Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

2013/10/18//東京へ戻り日

2013-10-18 | 参加ユニット『Duo LIBRA』

もっきりやさんから一夜明けて
今日は戻り日なんですがプロデューサー中村氏
東京までの途中の何処だかの地で
最近ハマっているという鉄道の撮影をしたいとのこと


昨夜本番手前に硝子窓越しのニャンコを撮影するヒロタカくんの
無邪気な後ろ姿を撮影した僕でありましたが



今日は鉄道撮影する中村氏の鬼気迫る後ろ姿を撮影しようかと
密かに目論んでいるのでした




12時チェックアウト
そのまま昼食へ



半年前に金沢に来た時に食べに行った豚カツ屋「ぶんぷく」へ



品のある老夫婦が二人でやってる上品なお味のカツ丼を食べて
13時過ぎに出発





車内では中村さんの鉄撮り話しで一時的に盛り上がる

というか和泉さんも僕も興味が無いもんだから
ハイな状態の中村さんの話をウンウンと聞いてるだけですが…


因みに今日の撮影の獲物はトワイライトエクスプレスという寝台列車だそうで

トワイライトアッパーウエストの作曲者である和泉さんと
ナニワエクスプレスのギタリスト岩見さんとの
Duoのユニット名をそれにしようかと思って と楽しげな中村さん

更に

「和泉さんっ!
トワイライトインエクスプレスっていう曲作ってくださいよ!
岩ポンの方がいいかな… まぁどっちでもいいや
曲出来たらJRに売り込みますよっ私
ていうか
トワイライトエクスプレスもいつまで走ってるかわかりませんけどね
ワハハハハハ」


恐る恐る
「何処で撮影するんですか?」
と訊ねてみると
中村氏

「それが昨日の時点で立てていたプランから大幅に変更しなきゃならないんですっっ
金沢を14時半通過
福井を15時半なんですよ その間の何処かに当たりをつけて
通過時間を算出して狙いをつけて行くんだけど
どうやらこのままだと間に合わないんです
行ったけど間に合わなかったってのが一番情けないし」


「早めに着いて待ちくたびれるくらいが良いんでしょうねぇ」
と和泉さんが調子を合わせる


「そうなんですよ
しかもっ
撮影にナイススポットかどうかも行ってみないとわからないしぃっっ」
と中村氏



話しに着いてけなくなったので
まず僕が会話からさりげな~くフェイドアウト



次に和泉さんもさりげな~くフェイドアウトする様子




…間もなく車内に静寂が戻る







しばらくして
赤信号待ちで停車中
後部席の和泉さんが急にデカイ声で叫んだ





「べんきゅ~ばるしっっ!」





ヒロタカくん
気がふれたかと思ったらトラックの右側に
進行方から後ろに向かって書かれた文字
便急―バルシ

要するに
シルバー急便




しばらくすると赤信号待ちで停車中
中村氏がクスクス笑いだした


中村氏も鉄撮りモードでハイになり過ぎて
壊れちゃったかと不気味に思ったら
右側にパチンコ屋
看板に
「パチンコ DERUZE」



パチンコ出るぜ、は
沸々と込み上げてくるものがありますな





そうこうするうち
当たりをつけた撮影スポットに到着


「この辺りがいいとこかなぁ…
ここにしとくかな…」
と中村氏



「また別のポイント探して良くなかったらなんですもんね」
と和泉さんが調子を合わせる



「ちょっと降りてみるかな…」
と中村氏





早速、柵に足をかけて踏切から試し撮り





和泉さんと僕はすかさず後ろに忍び寄り
列車を撮る中村氏を撮る





「ベストショットが撮りたいあまり
マニアとか線路内とか入る人もいるんじゃないすかね」
と僕

「危ないからいけないんだけどね
事故さえ起きなきゃ自己責任てとこあるんですかねぇ…」
と軽い駄洒落を挟み込む和泉さん


トワイライトエクスプレス通過までまだ40分ほどあるようだ





「あっちの鉄橋の方に行ってみよっかな…」
と中村氏


鉄橋の麓に移動






撮影ポジションを探す中村氏







そこに列車が


また試し撮りではあるが
列車に向けて一眼レフをサッと構えた中村氏を被写体と狙い
普段では見せたことのない非常に素早い身のこなしで和泉さんが走りより
そしてズザッッとしゃがみ込み
素早くと携帯カメラのシャッターを切ったのには大ウケした

僕はというと
大爆笑のこの二人を撮ろうとして
一瞬タイミングが遅れてしまったのが残念でしかたありません…
(p_;)

これがその貴重な一瞬を僅かに逃したショット
和泉さんが口を押さえて笑ってるのが見えます


(写真をクリックすると拡大されます)



その後
数ポイントを移動して...










中村氏は結局最初の踏切に決定したようだ



最初の踏切に戻る道すがら後部席で和泉さんが
♪今は~誰も居ない海~♪
と鼻歌うたいながらフオァ~~ッと欠伸をしている


さっきの中村氏狙いの素早い動きで
きっともう疲れちゃったんでしょうねぇ


久しぶりに長閑な珍道中であります






そして
遂に目的のトワイライトエクスプレス通過

と思いきや

がび~~~~ん

予期せぬことに


ちょうど同時に貨物列車も通過


貨物列車が邪魔をして
トワイライトエクスプレスの背景に鉄橋を入れることが出来なかった...
というちょっと残念な結果にはなりましたが
まあ
やるだけベストを尽くすことに意義がある的に
中村氏は7割がた満足した様子


そんな中村氏の果敢に攻める撮影勇姿を撮影することに
和泉さんと僕の方は10割大満足





列車を狙う中村氏を
電信柱の陰からこっそり狙う和泉氏

それを狙い撮り


(写真をクリックすると拡大されます)




そしてこの愉快なイベントも終わり
15時半
東京へ向けて出発
530キロ








16時10分

太陽もだいぶ傾き
車に揺られるうち
何だか眠くなってきた



このツアーここまでの3本
僕は個人的にはなかなかハードだったからなぁ


完璧に今日は緊張が揺るんで
撮影大会ではしゃいで
それが落ち着いたら何だか眠くなってしまったようだ







そのまま寝入ってしまったらしく
気付くと養老というSAにトイレ休憩で停まってました
17時45分


何だか夢を見ていたけど起きた途端に忘れてしまった

なんか…
子供の頃の遊んだ後のような感覚だけうっすら残ってるんだけど…




起きたばかりでボンヤリしてるとトイレから戻った和泉さんが
「おはよう」



「はしゃぎすぎて疲れて寝ちゃいました」



「ウハハ
はしゃぎすぎて
っていいよね
子供が夏休みにはしゃぎすぎてその夜熱出したりするじゃない」
と言いながら
何かを一口グビッと飲んで
「うぇ~ぃ」と言った

買ってきたレモネードが想像してたより酸っぱかったらしい



18時
名古屋一宮を通過



中村さんは鉄撮りが終わった途端に
スーッといつもの寡黙なクールガイに戻った


そういえば今回の金沢では
(鉄撮りに付き合わせるから悪いってことだと思うけど)
機材の積み降ろしを気付いたら全部一人でやってくれてました




後部席から「ンフフ…」
と和泉さんの笑い声

多分アイパッドで何か観てるのだろう


昨夜の猫を撮る和泉さんの味わい深い後ろ姿を撮ってから
何かを撮る人のケツを撮る
ってのをシリーズ化しようという馬鹿話しになっている


このセンスを和泉さんと僕は面白がっているが
中村氏はクールなまま乗ってこない


和泉さんと中村さんが盛り上がり
僕は全く参加しないパターンもあり

中村さんと僕で静かに盛り上がり
和泉さんが入って来ないというバージョンもある

この3人は多分トライアングルのバランスが良いのだろう
放っておいても力関係の均衡が予想以上に保たれているようなのだ




18時半
東名三好通過
あと280キロ







明日の川口はどんな音になるのかな…


金沢では自分の内側から思い切って押し出せたから
もうマインドの出口は非日常的にまで全開になってるはず


これ以上開くとちょっと危ないかもなぁ…

金沢でも脈絡なく演奏中に涙腺が緩みそうになった場面があったから

涙腺が緩むと
良い意味での演奏の緊張も崩れちゃうから


いや…
涙腺が緩もうが毛穴が開こうが鼻水が垂れようが
やっぱり行けるとこまで行ってみようかしら…

悲しい酒を
涙を流しながら歌いきる美空ひばりの領域まで目指して

あんな風にまで演じられたらどんな感覚が味わえるんだろう


世界に素晴らしいギタリストは沢山いるけど
切ないバラードなんかを涙を流しながら歌いきるギタリストは見たことないから
一人くらい居てもいいかも


でもなぁ…

やっぱり涙を流すのは良くないかもなぁ



演者が先に泣いたのでは
せっかく泣けそうになっているリスナーをシラフに引き戻してしまうよなぁ


やっぱり

涙が出口ギリギリのとこまで溢れかけた状態で
微笑む気持ちで奏でるのが一番かなぁ




人間同士は自然に共鳴し合う生き物だから

誰かが泣いていればもらい泣きし
誰かが笑ってればつられて笑ってしまう

誰かが怒りを発すれば
傷つけられることを恐れる自己防衛本能が過剰に働きだし
自分も怒りのモードに引き込まれる

何にしても共鳴し合う



傷付いた時
上手く泣くことさえ出来たなら
人は怒りを抱かずに済む

上手く泣けたら
それはもう笑えたことと同じだから


僕は自分の音楽で
泣くという感情を一番に扱いたいと思ってるのかもしれない


もう少し煎じ詰めてってみたいな
リブラでも
僕なりに


上手に泣いた先に
命の讃歌を心から奏でてみたい

それを皆と共鳴し合いながら生きる力を増してゆきたい





19時半
今どの辺りだろうか…


この車の古いナビでは道の無いとこを飛んでるから
新東名の何処か

ナビにあと150キロと表示されてる


もう考えるのはやめて
クールダウンしてゆこう

一度綺麗にリセットして
明日また熱く演れるように























コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013/10/17// 金沢 もっきりや

2013-10-18 | 参加ユニット『Duo LIBRA』

今日は2回目となる金沢もっきりやさん

夕べのうちに名古屋から金沢に移動しました
午前2時過ぎに到着



FBやブログなどで頂いたコメントを嬉しく拝見して
自分も後記を書いてから朝方4時過ぎに眠りました




いきなりな話しですが


相手が…
右から来るか
左から来るか…
後ろからか…
と思いきや全力で真正面からぶつかって来るか
人生も人間関係もわからない
(喧嘩の話しではないです人が関わる、という観点の話し)

演奏も全く同じだな
と考えながらのんびり支度してました


だから
自己仕込みするとか練習するっていうのは
アンサンブルする相手がどの方角からどんな強弱で来ても
自己主張合戦のバトルになるのではなく
協調的に平和的に生産的に受けて返す用意をしておくってこと

そういうことだったよな、風邪引いてて忘れてたけど

体調がだいぶ戻って来た中で考えてました

考えてるうち
出かける時間



ホテル出発
そしてすぐに到着

2回目のもっきりやさん

初めての会場は少なくなってきて
どの会場も2回目3回目になってきました




「マスター お久しぶりです」と小さく声をかけるとニコッと挨拶を返してくれて嬉しい


岐阜も名古屋も2回目3回目で覚えてていただいて「また来ました(^^)」
ってリラックスして振る舞えたのが嬉しかった


黙々と自分の足回りを組みながらさっき思い出したことを反芻してました




体調不良のことを書いたのでご心配をおかけしてしまった部分もあったみたいで申し訳なかったのですが
僕はこんな風に考えてます


音楽ビジネスに於いては音楽と元気が一組みたいに扱われたりしがちだけど
それはむしろ音楽の力の可能性を狭めるし
音楽で元気になれないとこまで弱ってる人は
置いてかれてしまう


音楽で心が動く
というのは
決して元気じゃなくても十分に動くのだし
心が固まらなければ人は自力で幸せに向かう力を持っているから


今回僕は劣悪な体調の中で
どれだけオーディエンスの心を動かすことが出来るか挑戦したかったんでしょうね

人間は気持ちさえ負けなければ身体が駄目になっても相手に必ず届く
と証明したかったんですね

きっと自分がこの人生を終える時のために
そして
大切な誰かがこの人生を終える時に
動かなくなった身体から発する僅かな愛の信号も見落したくないから


そんな一連のことを
記し残したかったから
わざわざ体調不良を記したんだと思います


今日という一度しかない時間の中で一度しか会わない人たちと今日のこの会場で
自分の体調がどんなふうで
相方である和泉さんの状態がどんなでも
何がどう転んでも
全てを平和的に受けるためだけに今日はリハーサルをした



そして僕は今日は
胃袋をひっくり返してお見せするようなプレイが出来たと思います

演奏が荒い場面も多々ありましたが
いろんな人間模様を描けたライブだったと思えます

ミスや乱れは悔しいんだけど
その気持ちはまた未来の演奏に生かします





打ち上げでマスターが
リブラでカバー曲として取り上げてみたら良いのでは
という曲を数曲教えてくださいました

それはどれも革命の歌でした

歴史の中で乱れた国が平和に向かって革命を起こす時に皆で歌った革命歌
世界のいろんな国で
美しい平和の讃歌があることを教えていただいたわけですが
今日のリブラの選曲に
反戦歌など一曲も入ってないわけで
ホロ酔いのマスターが
何故リブラに平和の讃歌を取り上げてみては?
と提示してくれたか

それは今日のリブラの演奏の言霊の中に
そういうスピリットを感じたからだと
僕は勝手に解釈したのです


8月のツアーまででは見えなかった可能性が1つ
見えた瞬間でした


具体的に革命歌を取り上げるかはわかりませんが 1ヶ月前には見えなかったものが見えてくる

こんな風にこのユニットの未来を切り開いてゆけたらと思います


肌寒い中
足を運んでくださったお客様
そしてもっきりやさん
ありがとうございました







そうそう

これも平和的な1スナップ


本番直前の和泉さんのオマケ画像

窓越しの猫ちゃんを撮るひろたかくんを撮りました

詳しくは和泉さんのツイッターにアップされますので























コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする