Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

9/29(金)

2017-09-29 | ギターの栄養


星のバラッドのインストアライブが
11月初旬に決まりそうなので
昨夜からボチボチ仕込を始めた

まだ1ヶ月以上あるのでじっくり向き合っている

感覚が研ぎすまされる真夜中に
部屋は暗い照明だけで
ガットの出音は本番と同じようにラインで繋ぎ
ヘッドフォンをして
本当に1音毎の指のフォームと音色を確認しながら
終わりの無い深い世界を一晩中漂っているうちに夜が明けた



早朝の冷たい空気の中ベランダの植物たちに水やりをして
南北の窓を開けたままコオロギの声を聞きながら
ソファーで横たわるとそのまま眠ってしまう

身体は疲れているが脳のどこかが覚醒したままなので
布団で眠りたくない
ソファーでの仮眠のようなモードで
睡眠学習を継続したがっている



暑くも寒くもなく湿度も低い空気が
家の中をふんわり抜けて行き
さっきまで爪弾いていた自分の音が
極楽に流れるの音楽のように
淡く抽象的に夢の中でずっと鳴っていた


極楽から帰還しふと目覚めると
ベランダの睡蓮蜂に反射した光が
天井にチラチラ揺らめき
外を見るとクリアな光が満ちていた





昨夜の事を思い返した

関節の痛みなどを痛くないようなフォームを模索しながら音を出して行くと
ジャストミートした高橋由伸のホームランのように
芯のある音がリバーブを響かせながら遠くまで飛んで行き
脳内にアドレナリンが出るのが分かる


それを何度も繰り返し心身に覚えさせる







1つのことを習得すると
既に過去に習得している事を0.8~1.2くらい失う

壊しながら創り治して行ってる

「作り直し」ではなく
「創り治し」をしている



こういうことが生きてる間ずっと続いてゆき
そして商売としたら引退もあるのだろうが
芸術自体には引退は無い

年齢に則した肉体を使いながら
年齢に見合った心を描くだけなのだと思う








下からどんどん枯れて行ってるグリーンカーテンは
冬に向かい減衰してゆく生命力を効率よく使いながら
上の方に小さな新しい葉が沢山生えている

こういう生態の風景を眺めると命の健気さを感じる

普通に生きていれば
普通に衰えて行く自分の命と重ね合わせて
赴き深さを味わっている







枯れて行くグリーンカーテンに隙間が出来
低くなった秋の日差しがベランダ奥まで差し込むからだろうか
夏には目立った成長も見せなかった金魚の水草が
初々しい色の新しい茎葉を伸ばしていた






朝顔とゴーヤにネットを占領されているので
しかたなく外に向かって張出しているこのミニトマトは
今年1つも実を付けなかったが
今朝1つだけ小さな実を付けているのを発見した




もし野生であったら
このたった一つの実から穫れる種で来年に命を繫ぐことが出来た
ということだ

諦めない命、の1風景を見せてもらっている




















コメント
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