ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

休日のお父さん

2010-10-10 19:29:12 | Weblog
今朝、モスで読書をしていたら、隣の席に男性が慌ただしく座った。
せわしない雰囲気で、持っていた書類を投げるようにテーブルに置いた。
書類はA4サイズで、何枚か綴じられていた。

4人掛けの机を、1人で占領し、書類を読み始める。
紅茶が運ばれてきた。大きなズズーという音を立て、飲み始めた。
熱いのだろう、ズズ、ズズ、ズズーッとせわしない。
あまりにも小刻みなので、気になる。

休日なのに、なんとも慌ただしい。
ジャージのような服だけど、読んでいるのは仕事の資料なのだろう。

何かから逃避するように仕事をして、
そしてもっと居場所がなくなってしまったような、
一生懸命であるために、一生懸命であるような、
そんな雰囲気が伝わってきた。

せわしくなくカバンのチャックを開け、
シャーペンをカチカチカチッと鳴らし、
何かを少し書き込んで、思考に入った。
いや、居眠りに入ったのだった。

休日でもなく、仕事でもない時間。
休日出勤をしないのは、午後から家族サービスをするためか、
それとも会社から休日出勤を止められているのか。

すぐに起きて、また、ズズーッと紅茶を飲み、書類をめくった。
そしてすぐにまた居眠りを始めた。
どう見ても、効率が悪い。
授業を聴いているフリをしている高校生のようだ。

家で、ちゃんと寝ればいいのに。
子どもが遊んでいて眠れないのだろうか。

私が小さかった頃は、喫茶店が少なくて、空き地が多かった。
お父さんが寝ているとき、仕事をしているとき、お客さんが来ているときは、
子どもが外に出された。「夕方まで、外で遊んでらっしゃい」と。
いまは逆だ。
子どもが家の中で遊び、お父さんが外に居眠りに出掛ける。

なぜ、仕事をしているから静かにしろ、寝ているんだから静かにしろ、
それができないなら、少し外へ行ってろ、と、
お父さんは言えなくなってしまったんだろう。

そんなことを考えていたら、
その隣人は、鼻から大きく息をはいて、出て行った。

気を取り直して、少し散歩だ。
建物のあいだに、ひっそりとお社があった。


立ち寄った公園に、ほおずきがあった。


お稲荷さんは、なんだか力をもっていた。