さんでんじです。

ブログで思いのまま、自分なりの感想も含めて、発信します。

1月25日 高知市内の散策。

2007-01-30 20:40:07 | Weblog
朝8時過ぎに、朝食の会場へと行ったが、広いホールは閑散としていた。昨日の風呂場を考えれば平日だし、そんなに客はいないのか。ひじきの煮物、スクランブルエッグ、ベーコン、鮭の切り身、温泉卵、サラダ、納豆などなど、別にこれだけ揃っていれば文句はない。妻は、温泉卵、つまり半熟卵のぐにゅっというのがキライだ。むろん納豆にも手を付けない。痩せるのにね。捏造発覚があったばかりか。でもカラダにいいんですよ、納豆は。

部屋へ戻ってテレビを見ながらくつろいでいると、ノックがあった。何時頃に出られますかと。連泊だからゆっくりさせてよ、と言いたかったが、10分後にと告げた。いろいろ掃除や片づけの手順があるのだろう。とりあえず宿を出て、すぐそばの木曜市の場所へと向かう。

簡易屋台の中に、色とりどりの野菜や果物、惣菜に、切り花。さすが南国土佐。見ているだけでも楽しい、とりわけ色彩が鮮やかだ。この市は、曜日ごとに場所を変えて、ほとんど毎日開催しているらしい。土曜日だけは、なかったっけ。なかでも日曜市は結構な賑わいを見せるらしい。買物客と店の主人との会話の様子から察すると、暮らしに根ざし、しっかりと台所を支えている雰囲気だ。スーパー、コンビニなんかより、風情があるし、何よりも人情、人と人の心が通い合っている。妻が品定めをする真剣な目を見れば、わかるもの。本当に、買いたそう。

さて歩き出すと、どこという当てもないが、見上げれば城が見える。あそこへ、行こ。ぶらりぶらりと歩きながら、本屋に立ち寄った。高知県の地図を買う。でも、私はとにかく、トイレに行きたい。城への門をくぐると、やはりあった。ほっとする。

階段嫌いの妻も、少しずつゆっくり昇る。途中城壁の工事現場がある。解体した壁の岩を、またはめることになるはずだ。パズルのようで、さぞ楽しかろ。なんてね。ほぼ一番上まで来た。まるで天上の小さな公園。天気も良く、風も吹かない。心地よい。この下の層を見やると、体操する初老の人がいる。またひとり、そんな年代の人が走りながら昇ってきた。コースだ。ここはジョギングには最適ですね。さて、まだ天守閣があるが、ここはパス。

城からの景色をひとしきり堪能して降りる。文学館がある。りっぱだ。造りも城とマッチしている。駒場東大そばの世田谷文学館なんか木造で、歩くとぎしぎし音が鳴ったもの。続いて図書館に入る。高知市街の探索マップをゲット。図書館って、お持ち帰りできるパンフレットなんかが結構あって、重宝します。

その地図をたよりにアーケード街へと向かう。ひろめ市場。なんだろう、入ってみる。まるで室内屋台みたいになっていて、いろいろな店が定食やら、ドリンクやらを出している。定食、安い。のどが渇いた妻は、ペットボトルのドリンクを買った。でもよく見ると、ビールを飲んでいる人もいる。ちょうど飯時の後半。ま、いいのか。酔いつぶれの高知だもんね。

はりまや橋へ行き、広い公園に出る。ちょっと休む。すぐ向こうに将棋をする人がいる。まさか象牙ではないだろうが、おそらく白っぽいプラスチックの駒だ。城の麓の公園でも、そんな人たちが多かったが、縁台将棋ならぬ、公園将棋、いいですね。初老の人たちが多かったけど、頭を使うことはボケ防止、いえ認知症防止にいいことです。2、3、見ただけだけど、居飛車ばかりだった。三間、四間、中飛車、まして向飛車。高知の人は気をてらう戦法をとらないのかも。私は社会人になってから2年後に、将棋も麻雀も葬り去った。しかし、このように顔を突き合わせて、おなじ局盤を見ながら頭を絞る。もう一度、やってみようかななどと。これがニンテンドーDSだったら、風情もなにもかもぶち壊しだよね。駒を手で動かし、お互いの息遣いの伝わるアナログ、絶対いいかも。

こんな光景は大分では、見かけなかったもの。高知では、人それぞれに着々と力を蓄えている、そんな気がした。でも、がんばれ大分。城下かれい、ふぐ、関さば、関あじ、以外にもおいしいもの、いっぱいあるんだからね。温泉、あるんだから。高知は、寂れる一方と土地の人はいうけれど、今も日々、力を蓄えて、鍛えている。

1月24日 高知の宿へ向かう。

2007-01-30 15:06:15 | Weblog
地図で旅館までは距離があるので、タクシーを利用する。私たちは乗り込んで、先に書かれた住所を言い、最後に旅館の名前、三翆園の名前を告げた。

そこやったら名前だけでも、わかります。有名ですから。と、運転手は言った。高知市内で唯一の温泉のあるところだから、やっぱり。もうひとつの旅館の名前も言って、ここは天皇陛下も泊まらはるところやからと。つまり高知で一二を競うところらしい。そして、さらに言った。

高知はさびれる一方ですわ、と。あそこは西武百貨店があったところですわ。さらに、市電が行き交いする交差点を右折すると、オリエンタルホテルは撤退しましたわ、と。その場所は、塀に囲まれている。ビル工事の気配もない。かつてあったものがなくなり、ただの空間だけとは本当に虚しいものだ。

タクシーは宿に到着した。古い木の門が横にあり、近代的な建物とは対照的だ。入ると、女の子のキャラクターが。ちよちゃん。武士のキャラクターには、かずとよくん。ん、ん、ん。功名が辻。山内一豊が、土佐の城主だったとは、考えもしなかった。じゃー大河ドラマ、終わったばかりだし、高知は賑わっているだろうに。

部屋はゆったりの洋室。食事はソファーのテーブルに部屋出ししてくれる。妻は内心、ホッとした。もう余計な話し声は聞こえない。洋室だから、食事も正座をすることはない。前に琴平へ旅したときは、1日2度の正座が2日間、音を上げたもの。ただし朝食は7時から8時30分までのバイキング形式。ま、いいか。早速、風呂入って、別府のようにかけ流しとはいかないけど、ここは温泉。そして食事へと。ここの大浴場でも飲み水を用意していた。さすが、ここは混んでいる。団体さんが多いらしい。

食事は、さすが高知と言うものだった。妻とともに、これはなに、これはあれ、などと話が弾んだ。なかでも、うつぼのたたきがあるなんて、知らなかった。もちろん、かつおも、まぐろもある。煮物、焼きもの、大満足。鮭なんて、出なかったから。熱燗2本がちょうど良かった。1本7勺位らしいけど。食った食ったで、2時間経って再び温泉へ。夜の12時まで、というのが残念だけど。妻は、星がきれいだったと言った。あちらは上の階で、屋根無しの露天風呂だものね。ちょっと残念。でも、満足してくれればそれでいい。

1月24日 別府から、高知へ。その2

2007-01-30 10:04:19 | Weblog
フェリーは宿毛に着岸。ここからくろしお鉄道の宿毛駅まで、歩くつもりだった。バス停横のトイレに入る。外から妻の話し声が、聞こえる。バスの発車時刻は過ぎたのだが、船の到着も遅れたこともあり、私を待ってくれるらしい。杵築でも、発車間際におばあさんがもう出ますか、と運転手に聞いたとき、ああいいよ、としばらく待っていた。都会なら、フンと発車してしまうのに。こんなゆとり、やさしさがうれしい。

バスは宿毛駅に到着。だだっ広い場所に、デーンと駅舎がある。きれいな駅舎だ。中に入ると、野菜や鮮魚が並んでいる。さっそく妻は品定め。旅行じゃなく、家が近くだったら絶対買う、魚や野菜が安いよ、と。どれもこれもが輝いてみずみずしいものばかり。地元の人が、うらやましい。

改札のアナウンスがあって、ホームへ昇る。うん、なんともない、跡もない。かつて、この駅では列車が激突して、運転手が亡くなった事故があったはずなのだが、そのことは妻には黙っておいた。ホームの電車、なんとアンパンマン列車。子供なら喜びそうだけど、私たちには、ちょっと恥ずかしい。

その列車に乗り込んで、別府で買い求めたカボスドリンクを飲む。カボス特有の強い香りが漂い、ちょっと酸味が効いているが、それをはちみつがやわらかく包んでいる、ほんのり甘くおいしい。妻は、これが3本目だった。東京にあれば、私もきっと買っている。やみつきになりそうな味わいだ。

そのアンパンマン列車は、宿毛14時48分発L特急南風24号岡山行。高知の到着予定は16時55分。2時間ちょっとの旅。駅舎の周囲では、土地の造成をしているのだろうか、道路工事が行われている。列車は、駅舎を出て、すぐにトンネルに入った。まさか、もうないと思うけど、無事に走ってね。

途中の窪川駅停車中に、妻が窓の外を見ていった。アンパンマン列車を見に来ているんだ、と。そっちを見ると、線路向こうの住宅道路沿いに男女5人くらいがこちらを見ている。みんな大人。子供は見当たらない。まさかね。しばらくして車が1台、その家族の直ぐそばで停車した。2人ほど出てきて、また並んだ。そうか、見送りなんだ。まだ列車は停車している。彼らは所在なさそうに話し合ったり、ふざけたり。その内、お年寄りの方も出てきて総勢10人ぐらいになった。列車が動き出す。私たちの後方に向かって、みんなが一斉に手を振りはじめた。元気で。からだに気を付けて。はちきれない笑顔がそう言っている。どこまでいくのだろうか、こんなに温かい故郷を離れて。

ここも単線。山あいを抜け、川を越え、海をチラリと見ながら、ただただ列車は走る。そのうち列車は時間をおかずに停車するようになった、高知が近づく。線路の横に高架がズラリと並びだした。ここも大分と同じで、線路を上に揚げるらしい。完成間近かの様子。列車はするりと高架の柱を抜けて駅に滑り込む。高知、到着。