欅並木をのぼった左手にあるお店

ちいさいけど心ほっこり、French!テイストなお店♪

とある橋の上での物語

2012-08-23 | une nouvelle
橋の上から投げられた金貨。
川の中に入っていって、まるでなくなってしまったかのように。
しかし、不思議な物語はここから紡がれていくのです。

幾年も過ぎたとある夜のこと。
ふたたびそこに訪れた女性が目にしたものは・・。
川の中に揺らぐ繊細な美しい輝き。
まるで頭上の月が反射しているかのように、やわらかであたたかいなんともいえない輝き。
まぎれもなくあの時に投じた金貨だと、彼女にはわかったのです。
胸に訪れる不思議な感覚。

"あぁ、あのときの愛がこの胸によみがえってきそうな・・。"
そして、物語は月明かりのような幻想性をはらんでいき・・。

彼女の後ろに立っているのは・・。
あの時別れを決意した、愛しい男性(ひと)の影。
揺らぐ輝きを指をさして、振り返る彼女にやさしい笑みを。
ふたりは川底の輝きを見つめながら、お互いの笑みを確かめるように。
やさしい口づけを。

祈りに似た願いが金貨の輝きを通じて身をむすんだ、橋の上での小さな奇跡。


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