迷宮映画館

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ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

2004年06月19日 | は行 外国映画
ホグワーツ魔法学校3年目を迎えたハリーたち。夏休みが終わって、そろそろ学校が始まる頃に事件が一つ。マグル(人間界)では魔法を使ってはいけないのだが、バーノンおじさんの妹、マージおばさんはダメ。言いたい放題言われたハリーはついにプッツンきてしまい、マージおばさんを膨らましてしまう。おかげで、3年になると行くことができる楽しい楽しいホグズミード行きの許可証ももらえず、学校も退学になるのではという不安でいっぱい。

なぜか、退学になることもなく、学校行きが許されたハリーは、ホグワーツ行きの列車の中で、恐怖のディメンター(吸魂鬼)に会う。あまりの恐怖に気絶してしまったハリーを助けたのは新しい先生のルーピンだった。学校の周りに漂う吸魂鬼は、絶対に脱獄は不可能とされた監獄・アズカバンから脱獄したシリウス・ブラックを追っていたのだ。シリウスは「例のあの人」の子分で、ハリーの両親を死に追いやった人物。脱獄の目的はハリーを殺すことなのか。そんなこんなで、ハリーの3年目の日々が始まった。

いつもとは違うおどろおどろしい雰囲気ではじまった学校だったが、おどろしすぎの感否めず。きっとこの映画を見に行く人は、ほとんどが原作本を読んだ人だと思う。私もその例にもれないが。3作目の原作本は素晴らしいできだった。勢いがあり、話の展開も素晴らしい。サスペンスの要素もあり、いつものうきうきの魔法もある。長さも気にならないくらいの、バラエティにとんだ内容だった。とすると、これを映画化するのはやはり至難の業。映画はさまざまなエピソードを盛り込まなければならないので、一つ一つが薄い。3時間くらい使ってもいいから、もっとじっくり描いて欲しかったなあ。

ハリーはもうこの人しかいないラドクリフ君はぴったり。心の闇を表すにはちぃとばかり陽の部分が強いが、あふれる意志の表情がいい。毎回変わる闇の魔術の防衛術の先生は、我らが(?)デヴィッド・シューリス!楽しんでます。この映画シリーズのすごい所は、大御所級の名役者たちが、子供映画(?)の脇役っぽい役を堪能して、楽しんで、自分らしさを充分演じてるところ。出色はアラン・リックマンでしょう。

いつもにくったらしい敵役をこれでもかといやらしく、素晴らしく演じるマルフォイ君がいまいちのいやらしさ。この人のにくったらしさにかかってるんだけどな、この映画の面白さは。

大人も楽しめるというようなうたい文句だったけど、大人も楽しいなら、子供も楽しいはず。子供も楽しいなら、大人も楽しいと思う。これだけ皆に知られた物語を映画化するというのはものすごく難しいことだと思う。コロンバスは開き直って、自分らしく、楽しさとエンターテイメントを描いていた。アルフォンソ・キュアロン、はっきり言ってこの映画とはあわない。きっちり大人向きの映画を作ってた方がいい。

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

原題「Harry Potter & The Prisoner of Azkaban」 
監督 アルフォンソ・キュアロン
出演 ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント デヴィッド・シューリス 2004年 アメリカ作品


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