迷宮映画館

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紙の月

2014年12月02日 | か行 日本映画
こんなことがしょっちゅうあっては困るのですが、たまに聞きます。銀行に勤めていた女性が横領。。。お金いっぱい扱うような所に勤めたことがないもんで、こんなことができるっての!ってのが驚き。額が大きくなり過ぎて、現ナマじゃなく、数字だけが動く世の中では、ありなんでしょう。でも、余りにずさん。良心だけが頼りみたいなって、どうなんでしょう。

いや、人を見たら・・・・では、悲し過ぎる。まず人を信用すべき。そんなことを考えてしまいました。

きっかけは本当に些細なこと。足りなかったお金をちょっとだけ借りる。すぐに返せば大丈夫。私は悪いことなどしていない。でも、ほんのちょっとジャンプすればそんな境界はのりこえちゃう。そこをのりこえないか、越えちゃうかは、その人の良心にかかってるわけで、ほとんど人は踏みとどまる。でも、それを後押しするのが、恋心ってやつ。

若いイケメンの男の子から、すがられちゃ、そりゃ簡単に越えちゃいますよ。ちょうどいい塩梅にお金持ってて、いい塩梅に心の隙間があって、いい塩梅に出会っちゃう。なんつか、犯罪とか、不倫とか、やっちゃいけないことをやっちゃうのは、偶然の産物がもたらすもんなのかもしんないです。

で、見てる方は「そうよねえ。あんなかわいい子に迫られちゃ、そりゃなびくわ。でも、あたしたちにはないから、安心よね~。絶対にあたしたちはそんなことないから・・・」という妙な優越感に浸れる。何の根拠もないけど、美人のりえちゃんに、優越感を感じれる至福の時。

で、スクリーンの中のりえちゃんは、どんどんと落ちていくのであります。それを見ながら、ますます優越感を感じる。半分ひがみながら。んな、若い子が本気なわけないじゃん、わかんないの、りえちゃん!いや、わかってるけど今更引き返せないもどかしさ。

見てる方は、ほとんどワイドショーを覗いてる感覚で、ことの顛末を見ているのではと感じました。観客であり、野次馬であり、ちょっと高みいるような優越感の気分。でも、一筋縄ではいかないのであります。納まり方は、なんとなくしゃっきりしませんが、わたしたち凡人は、眺めてなさい・・・と言うことでしょうか。

りえちゃん、こんなにうまかったっけ?と思えるほどの熱演ぶり。さすが、舞台で経験を積んだだけあるように思えます、、って舞台見たことないけど。大島さんは、女優の素質ありますなあ。

◎◎◎○

「紙の月」

監督 吉田大八
出演 宮沢りえ 池松壮亮 大島優子 田辺誠一 近藤芳正


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2 コメント

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こんにちは (maki)
2015-06-25 09:29:18
私が臨職で一時期お世話になった郵便局で、
ATMにお金いれにいくとき鞄の中に二千万入ってるのを持たされた(緊張!)とか、
私が期限きれたあと、直属上司のシングルマザーさんが、横領してたのを1年後に(地方紙にのりました)知ったのとか、
そういうのもあるんで、銀行ってもっとお金が集まる所ですから、悪意はなくてもクラクラときちゃう人はいるかもしれないですね
しかも90年代が舞台ですから、この頃は銀行員の生真面目さを信じ込んでる風潮がありますから…
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>makiさま (sakurai)
2015-07-15 14:16:03
なんでしょね~、一旦ハードル越えちゃうと、どんどんと高みに登って行ってしまうのでしょうか。
最初の一歩が肝心だなあ~と思いました。
お金は欲しいけど、そんだけあってもね・・・。
最後がどうにも釈然としなくてもやもやが残ってますが、それが現実ということでしょうか。
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