迷宮映画館

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パリ・ルーヴル美術館の秘密

2004年09月13日 | は行 外国映画
30万点の所蔵品、地下通路15キロ、ここで働く人はざっと1200人。修復、配達、掃除、音響、警備、料理人、医師、消防士、その他いろいろ。これらの人たちの働きによって、私たちは、世界最大の美術館の、圧倒されるラインナップを見ることができる。

並でないでかさの絵が運ばれてくる。でかい、とにかくでかい。誰々の絵、といえないところが寂しいのだが、先ず広げる。表を外側に巻いているので、そのまま広げると、裏が上になってしまう。この裏返しになった絵を表にする作業の壮観なこと。これは口で表現できない。表にしながら、働いている人たちのぼやきが聞こえてきそう。

「こんなでかい絵、描くなよな・・。」
彼らに必要なのは体力。ジムまであって、トレーニングは欠かせない。

こんだけ人がいると、食堂もまたすごい規模だろうな・・と思わせる料理人たちの動き。それも、ありとあらゆる人たちが、いろんな仕事をしている。開館時まで、作業をおわらせるためにすさまじい労働時間になりそう。

倒れた人を助け出す消防士たちが『サモトラケのニケ』の横をすり抜ける。ニケもここでは脇役に過ぎない。あまたある絵をどんな風に並べるか、どんな風に圧倒させるか、見るものを途方にくれさせるか、そんな贅沢な悩みを持つ学芸員達。楽しいだろうな・・。

大変な仕事だろうし、苦労も多そうだ。でも、そこで働く人たちは見事に楽しそうだ。いきいきしている。誇りもたっぷり感じられる。この人たちに支えられて、私たちは芸術品を愛でることができる。これはルーヴルに限ったことではない。ここは、絶対ルーヴルに行きたくなった。働いている人たちに敬意を表して。

「パリ・ルーヴル美術館の秘密」
 原題「La Ville Louvre」 監督 ニコラ・フィリベール  製作 ルーブル美術館 フランス外務省 1990年 フランス作品


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