今日は最高の秋の天気ではないかな
湿度が低く日差しが透明で
ちょっと涼しいけど
薄手の上着を着れば暖房を点けなくてもちょうど良い
南北の窓を開けると
部屋の中を緩やかに空気が動いてゆく
ベランダの金魚鉢の水面の反射が
今日も天井に揺らいでいる
ぱたぱた
と
気忙しくない布団たたきの音がする
虫が緩く鳴いている
夏の終わりに鳴き尽くす蝉の声は
命の短さを想わせ
「もうわかったよ わかったから」と
僕の心の中には涙が流れるから
疲れてしまう
北側の窓の
半分開いたレースのカーテンの向こうの
樹々の葉が揺れている
この束の間の平和な時を
なるべく長く受け取るために
どう生きたら良いのか
風に問うている