飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆北海道でサンマ豊漁「初水揚げ量が昨年の140倍」にはトリック…庶民の魚は食卓に戻ってくる?

2024年08月23日 10時16分13秒 | ●YAMACHANの雑記帳

「大漁」「大幅安」など、景気のいい見出しが躍った。
 今月10日に解禁されたサンマ漁が、豊漁だと報じられている。先週、北海道根室市の花咲港で初水揚げされたサンマは67トンで、昨年の490キロを大幅に上回った。市内のセリでは1キロ724円が最高値となり、過去最高の1キロ14万400円を記録した昨年と比べると、驚くほど値が下がった。札幌市内では、1尾18円と破格の値段で売り出されたものもあったという。
 かつては安く買える「庶民の魚」だったサンマだが、資源が減少したことなどで2010年ごろから深刻な不漁が続き、いまや「高級魚」に。それが、北海道でこの「フィーバー」ぶりだ。ようやくサンマが取れるようになったのか。今年は「庶民のサンマ」が戻って来るのかと期待が膨らむ。しかし……。
「決して豊漁というわけではなく、ある意味、数字のトリックです」と言うのは「全国さんま棒受網漁業協同組合」(全さんま)の担当者だ。
「サンマ漁は例年、漁獲量が少ない小型船が優先的に漁をできるよう、小型船には大型船より10日早く出漁日を設定していました。しかし、今年は極端な不漁から少しでも水揚げ量を増やそうと、試験的に小型船から大型船まで一斉に出漁が解禁された。昨年は小型船のみの少ない初水揚げ量だったので、船の大きさを問わず一斉に出漁した今年は単純比較すると、豊漁に見えるわけです。実際、現時点での全体の漁獲量は昨年と同程度と思われます」

つまり、サンマの数が戻っているわけではなさそうなのだ。昨年のセリでの高騰も、そもそも初水揚げ量が少なかったためだ。
 水産庁によると、日本近海の今年のサンマの来遊量は、昨年と同様の低水準となる見通しだ。国際機関が漁獲量の上限を定めるなど、資源回復に向けた取り組みがされているが、いつ実を結ぶかは不透明。効果が出るまで待つしかない状況だ。
 しかも、消費者はただ待っているだけではいけない。
「サンマ漁業者は苦しい経営が続き、高齢化も進んでいることなどから、担い手が減っています。近い将来、サンマが戻って来たのに取る人がいないなんて事態もあり得る。操業を続けられるよう、みなさんにはぜひ高くても買っていただきたいです」(全さんま担当者)
 いつか来るその日のために、食べて応援だ。
 なお■関連記事では、日本を取り巻く食事情の異変についてさまざまな切り口で報じている。


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