ケアハウス ラポーレ駿河ってこんな処

静岡県静岡市にあるケアハウス「ラポーレ駿河」の楽しい生活を紹介します。

専門家の意見

2011年03月22日 | 地震防災関係

東日本大震災は激しい揺れと想定を超える巨大津波を伴い、原子力発電所の事故は現在も予断を許さない。国難といえる状況に直面し、われわれは何を学び、何をすべきか。世界中の被災地で現地調査を重ねてきた防災システム研究所の山村武彦所長は「特定の地震を対象に備えても意味がない」と指摘する。

 --大震災をどう見ますか

 「大規模な複合災害だ。想定外というのは言い訳にすぎない。これまで想定されていた(宮城県沖地震の)マグニチュード(M)7・5は、せいぜい200年程度の非常に短い過去の物差しを未来に当てはめただけ。それ以外の災害は起きないというのは傲慢(ごうまん)で、防災関係者は猛省しなければならない」

 --今後の対策は

 「震度6強以上の揺れと高さ20メートルの津波を前提に備えるべきだ。コストがかかるからと被害想定を限ってはいけない。高さ20メートルの津波は1896(明治29)年の明治三陸地震で押し寄せた。それなのに宮城県沖地震の想定はせいぜい10メートル程度で、やすやすと堤防を乗り越えた」

 --想定はもう少し大胆にということか

 「それは当然で、今回の証明がすべてだ。特定の地震を対象にしてもその通りに起こるわけではない。その地域を離れれば安全だとの間違ったメッセージを与えることにもなる」

 --被災者をどのようにケアすべきか

 「被災者が自分たちで身を守るのは難しい。市区町村が責任を持ち、生活再建を支援することだ。応急仮設住宅だけでなく、高齢者や寝たきりの人たちに福祉避難所を作る必要がある。希望者は温泉場でもいい」

--避難所はどうすべきか

 「体育館で何カ月も生活させるのは失礼で、住環境が整うまでは旅館やホテルのようにプライバシーが守れる空間を提供することだ。2005年に大型ハリケーンの被害を受けたニューオーリンズ(米ルイジアナ州)は全米からキャンピングカーを集めて希望者に個室を用意し、あるいはホテル代を支給して好きな場所のホテルに泊まらせた」

 --被災しなかった人たちができることは

 「いつでも同じようなことが起こりうる。明日はわが身と思って同じ時代、同じ国に生きる仲間として被災者を支えることが大事。一般の人にできることは義援金を送ることで、少しずつでもみんなが送ればかなりになる」

 --原発事故はどう受け止めるべきか

 「今は推移を見守ること。一定の距離を取れば健康被害は防げる。チェルノブイリとは全く違う。今は正しい知識を身につけ、責任や原因追究ではなく、決死の作業をたたえながら見守ることだ。命をかけて戦っている人がいるのに大騒ぎするのは決して良いことではない」

 --政府や東京電力などの会見をどう思うか

 「東電や原子力安全・保安院の説明は稚拙。記者に配ったペーパーの説明に終始し、国民向けという認識が全く欠けている。その点、官房長官は率直に説明していたと思う。冷静に見守ることだ」


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