ガルシア=マルケス著、木村榮一訳、新潮社
ガルシア=マルケスは、『百年の孤独』を読んで以来のファン。
この『コレラの時代の愛』は、映画にもなったけれど、そちらは見ていない。
性の描写は、文字で見るのと映像で見るのでは、まるで印象が違うから、
というのが理由だ。
半世紀以上、ある女性を愛し、待ちつづけていたという男性。
多くの女性と付き合ったが独身を通し、
いつかその女性と一緒になることをずっと夢見てきた。
コロンビアでコレラが流行って、内戦があって、
川の両側に広がるジャングルがどんどん切り拓かれて、
自然がどんどん壊されていった時代のこと。
うつりかわるものと、かわないもの。
小説全体でアクセントになっているのは、嗅覚だと思った。
においをかいで、ふっと過去が戻ってきたり、
ある人の面影を思い出したりする。
でもそれは、確実につかまえることはできなくて、
思い出したとたんに、半分くらいもう、消えてしまった思い出。
男女の愛情についての小説は、正直にいって、
あまり得意なジャンルではないので、
読み始めてから結局3年近い月日が経ってしまった。
半世紀も同じ人を思いつづけた男性の話だから、
3年なんて、どうっていうことのない長さだろう。
ただ、不思議だったのは、少し読まない期間があっても、
それまでの展開をしっかりと覚えていて、
すぐに小説のなかに戻れたこと。
世界観がしっかり描けている小説だということなのだろう。
ガルシア=マルケスは、『百年の孤独』を読んで以来のファン。
この『コレラの時代の愛』は、映画にもなったけれど、そちらは見ていない。
性の描写は、文字で見るのと映像で見るのでは、まるで印象が違うから、
というのが理由だ。
半世紀以上、ある女性を愛し、待ちつづけていたという男性。
多くの女性と付き合ったが独身を通し、
いつかその女性と一緒になることをずっと夢見てきた。
コロンビアでコレラが流行って、内戦があって、
川の両側に広がるジャングルがどんどん切り拓かれて、
自然がどんどん壊されていった時代のこと。
うつりかわるものと、かわないもの。
小説全体でアクセントになっているのは、嗅覚だと思った。
においをかいで、ふっと過去が戻ってきたり、
ある人の面影を思い出したりする。
でもそれは、確実につかまえることはできなくて、
思い出したとたんに、半分くらいもう、消えてしまった思い出。
男女の愛情についての小説は、正直にいって、
あまり得意なジャンルではないので、
読み始めてから結局3年近い月日が経ってしまった。
半世紀も同じ人を思いつづけた男性の話だから、
3年なんて、どうっていうことのない長さだろう。
ただ、不思議だったのは、少し読まない期間があっても、
それまでの展開をしっかりと覚えていて、
すぐに小説のなかに戻れたこと。
世界観がしっかり描けている小説だということなのだろう。