季節を描く

季節の中で感じたことを記録しておく

“バルテュス展 :称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠 ”東京都美術館(2014.5.1)

2014-05-06 19:07:36 | Weblog
ピカソによって「20世紀最後の巨匠」と言われた画家バルテュス(1908-2001)。パリで生まれたポーランド人。
主題は少女と猫。どこか神秘的だが、シュルレアリスムとは一線を画す。日本ファン。彼が死去したとき、妻は日本人の節子夫人。34歳年下。彼は仏語訳の『源氏物語』、『今昔物語』、『雨月物語』を愛読。キャロルの『不思議の国のアリス』も座右の書。

「キャシーの化粧」1933年(25歳):キャシーと化粧を手助けする女性は、現在でなく、男が想起する過去の世界に属す。男は現在に属す。キャシーが男を見ず、あらぬ方向を見る。


「夢見るテレーズ」1938年(30歳):画家バルテュスにとって「この上なく完璧な美の象徴」である少女。この少女に挑発の意思はない。見る者は挑発される。危うい均衡。彼女は不機嫌なのかもしれない。猫がいる。


「おやつの時間」1940年(32歳):おやつの時間なのに、彼女はなぜ楽しそうでないのか?第2次世界大戦がすでに始まった不安!


「美しい日々」1944-46年(36-38歳):少女が手鏡に映る自分を見る。自己陶酔!何ものも彼女は怖れない。美しい日々。洗面器は純潔の象徴。暖炉の炎と傍らの男は情欲の象徴。

最新の画像もっと見る