Rosa Guitarra

ギタリスト榊原長紀のブログです

自分だけの力で学習する大切な時間

2009-11-23 | 竹斎先生



普段、僕の部屋に置いてあるこの電気温風機を
今日は寒かったので、食事時にDKに持って来た

先生は新しいものは何でも興味があるところにもってきて
電源を入れたらまず「ピーッ」と音がして(給水ランプ)がチカチカ点灯したので
あっという間にこの電気温風機にハイハイして接近した




石油ストーブや電熱線のストーブとかだったら、さすがに乳児が居る部屋に持って来ないが
これは吹き出し口がプラスチックだし、触れてすぐ大火傷を追うような熱さではないので
危険そうならすぐ引き離すとか、そういう心構えをこちらでしながら
先生を観察しながら、ちょっと好きなようにさせておいた

それに、以前先生は
熱いものが入った食器に手を伸ばし触れて(火傷はしなかったが)
あっ!という感じに、自分で手をはねのけたことがある
彼の中には「熱い」という記憶が、一度摺り込まれているはずなのだ



20センチほどのとこまで近寄り、止まってこちらを見上げたので

「どうするの?触ってみるの?」と声をかける

先生はストーブの方に一歩近づき
吹き出し口からは熱風が出てることを感じている

「熱いのが出てるだろ? 触りたいかい? 好きにして良いよ」

先生は10秒ほど考えた後、引き返そうとしたが
すぐまたストーブの方に向き直った

(やっぱり、一度は触ってみるのかな...)

またじっと考えて、こちらを見上げて、ストーブをまた見て
後ろを振り返ったり、そんなことをかれこれ3分くらいやって

そして最後に僕の膝に手を伸ばし、つかまり立ちした時にはもう
彼はストーブへの執着を引きずってはいなかった



これを、例えば
ストーブの方へハイハイし出した途端
「あぶない!」と言って乳児を捕まえて抱き上げちゃうとか
サッとストーブを片付けちゃうとか
そういうことをすると、乳児はずっと引き離された対象物であるストーブを
名残惜しそうに目で追い
虫の居所が悪い時にはそれがきっかけとなって激泣きになったりする


8ヶ月でも
自分に必用な物と不必要なものを
自分で納得して選択したいのだ


一つ前の記事に書いたのだが
このところ仕事が立て込み(それは勿論ありがたいことなのですが)
先生とゆっくり過ごす時間が無くなっていた

すると先生は、僕に対し反応が薄くなり
いくら笑いかけたりしても無関心ぽく振る舞い
軽くストライキをしていたように見受けられる

それが、今日のこのストーブを
僕の見ている環境の中で
彼に好きにさせたことをきっかけに
僕と先生の関係は円滑に戻ったのだ

大袈裟な表現をしているのではなく
本当に円滑に戻ったのだ


赤ちゃんは全てわかっている、と聞くけど
こういうことに遭遇する度に
本当だな、と思わされる




危険から我が子を守ることと
自らの力で学ぶ環境を奪わないことは
背中合わせ紙一重だが
僕はどうしても後者を重んじたくなる

それは、この僕が子供の頃から
どれだけの学ぶタイミングを
「危険」という名目で、大人達から取り上げられたか
肌触りの悪い記憶や感触が
嫌というほど自分の中に残っているからだと思うのだ














コメント
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