迷宮映画館

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博士の異常な愛情

2008年10月27日 | は行 外国映画
また私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか・・・。



スタンリー・キューブリックの名作。TVでは見たことがあったが、スクリーンできちんと見たことがなかったので、これは楽しみにしていた。
ただし、古いフィルムで、ところどころ場面が飛んでいたのだが、それも日本に一本しかないフィルムだと思うと、ありがたみが増してくる。

時は冷戦真っ只中。緊迫しているとはいえ、まさか大国双方、核が降ってくるとは思ってもいない。今日も、なかばのんびり気分で演習を行っていた空軍の飛行機たち。

そこに突然送られてきた極秘の指令が!!「R作戦」!!それはソ連の主要基地、主要都市に水爆を落とす命令だった。



あるかもしれないけど、あってはならないこと。というか、あってもそれは絶対に実行されることがないはずの指令だったはずなのに・・・。

一度発せられた指令は、そうやすやすとは解除されない。それほどに指令は重いもののはずで、まず指令されるまでが大変なはずなのだ。そして、水爆は・・・。



と言うことで、ピーター・セラーズの1人3役で知られるこの作品だが、いやーー、面白かった。いや、面白いなどと言っては不謹慎だが、とにかく面白い。

いるんだ、アメリカあたりには、ああいう爆弾のスイッチ押せる権利を絶対に持たせちゃいけないやつが。そうならないように二重三重に考えてはいるものの、いくらでも穴はある。

その日の午前中に見た「イーグル・アイ」とものすごく通じるものを感じてしまった。軍の体質は本質的にさっぱり変わってないし、上層部はなんかなあって言う人たちの集まりだし、ブラック・ユーモア的に描かれてはいるが、ほんのちょっとのボタンの掛け違えで、十分ありえることに、背筋が寒くなる。

こんなことが十二分にありえたあの時代だからこそ、逆に笑い飛ばしながら作った感もあるが、末恐ろしくって面白い。

んでもって、ピーター・セラーズと言う人は、つくづくすごい役者さんだったことを改めて認識。若きジェームズ・アール・ジョーンズも見っけてうれしかった。声は同じだ。



水爆にまたがるシーンは、やはり歴史に残りますわ。

『博士の異常な愛情』

監督:脚本 スタンリー・キューブリック
出演 ピーター・セラーズ ジョージ・C・スコット スターリング・ヘイドン キーナン・ウィン


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2 コメント

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機械的に (iina)
2008-10-29 17:48:41
「博士の異常な愛情」を観たことはなく、iinaの手が時計仕掛けの
オレンジのようにTBしたものと思えます。
それにしても、ノンストップ・アトラクションのようでした。
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>iinaさま (sakurai)
2008-10-30 21:05:13
なるほど。
キューブリックの魔術にはまったというわけですね。
とにもかくにもあわただしい映画でしたね。
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