ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

読書量

2010-10-04 20:42:55 | Weblog
「最近の子どもは読書をしなくなった」と言われたことがある人は多いと思う。

今日、たまたま仕事で、毎日新聞が行っている全国読書調査なるものの数値を見た。
少し転載させてもらう。

ちなみに、私がほぼ小学生、高校生、そして今に対応した年代の数字をひろった。

毎年5月時点での均読書冊数。
小学生 1980年 5.6冊 → 1990年 7.1冊 → 2009年 8.6冊
中学生 1980年 1.9冊 → 1990年 2.1冊 → 2009年 3.7冊
高校生 1980年 1.3冊 → 1990年 1.5冊 → 2009年 1.7冊

単純に比べると増えてる。

まったく本を一冊も読まなかった人の割合。
小学生 1980年 6.8% → 1990年 10.3% → 2009年 5.4%
中学生 1980年 37.3% → 1990年 41.9% → 2009年 13.2%
高校生 1980年 49% → 1990年 54.5% → 2009年 47%

中学生なんて、本を読む人がすごい勢いで増えているじゃないか。

正直に言って、これより前の数値も使って比べたら、
そりゃもう高校生の読書離れが顕著に出ると思う。
この統計を取り始めたころから、ほぼ全数が高校進学するようになったのだから、
本を読まない高校生が増えてもしょうがない。
そもそも比べられないことだ。

それに、高校生ともなれば、ドラマ、映画、ゲームなど、
「物語」との出会いを、本に依存しなくなって当然だ。

なあんだ、そんなにいまを否定しなくていいじゃないか、と思った。
少子化で若者の数が減ったから、全体的にパイは小さくなっただろうけど、
その中での割合は、落ちていないばかりか、むしろ読書に向かっているなら、
「最近の子どもは」という発言は、本当のことなのか、単なる印象なのかわからない。
それに、一人当たりの読書量と出版不況は、別に考えなければならない。

などと考えながら本を取り出し、お昼ご飯を食べていたら、
会社の顧問から「読書好きなんだねえ」と言われた。
いま、昼食をとりながら『ラフマニノフ』を読んでいる。
交響曲の発表が不成功で、ずっとピアノを弾けないでいるところ。

大好きなことであっても、距離をおくときがある。
それが自家撞着ではなくて、外の世界との接点であれば、なおさらだと思う。