暑い日が続く札幌から、ren.です。
日が暮れても外気温が下がらないのはつらいわ。
扇風機壊れるし(w
さて、週末に届いたボードゲームを、土日にかけて友人と遊んでみました。
▼ パンデミック:クトゥルフの呼び声 ホビージャパン
世界にはびこる新型ウィルスを駆逐するボードゲーム「パンデミック」のクトゥルフ神話版。
原題は"REIGN OF CTHULHU"="クトゥルフの御世"。
ホビージャパンが邦訳することで、タイトルに同社が邦訳リリースしたTRPG"クトゥルフの呼び声"のブランドとなりました。
「パンデミック」のルールは、H.P.ラヴクラフト御大の作品の舞台であるマサチューセッツ州を舞台に、邪神復活をもくろむ狂信者を撃退し、邪神を顕現させるゲートを封印するするという形に当てはめられました。
もちろんクトゥルフ神話ゲームなので、プレイヤーはSANチェックも発狂もあります(w
プレイ人数は2~4人。
目安となるゲーム時間は40分となっていますが、ルールを参照したり、プレイヤー同士の相談が長くなれば1時間以上、早いときは20分程度で終わります(w
開封してコマやカードを内箱に振り分けた状態。
やっぱりボードゲームの醍醐味はこのときですね(w
ゲームボードは4つ折りになって収納されています。
ルールブックは中綴じ12ページ、フルカラー。
チット類は紙ベースから取り外すタイプ。
フィギュアコマはチャックつきビニール袋に封入されていました。
外箱自体もしっかりとしていて密閉力が高く、開けるときに空気圧でちょっと苦労します(w
でも、それも嬉しい。
ゲーム開始時のボードの状態はこんな感じ。
マサチューセッツには、やはりクトゥルフ神話ではおなじみのアーカム、インスマス、ダンウィッチ、キングスポートの4つのエリアに分けられており、その中に大学や病院、農場や波止場など施設がマスとなり、それがルートによって繋げられています。
一地方ということからか、「パンデミック」と違ってボードの端と端は繋がっていません。
マスにはスタートの段階でいくつかの狂信者の集団と、邪神の奉仕種族であるショゴスのコマが存在しています。
ボード左下のプレイヤーカード山札に含まれる4つのエリアの描かれた手がかりカードを引き、ゲート封印のために同エリア5枚(基本)を集める他、移動に利用することも出来ます。
なお、都市名ではなくエリア名となっているのが「パンデミック」と違います。
また、数枚の遺物カードが含まれています。
右下の召喚カードは、こうしてボード上のマスに対応しています。
このカードによって毎プレイヤーターンごとに狂信者が増えていき、時にはショゴスが移動する場合があります。
狂信者は1マスに3人までスタックされ、さらなる4人目が召喚された場合、彼を生贄として覚醒の儀式を行い、邪神を復活させてしまいます。
また、封印していないゲートの上でショゴスが移動すると、"向こう側"に消えてしまいます。
その代わりに、邪神を復活させてしまうのです。
これが「パンデミック」における"アウトブレイク"にあたります。
プレイヤーは4回(基本)の行動力を使い、移動や撃退などの行動を行います。
プレイヤー一人ひとりに渡される参照カードに、可能な行動が書かれています。
裏には正気に関する諸ルールが(w
なお、プレイヤーが選択したキャラクターによっても、少し行動の具合が変わってきます。
・推理力を生かして少ない情報(手がかりカード4枚)でゲートを封印できる"探偵"。
・手際のよさと理知で常人よりも行動力が多い(5回)"医師"。
・愛車で機動力の高い(1行動で2マスまで移動可能)"ドライバー"。
・絶大な戦闘能力で狂信者グループどころかショゴスまでも一撃(1行動)で屠る"ハンター"。
・隠しポケットを持ち(手札上限+1枚)、魔術が得意(遺物を行動力なしでやり取りできる)な"魔術師"。
・自前の予言力で狂信者だけでなくショゴスまでを惑わす(敵コマを移動させる)"陰秘学者"。
・バス路線(ボードのバス停間を移動できる)を巧みに使える"記者"。
この7種類から選択が可能です。
キャラクターにはそれぞれのコマとカードが用意されています。
こういう所有感が、またうれしい。
模型ファンなら、フィギュアを彩色すると、より気持ちが入るんでしょうね。
さて、横においてある4つのグルグルマークのチット。
これが正気度です。
ショゴスに出会ったり、邪神の復活に立ち会ったりすると、当然SANチェックが発生し、失敗すればこれが失われ、0になれば発狂です。
SANチェックには、この瑪瑙色の専用ダイスを使います。
空白のマスなら何もなし、ぐるぐる1~2個はその数だけ正気度のチットを喪失。
手前の頭巾マークが出た場合、自分のいるマスに狂信者が現れますが、これはつまり"偏執症"で、罪のない人を「貴様は狂信者だ!」と決め付けているだけで、挙句に退治してしまうわけです(w
キャラクターが発狂してしまうと当然、普段の自分を見失ってしまうことになります。
その発狂状態がカードの裏に。
・"探偵"は推理力を失い(封印に5枚必要)になり、交渉力も失う(カードのやり取りに2行動)。
・"医師"は自分の技術を忘れてしまい一般人並みに(行動力4回)なる。
・"ドライバー"は恐怖から逃げるためにアクセルを踏みっぱなし(2マス移動しか出来なくなる)になる。
・"ハンター"は"偏執症"を発症(狂信者コマを1つ増やす)してしまう。
・"魔術師"のポケットは破れ(手札上限7枚)、魔術狂になる(持っている遺物は必ず使う)。
・"陰秘学者"は、むしろ狂信者に対しての影響力が強くなる(狂信者コマを2つ動かせる)。
・"記者"は「インスマスを覆う影」の主人公のような状態となり、その町の秘密を手に入れられる(捨て札から現在の町のカードを入手可能)が、バス運転手を恐怖する(バスが使えない)。
中には発狂したほうが強いキャラもいたりします(w
発狂を治療するにはゲートを封印しなければいけません。
自らゲートの封印に成功できれば……気づいた時には教会か病院に収容されており、新たに探索を始めることが出来ます。
大きなのがテケリさんショゴスで、小さなのが狂信者のコマ。
そして、その足元にある模様付きのマスがゲートです。
各エリアにある4つのゲートを封印するのが、ゲームの目的になります。
ゲートの封印には、同じエリアの手がかりカードが5枚(基本)必要。
山札から引いたり、他のプレイヤーと交換して準備し、対応したゲートに到達すれば封印完了。
ボード下に封印済みチットを乗せます。
ちなみに星マークは、クトゥルフ神話でおなじみの"古の印(エルダーサイン)"で、同名の遺物を使うことでひっくり返せます。
こうすることでエリアは邪な力から守られ、狂信者やショゴスが現れなくなります。
遺物カードは全12種類。
プレイヤーカード(山札)に数枚混じったり、ショゴスを倒すことで手に入ります。
一番左のカードが"古の印"。
「パンデミック」の"スペシャルイベント"にあたり、どれも絶大な効果を持つ上に、たいていはどのタイミングでも(他人のターンでも)使用が可能。
各1枚ずつで使い捨てですが、使い渋っても仕方がない。
手札が上限枚数を超えるようなときには、迷わず使っていくに限ります。
使用にはSANチェックをしなきゃいけないけどね(w
しかし、山札にはあるカードも4枚入っています。
それが"邪悪の胎動"。
「パンデミック」でいう"エピデミック"にあたります。
いずこかで何事かが起こり封印が弱まったのか、邪神が復活してしまうのです。
それによってプレイヤーはSANチェックが必要となり、ボード上側に並べてあるオールド・ワンカードが一枚表になり、ボード上にはショゴスが新たに1体送り込まれます。
ゲーム開始時に並べられるオールド・ワンは、カード12枚中からはランダムで6枚+1枚。
固定で最後に待ち受けているのは、タイトルにもなっているクトゥルフ。
最終的にに7体目の彼が復活すると、世界は混沌に陥りプレイヤーの敗北になります。
それまでに順次復活する6体の邪神たちも個性さまざま。
ご覧のとおり、おなじみのニャルラトホテプやハスターから、シュブ=ニグラスやヨグ=ソトース、果てはダゴンやアザトースも用意されています。
……クトゥルフよりもアザトースの方がやばく感じるのは、やはりダーレスの所為かな(w
オールド・ワンが復活すると、場全体を支配する悪い効果が示されます。
狂信者が増えたり、移動に障害が起きたり、時にはいきなり正気度が削られたり。
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さて、大体の紹介を終えたところで、遊んだ感想。
プレイヤーは私を含めて3人。
まず、一部の邦訳がおかしいのか、ルールがおかしな部分があります。
特に"邪悪の胎動"におけるSANチェックの対象者(引いた本人だけ?プレイヤー全員?)や、ゲート封印時の発狂の回復の対象者(封印した本人だけ?プレイヤー全員?)の2つ。
とりあえず前者は本人だけ、後者は全員という解釈でプレイしました。
1回目。まずは全員でルールの確認のため、入門ゲーム(山札の各エリア11枚)で。
このときだけ、"邪悪の胎動"でのSANチェックの対象を全員にしていたところ、全員発狂エンド(w
そこで、「このルールおかしくない?」ということに。
2回目。ルールも把握したので、もう一度入門ゲーム。
ハンターがバス移動も利用して駆逐作業を行い、残る2人がゲート封印を担当。
なんだかサクサク進んで、全封印完了で勝利。
3回目。標準ゲーム(山札の各エリア10枚)に挑戦。
狂信者退治に手間取り、覚醒の儀式からハスター復活、更なるショゴスがゲート直上に発生、即昇天してシュブ=ニグラス登場。
その効果が狂信者を増やすものだったため、コマの在庫が切れて敗北。
まるでピタゴラスイッチ(w
4回目。標準ゲーム。
初期配置が偏り、作戦についてプレイヤー間で割れる。
結局は中庸に、各エリアに得意そうなキャラクターで手分け。
なぜか全員、発狂をかわし続け(ダイスの空白が出続けた)、ショゴスも胎動もなにするものぞとゲートを次々封印し勝利。
感想としては、ショゴスの動きと狂信者3人グループにさえ注意していれば、胎動で多少の事故が起きても、リカバリー可能で大怪我に至らないように感じました。
ただ、ダイスやカードの運も大きく、時にはショゴスと邪神の連鎖復活が起きて、何も出来ないうちに滅びますね。
まあ、これは負けても悔いなしの大爆笑でしたけど(w
運を味方にして、不運に立ち向かうには、キャラクターの選択と、その能力の使い方が大きいと感じます。
特にハンターの駆逐力と、陰秘学者の扇動能力です。
また、バス移動の機動力のある記者は、発狂すれば捨て札から任意の手がかりを得られるので、かなり便利に使えましたね。
今後、公式からエラッタやFAQが発表されるでしょうから、遊び方が変わるかもしれません。
それでも基本の「パンデミック」が面白いだけに、クトゥルフアレンジはその題材の魅力も加わって、より楽しく遊べるでしょう。
とりあえず、ここしばらくは毎週末に遊び続けられそうです。