代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

あなた方のつくる新しい国は踏み出した一歩からすでに歪んでいる

2013年06月16日 | 政治経済(日本)
 記事タイトルは、本日(2013年6月16日)放映の大河ドラマ「八重の桜」で松平春嶽(村上弘明)が岩倉具視(小堺一機)に語ったセリフである。NHKとしては、劇中で春嶽にここまで言わせるのは、批判覚悟の上でよほどの熟慮を重ねた結果であろう。しかし、私はあえて春嶽にこう言わせたNHKスタッフの決断に敬意を表したい。でなければ、孝明天皇から二本松少年隊から白虎隊に至るまで、非業の死を遂げた全ての人々の無念さが浮かばれないと思うからだ。
 
 この国は踏み出した一歩目から誤っていたのだし、それから145年を経たいま、いよいよ歪みの累積が修復不可能なほどに拡大して、倒壊寸前である。誤りとは、もちろん維新官僚が生み出したよろず万機公論に決しない密室政治の文化、国民をだましてそれを押し付ける上意下達の文化である。

 上田秀明(人権人道担当大使)の国連の委員会の場での「シャラップ!」発言や、復興庁の水野靖久参事官の「左翼のクソどもからひたすら罵声を浴びせられる集会」「不思議と反発は感じない。感じるのは相手の知性の欠如に対する哀れみのみ」という発言に象徴されるように、維新官僚たちの傲慢さはそのままに、「知性の劣化」が付け加わって、もはや「哀れみ」しか覚えない。

 維新当時はまだ西欧に追い付くという確固とした目標があったから、まだ何とか目的が手段を正当化し得たのだと思う。しかし、いまや官僚機構は目標も見失って惰性で動く醜悪な漂流物である。初めから作り直す以外に道はないだろう。

 ちなみに上田秀明氏の国連での発言は下のリンク先参照。日本の恥としか言いようのない醜悪さで、はからずも恫喝でモノゴトを進めてきた日本の後進性を国際的に証明してしまったわけだ。

http://www.youtube.com/watch?v=hkoQjIBA_3U

 水野靖久参事官が「左翼のクソ」の「罵声」を浴びせられ、「知性の欠如に対する哀れみ」をツイッターで表明した、その集会の動画は下のリンク先参照。見れば分かるが、誰も罵声など浴びせていない。

http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&v=GXDCAVo25YE&NR

 これをもって「左翼のクソども」の「罵声」と表現するのは、国語を正しく使えない霞が関官僚の知性の欠如を証明しているのではないのか? 
 ちなみに、この集会を主催していたNPOのスタッフは、たまたま私の知り合いであった。彼女は水野参事官と同じ、官僚養成大学として名高い国立T大学の卒であるが、「知性は欠如している」のだそうだ。知性はどうか知らないが、官僚養成大学を卒業してステレオタイプに官僚になる人物と、あえて薄給のNPOスッタフになるのとでは志の高さの点で雲泥の差があるといえるだろう。

 一つ提言する。政治の責任で、日本の名誉を汚し国民に著しい不利益を与えている、このような官僚たちは、断固として懲戒免職処分にすべきなのだ。もちろん税金で食わせるに値しないからだ。それさえできれば、政治家がいまのように官僚からナメられることもなくなるだろう。有害な官僚が去れば、心ある官僚たちが出世できる素地も生まれるだろう。
 水野さん、もちろん「不当解雇撤回運動」なんて、「左翼のクソ」のようなマネはしませんよね。

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大使発言の具体的経緯と背景 (竹本弘幸)
2013-06-21 00:46:45
関先生へ

http://www.youtube.com/watch?v=W5p3QE1mzos
↑(失言3連発)
こちらの21分以降に、神保氏が提示したフリップが重要で、上田大使の資質がとても判りやすいです。
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日本の名誉を汚すのが官僚のお仕事? ()
2013-06-21 11:39:49
竹本先生
 動画視聴いたしました。神保さんと宮台さんの意見、ほぼ同意です。こような人物を今後も重要なポストに就け続ければ、日本という国の品性を疑われますね。
 
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