『葵上』
六条御息所(ロクジョウノミヤスドコロ)は源氏を愛していた。車争いで自分に屈辱を与えた葵上(アオイノウエ)を許せない。生霊となって源氏の妻である葵上を取り殺す。
三島由紀夫氏は、生霊を信じる。それゆえ、六条御息所の生霊は生々しい(ただし冷たい)圧倒的身体を所有する。
『卒塔婆小町(ソトバコマチ)』
輪廻転生を信じる三島由紀夫氏の熱情がリアリティの根源。命を懸けて小町に「美しい」と言った深草の少将が、詩人となって現在に蘇る。1000年以上前の少将の死が、現在の詩人の死と同一となる。小町は、現在の99歳の老婆に転生する。
「美しさ」はイデアであって、「小町」その人ではない。「美しさ」を愛すれば、「小町」を失う。つまり深草の少将は死ぬ。
六条御息所(ロクジョウノミヤスドコロ)は源氏を愛していた。車争いで自分に屈辱を与えた葵上(アオイノウエ)を許せない。生霊となって源氏の妻である葵上を取り殺す。
三島由紀夫氏は、生霊を信じる。それゆえ、六条御息所の生霊は生々しい(ただし冷たい)圧倒的身体を所有する。
『卒塔婆小町(ソトバコマチ)』
輪廻転生を信じる三島由紀夫氏の熱情がリアリティの根源。命を懸けて小町に「美しい」と言った深草の少将が、詩人となって現在に蘇る。1000年以上前の少将の死が、現在の詩人の死と同一となる。小町は、現在の99歳の老婆に転生する。
「美しさ」はイデアであって、「小町」その人ではない。「美しさ」を愛すれば、「小町」を失う。つまり深草の少将は死ぬ。