざいからパス。よって私は常に現地支払を選択。

名前、住所、電話などを入力して終わり。その画面をプリントアウトして保存。これをホテルに出せばOK、なんですね。昨年末まで、プリンターを持っていなく、この印刷の作業が面倒でした。

私の部屋には15年以上使っている感熱式のファクス機があります。今やトナーを必要としない感熱式ファクスはほとんどありません。もう受信しかできませんが。送信は、パソコンから送れるので問題なし。なので、ヤフーから送られてくる予約完了のメールを、自分のファクスに送信すればいいのですが。この時に電話線を、パソコンのモデムからのと付け替えて自分のファクス番号に送信するわけなのです。この面倒を、プリンターは解消しました。おかげで便利ですが、ペーパーレスから、また遠くなる。

さてさて、明日から、大分、高知への南国の旅です。私は東京から、妻と岡山で乗り合わせて向かいます。妻は、宮崎の高千穂峡に憧れていましたが、確か数年前に高千穂鉄道は災害で流失したと、聞いています。そこは、また、いつの機会かに。

テレビに夢中てす。シェパードの陸君。

2007-01-19 20:44:22 | Weblog
さっき来た、妻からのメールです。

テレビ東京のポチたまから目が放せません。ウーって遠吠えしながら見てます。目を放すのはコマーシャルの時だけ。

という様子なんだって。この子は、今は亡き、まさお君が出ていたときも、やはり同じ状態で、うなりながら見ていたそうです。

いっぱい友達が欲しいのか、自分もあの中に入りたいのか、まさかテレビに出たかったりして。

は、は、は、一緒に暮らすのが楽しみです。でも、水に濡れるのが嫌いだからといって、散歩に行けない雨の日に布団袋にうんこしたり、肉野菜炒めの調理前のフライパンから、ちょっと目を離した隙に生肉だけを食べるのはやめてね。そうか、母さんのダイエットに協力していたのか。関心、関心。でも、うんこはいけないぞー。

レジ袋の有料化、どう思う。

2007-01-19 14:03:19 | Weblog
杉並区では、スーパーのサミット成田東店で、有料化の実験が始まりました。実施ではなくて、実験というのが自信のなさを示しているような。

テレビにニュースでも、さんざん取りあげられています。でも大田区のスーパー、OKサガン店では17年前から1袋6円の有料化を実施しているのですね。客は、そもそも商品が安いから、問題ないとか。店でも、不要の段ボールを用意して、客がそれに詰めて帰るとか。

購入品を詰め替える台の上にある、小さなポリ袋のロールを、ペリペリと何枚も取っていくおばさんもいますから。タダやったらなんぼでも貰わんとそんや、みたいな感覚ですね。

ヨーロッパでは5割以上の買物客が自分のバッグを用意しているという。日本では、買物袋持参を呼びかけるスーパーでも持参客は15%ほど。これって文化度の違いですね。自然破壊や環境保護をしっかりと理解している意識の違いで、日本はヨーロッパの3分の1にも及ばないということです。

ゴミの問題もそう。あそこにゴミ捨てたはるわ。うちらも捨てよ。かめへんかめへん、誰も見てへんからわからへん。みたいなことでしょうか。そんなわけで、私も意識を変えなければいけません。マイバッグ、ちょっとやなので、風呂敷で。唐草模様の丈夫な風呂敷を探さなくては。地下足袋を履いて、頬被りした泥棒が、荷物を担いでいる、あの柄です。

ケチャップ仕立ての野菜スープ。

2007-01-18 19:57:10 | Weblog
缶詰トマトを使わず、ケチャップの代わりに、味噌を入れたら豚汁になります。ちょっぴりトマト缶詰の消費期限、3年もあったのにそれが迫ってきたため、またやっちゃいました。

本当は、前も紹介したケチャップを使ったキャベツの重ね煮ですが、にんじん2本、ジャガイモ5個が残っていたので、ぶっこんじゃいました。

改めて使ったもの。人参2本、ジャガイモ小5個、キャベツ半分、豚肉小間切500グラム、トマト缶詰2缶、ケチャップ500cc、コンソメ4個。以上をぶっこんで煮ればいいのです。結局、鍋がいっぱいになってしまった。妻がこれを見れば、呆れるでしょう。こんなにいっぱいと。

缶詰のとうもろこしがあれば使うのですが、今回はなし。ケチャップのスパイスがよく効いていて、十分に温まります。額から汗が噴き出します。

じゃがいもが入っているのでボリュームも満点。はい、作って3日目です。今日はパンで食べました。水加減を調節して、茹でたパスタも具として会うでしょう。寒いときは、具沢山の味噌汁かスープ。暖かくて、おいしい。男の料理でした。

道路の無電柱化率は、東京がトップ。

2007-01-18 14:50:08 | Weblog
つまり市街地での幹線道路の無電柱化率は、東京がトップだそうです。以前何度か書いてきましたが、スッキリした空が見えるのはいいことです。銀座、表参道なんか、見渡しやすいもの。

しかし幹線道路というのは、車道と歩道が分かれているわけで、ある程度の安全は確保でき、安心して歩けるのはわかります。

でも、住宅街などの生活道路、自動車と歩行者が同じ場所を歩く道こそ、もっと電柱を取り除いてほしいと思ってしまう。

歩行者、乳母車を押すお母さん、自転車、脇を通り抜ける自動車、などが交錯して、さらに電柱がわずかなスペースをじゃましている、そんな場所はいっぱいあります。さらには、電力会社と通信会社が競い合って、ケーブルテレビや光ファイバー、携帯アンテナ専用の電柱もありますから。空を見上げると、電線がごっちゃごちゃ。喜ぶのは、カラスや鶫などの鳥だけですね。

無電柱化率の2番目は、なんと鳥取。30年前の学生時代に鳥取大学を訪れて、電柱無しのスッキリしたキャンパスに感心したけど、それが活かされているのですね。たいしたもんだ。ちなみにビリは奈良県だって。弁護するようですが、奈良盆地って、掘れば何かが出てくるから、きっと大変だと思う。そもそも遺跡の上に、田畑や住宅、道路があるわけですから。なりよりも安全で、安心して暮らせる街づくりをしてほしいですね。

神戸時代を振り返る。

2007-01-17 21:28:48 | Weblog
何の縁があったのか知らないが、高校を出て、2年浪人して、神戸市のはじっこにある大学に学生時代の籍を置いた。

そこでは、一年留年して5年間通った。ま、30年以上も前で、授業料は年間で2万4000円と安かったこともあったが。最初の1年半は、奈良から大阪を通り、神戸を抜けて、垂水で降り、バスの乗って大学前で降りた。時間は、2時間とちょっと。交通費は、電車370円、バス30円の、400円だった。むろん定期は買っていたが。

はるばる来て、バスを降りても、結局は友達に誘われて、雀荘に行くことになるのだ。2年の夏が終わると、電車で通うのも面倒になり、垂水の海側にアパートを借りた。風呂は、もちろんなし。トイレは共同。4畳半に小さなキッチンがついて、1畳くらいの板の間がある。その窓を開けると、大家の屋根の向こうに漁港を経て海が見えた。家賃は9千円。その年の秋に、今の妻と知り合った。私は22才。彼女は20才だった。

当時、垂水の街は緩やかな斜面にへばり付くように、数々の文化住宅が軒先をくっつけあっていた。道は狭い。火事でもあったら大変。道も入り組んでいる。なんとか卒業して、社会に出て、その時には、振り返っても神戸は住んでもいいな、くらいの心地よさは感じていた。

震災の数年前、平成5年の5月に垂水から学園都市に移転した大学で、学科の周年パーティがあり、数人の友達と参加した。駅からその街に降りたったとき、周囲に拡がる綺麗で整った街に強烈な違和感を覚えた。

マンションも、住宅も、整然と配置されて整っている。背景には緑の丘がある。ただ街が冷たすぎるのだ。情緒感というか、感情が起こらない。ただ、きちんと整っているだけだ。その数年前には、神戸の高校で校門圧死事件があったのが頭に残っていた。この街に、やさしさや人の心はあるのだろうか、と。

パーティーの後、友達が運転する車で、神戸市内を巡ると、なにもかもが新しくなっていた。施設もきれい。でも何故かよそよそしい。それが、大学を出て15年ぶりに訪れた神戸の印象だった。

その2年後に震災は起きる。その数年後に、児童殺傷というおぞましい事件が起きた。あの無表情な街並みが目に浮かんだ。今から、5年前に学科の同窓生が40人ほど、垂水に集まった。時間がもったいないほど懐かしがって、大量の料理が残った。

学生時代は、深夜に六甲の山道をタイヤを軋ませて走り廻ったこともあった。阪神高速、若宮のカーブを何キロで抜けられるかを競ったこともあった。暴走族のお姉ちゃんとも知り合いになった。その筋の人と麻雀をしたこともあった。スナックにカラオケが登場して、歌ったのもこの街が初めてだった。

その懐かしさが、すべて飛びさった。慣れ親しんだ街なのに、今やよその街になっている。妻もこの街で、短大の2年間を過ごしている。妻も震災後直ぐに訪れて、愕然としたという。引き合わせてくれたことに感謝しつつも、あれから一緒になるのに32年も時間が掛かったぞ。神戸のせいでは、ないものね。今日は、1月17日。ニュースを見るたびに目頭が熱くなる。というより、涙が出る。自然災害を、決して人災に変えるなと。

もう12年、1月17日、大震災。

2007-01-17 14:39:05 | Weblog
その日の朝は、東京でも揺れた。テレビでも、結構な震度を報道していて、奈良が震度4。めったとない大きさ。その当時、今もかろうじて建っているけど実家は築50年以上の木造で、子供の頃からちょっと傾いたボロ屋だったので心配だった。3時間くらい経って、やっと電話が繋がり、ほこりがいっぱい落ちたけど、家は無事、両親も無事ということで安心した。

地震から時間が経つとテレビはどの局も、空からの映像を捕らえていて、街並みから幾筋もの黒い煙が上がっている。長田の街。JRの線路から南は、商店街やら住宅の密集した地域だった。私はその一角にあった靴素材の問屋さんで配送のアルバイトをしたことがある。長田のJRから北の地域には、中小企業の町工場がいっぱいあって、ほとんどが靴を製造していた。工場からの注文に応じて、婦人靴、紳士靴に使われる人工皮革や布素材が大きなロールで用意されている。それを配送する運転役が私の仕事だった。

その街が、空からの映像で燃えている。映像をよく見ると、その先にも黒い点がいくつか浮かんでいる。それらは取材のヘリだとわかった。そんなにいっぱい飛んで、爆音は凄かろうに。その時、数年前の、横浜の住宅街を車で通りがかった時の出来事を思い出した。

ある街区にさしかかると、上空にヘリコプターが7~8機、円を描くように飛んでいる。凄い爆音だ。近所の人々が道に出て、その円の下方向の大きなマンションを不安そうに見やっている。何ごとですか、と聞くと、マンションに侵入した男が人質を取り立てこもっているという。

この爆音の下では、地上からの呼びかけも消されるに違いない。ましてやあの騒音の振動は、共鳴することもある。かつて私が住んでいたボロアパートもヘリによっては、部屋がカタカタと音がするのだ。ましてやその騒然とした状態、爆音が犯罪者の狂気をさらに駆り立てるのではないのか。不安を大いにかき乱す、嫌な音だ。上空を舞うヘリが、ハゲタカのように見えた嫌な光景だった。

震災の神戸。迫る炎の中、這い出せず助けを求める人がいたはず。そんな声を、上空を舞うハゲタカの爆音が消し去ったのだ。地上では、テレビカメラを肩にしたハイエナたちが、餌に飛びつくように、災害現場に殺到していただろう。おまえら、救助のじゃまをするなと。被災者の方は、言いたかったろう。ましてや人が生み出した騒乱の中で、助かるはずの命を落とされた方は、本当に無念だろう。

今日も、ハゲタカは爆音を散らして飛ぶ。ハイエナは、東京で起きたおぞましい事件の現場に食いつく。マスコミは、餓えた獣のようだ。そういえば、40代後半の朝日新聞局長が年収1900万円。55才には2100万円をイメージしている、なんて情報がインターネットを飛び交っている。なんとリッチな、不幸な人を食い物にしてブクブクと育つハイエナだろうか。朝日新聞、辞めようかな。配達、集金する人は、いつも笑顔で挨拶を交わす気持ちの良い人なのに。