ニコライ・バジャーノフ著、小林久枝訳、音楽之友社
小さいころから読書は大好きだったけれど、苦手だったジャンルがある。
それは、伝記。
女の子に「わたし、看護婦さんになるの」といわせるナイチンゲールも、
男の子に「将来は発明王になる」といわせるエジソンも、
いろいろと伝記は読んだけど、ほとんど「読まされた」。
ついでに、小公子・小公女も苦手だった。
だから、ラフマニノフの伝記を買ったはいいけど、
なかなか読み始められなかった。
幼いころラフマニノフの音楽が好きになって、この人の曲を聞くために生まれてきたと思って、
私の一部となって生きてくれて、そしてずっと、もっと知りたいと思っているラフマニノフの世界。
この伝記の素晴らしいところは、
ラフマニノフが、音楽に向かう姿勢やその必然性を描いてはいるけれど、
その音楽については、言葉で多くを語っていないことだ。
この本を読む人ならば、すでにその心にラフマニノフがいる。
そのイメージをくずさないように、ラフマニノフ本人に対してだけでなく、
読者に対する、ラフマニノフのファンに対する限りない誠意が伝わってくる。
まったくもって、「私があなたに、ラフマニノフの魅力を教えてあげよう」なんて思っていない。
伝記としては、第一級だと思う。
だからこそ、読んでいると頭の中にはラフマニノフの曲がなりだす。
そして、そのあと、ごそごそとアルバムを取り出し、
長い間、聞いていなかった普段のお気に入りではない曲も聞いてみるか、という気にさせる。
今日は、久しぶりにヴァン・クライバーンの演奏を聞くことにした。
ピアノ協奏曲第3番。クライバーンに、ひたむきに弾いてほしい。
17時すぎ、会社のお使いで外に出たときに見えた夕焼け。
秋の空だ。
小さいころから読書は大好きだったけれど、苦手だったジャンルがある。
それは、伝記。
女の子に「わたし、看護婦さんになるの」といわせるナイチンゲールも、
男の子に「将来は発明王になる」といわせるエジソンも、
いろいろと伝記は読んだけど、ほとんど「読まされた」。
ついでに、小公子・小公女も苦手だった。
だから、ラフマニノフの伝記を買ったはいいけど、
なかなか読み始められなかった。
幼いころラフマニノフの音楽が好きになって、この人の曲を聞くために生まれてきたと思って、
私の一部となって生きてくれて、そしてずっと、もっと知りたいと思っているラフマニノフの世界。
この伝記の素晴らしいところは、
ラフマニノフが、音楽に向かう姿勢やその必然性を描いてはいるけれど、
その音楽については、言葉で多くを語っていないことだ。
この本を読む人ならば、すでにその心にラフマニノフがいる。
そのイメージをくずさないように、ラフマニノフ本人に対してだけでなく、
読者に対する、ラフマニノフのファンに対する限りない誠意が伝わってくる。
まったくもって、「私があなたに、ラフマニノフの魅力を教えてあげよう」なんて思っていない。
伝記としては、第一級だと思う。
だからこそ、読んでいると頭の中にはラフマニノフの曲がなりだす。
そして、そのあと、ごそごそとアルバムを取り出し、
長い間、聞いていなかった普段のお気に入りではない曲も聞いてみるか、という気にさせる。
今日は、久しぶりにヴァン・クライバーンの演奏を聞くことにした。
ピアノ協奏曲第3番。クライバーンに、ひたむきに弾いてほしい。
17時すぎ、会社のお使いで外に出たときに見えた夕焼け。
秋の空だ。