Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

東北ツアー 僕の思い出2

2018-05-07 | ギターの栄養



2日目の朝
11時頃起き出すと
僕の朝ご飯だけが置いてあって誰も居らず
台所で食器を洗う音がしてる



宿泊させてくださってる岩佐孝子さんだな
と思って
寝坊したから僕の分だけ食器が片付かないよな
なんて申し訳なく思いながらそっと台所を覗いて
「おはようございます」と小さな声で言ってみた

はたして
そこに孝子さんは居らず
暗いシンクで食器洗いをしていたのは
見知らぬおじさんだった


あ。。。誰?
近所に住んでいる孝子さんのお兄さんとか?


よ〜くよく見ると
タカシさんだった

いつもステージをご一緒させて頂いてるタカシさんが
暗いシンクのとこで食器洗いしてるから
解らなかったのです


「知らないおじさんが食器洗いしてる...って
タカシさんだとは気付かなかったですよ〜」
というと
ニヤニヤしながら
「僕もタカコだけどね」と
(意味解らない人は「ラブソングはひげそりの後で  タカコママ」
で画像検索すると多分解ります)



ご飯を頂いて外に出ると家の前にリンゴ畑

そして気持ち良い風が吹いてる







間もなくこの日の会場「COZY HOUSE」へ向けて出発

またしても素敵な田園風景







到着



「榊原さん、コージーハウスへようこそ」
と迎えてくださったCOZYの管理人、向井さん
僕はカナフで初めてお目にかかった時からずっと
この方のお顔、人相が大好き






持ち込みのPAを組み始め


ありさちゃんと
その横でギターを見つめる女の子





やがて開演時間




入り切れないので外にも客席



向井さん



被災された皆さんの集える場所を、と
コージハウスを提供為さったオーナーの岩崎さん

この日の終演後にコージーで用意してくださった打ち上げ親睦会で
最後にご挨拶された際に
被災を経てここまで来れたお話をされながら
声を詰まらせていた岩崎さんのお姿に胸が熱くなりました



通常のコンサートではこんなこと出来ないですが
この日は撮りまくってしまいました











終演


良い時間
嬉しい時間でした


身体の火照りを冷ましにちょっと外へ






となりのお宅にまた立派な藤



民家内での音出しの容認に
ご近所に挨拶を廻ってくださったという向井さん
そして容認してくださったご近所の皆様に
心より感謝申し上げます




人の良き想いと行動が
また良き場を作って行くのですね

音楽家として
よく覚えておきます





。。。





そうこうするうちにコージー内は
打ち上げ会場へと変身



お料理が運ばれ





それぞれに飲み物が運ばれ



そして乾杯





乾杯後から皆の関心を一手に集めていたのがこれ

この地をこよなく愛し
この地の人達からも愛されるお巡りさんが
仕事後に駆けつけてくださり
差し入れてくださいました



「警魂」
パルス宮城野というところでしか置いてない警察の魂
因に中身は一の蔵だそうです

ひとつのユルキャラ
イメージキャラ的な存在なのでしょうね




僕の前に座られた
これまたこの街を愛する小学校の先生が
「俺ら公務員が小学校で『教員魂』」なんて酒作ったら
世間からとんでもなく叩かれるぞ」なんて言って
周りを笑わせてました



時々、甘い物も運ばれて来ます


太る〜
けど美味しい〜





ビールを2缶飲んだ僕は
向井さんに
「僕カクテルのこと全く解らないので
何か見繕って作ってくれませんか」ってお願いしました

「わかりました、榊原さんをイメージしたカクテル作りますよ」
と向井さんが作ってくださったのがこれ

「アールグレイ オランジェ」
ちょっと渋くて甘いお酒だそうです






楽しいお酒と会話に夜も更けて行きます



この街を愛し
この街から愛されていお巡りさん西川さんは

この街の人が誕生日を迎えると
その人に似顔絵を消ゴム判子にして
プレゼントするのだそうです

そんなチャーミングなお巡りさん
きっと他に居ないですよね


人見知りもとれて
すっかりハシャギ始めた自分は
西川さんに
サラさらっと似顔絵を描いて欲しくなって
お願いしました


「その人を良く知らないと描けないんですよ」
と最初辞退されるので

目の前のノリの良い
小学校の先生の奥様にお願いすると
サラサラッと描いてくれました


これ



ほう…
あだち充風、ですな



自分の似顔絵なんて描いてもらった事無いので
面白くなって
隣りのご主人にもお願い


すると酔った状態でかなり眼光鋭く僕の顔を観察しつつ
出来上がったのがこれ


なるほど…
つげ義春風ですね




ゲンセンカン主人を描いたご主人は
教員魂に火がついたのか立ち上がって

「みんな注〜目
これからこの紙をまわすから
自分が描いたらこうして折り曲げる事
次に描く人は
前の人の描いたのを見ないで描くように」


しかしほとんど誰も注目していない光景に
密かに僕
ウケけてました




最初辞退してたお巡りさん、西川さんも描いてくれました





ありさちゃんにも


ありさ作




向井さんにも



調子に乗っていろんな人捕まえては
描いてもらいました




そして小学校先生の仕切りで
順位を決め
全員の票をゲットしてしまった優勝作品がこれ



1位獲得おめでとうございます

あまりにタイミング良く
お祝いのケーキが運ばれる



え〜
勃発的に始まった似顔絵遊びの
優勝者用のケーキなんて
どうやって用意したの?と思ったら

電気が点いたら
シュウマイでした




僕が個人的に気に入ったのが
タカシさんが描いてくださった
迫力の作品が
こちら


ん〜
獅子舞かっ





最後に僕が描いた自分がこれ
卒業写真の歌詞と良く合うでしょ






こちらではまた別のイベントが進行中



コージーハウスさんへの寄せ書き書いてたんだね






打ち上げも佳境に入って

仙台フィル所属チェリストの山本純さんと
アリサちゃんの歌とセッションが始まりました
皆も歌ってます



ガットギターとチェロ
音域のバランス良いんですね

僕はシンプルな伴奏してただけですが
純さんが裏メロを弾いたり
ピチカートでベース弾いたり
ソロで歌ってくれたり
いろんな表情を散りばめてくださって
ホント素敵なサウンドになりました

そういう共有をした後はもう
ラブラブな関係です



タイミング良く向井さんがシャンパン持って来て



かっこよく注ぐ







そして会場は2回目の乾杯へ突入

愛すべきお巡りさんこっち見てくれてる

やっぱり愛と
そして警察魂ですよね




乾杯は1回で終わらず
何度も乾杯してる人達

なので僕も何枚も撮りました



あ...
こっちに気付いてアピールしてる人と
それを横目で見るアリサちゃん



こちらへの目線アピールが
惜しかった人







最後はもう
愛すべきお巡りさんに悪ふざけする子供状態








こうしてコージーハウスでの打ち上げ親睦会が終わったのですが

最後に声を詰まらせて挨拶為さった
オーナーの岩崎さんと
もう一場面
僕が感動した事を書かせてください


それは
僕らが泊めて頂いている岩佐孝子さん


処務を済ませられて
打ち上げの後半頃
合流

こうした一連のイベントだけでなく
復興活動の中心的な存在でありながら
台所に入ったまま
席の方にいらっしゃらない


もう打ち上げも終盤の頃
僕は台所のところまで行って
孝子さんと少しだけお話しした

その時
笑い声が聞こえるテーブルの方を見ながら
彼女がボソッとこう言ったのです

「こういう光景が見られる私たちは幸せだねぇ…」



そのひと言で
いろんなものが僕の中に伝わりました




この人は
この地の皆の
真のお母さんなのだ


この地に暮らす人は皆
このお母さんの子たちなのだ

そして子供が健やかに育つなら
お母さんはそれだけで十分

だからきっとお母さんは
台所の片隅で
健やかなる光景を微笑んで眺めているだけで
幸せなのだ



人見知りの自分がこんなに早く打ち解けるのも
お母さんが皆を愛情で包んでいるから

包まれた皆は
安心して関わり合い

そして楽しく
復興をしている


もちろん
それはまた
真の傷みの上に立っているからこその
楽しさ明るさなのだろう


そんなふうに思ったのです



人間はしょうもない事もするけど
素晴らしい事も出来る生き物だ


どちらを選び
どんな人と関わり
どう悦びの中を生きるか

その人次第なのだ





僕は人生の中で
大勢の人間が一同に会し
ここまで素敵な想いを抱かせて貰えたのは
初めただな

と思った






こうして素敵な2日目が
終わったのでした











3日目へつづく















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