東大ブランドが揺らぐ“大事件”が起きている。
日本一偏差値の高い東大と、秋田の国際教養大(公立)が、「肩を並べつつある」(大学関係者)というのである。
大手予備校の代ゼミによれば、東大(教養学部)の偏差値69に対し、国際教養大は66。設立わずか8年でこれだから驚異的だ。
難関大に成長したのは、グローバル教育の徹底が理由。すべての科目を英語で教えている上、1年間の留学も必須。まさに“英語漬け”だ。その結果、1期生から就職率はほぼ100%を維持している。高レベルの英語力を身につけたいと、志願者が増え続け、旧帝大、ついには東大にまでレベルが追いついてきたようなのだ。
一方の東大は、看板学部の「文科1類(ほとんどが法学部へ進む)」の志願者が激減し、13年ぶりに2次試験の門前払い(センター試験による足切り)なしとなった。学生は、霞が関の官僚や弁護士に魅力を感じなくなっている。むしろ、国際教養大のような“グローバル化”が最近のトレンドだ。
4年連続で志願者数1位の明大は21日、「世界のトップクラスのグローバルユニバーシティー」を目指すとして、新潟県南魚沼市の国際大学との系列法人化の締結を発表した。
国際大は大学院大で、国内で初めて学内の公用語を英語にした学校。教育界では知る人ぞ知る大学らしいが、一般には無名。それでも明大が系列化に動いたのはこんなワケがある。
「英語はもちろんですが、経済団体や企業による支援を受けて設立した大学だけに、ビジネスの最前線にいる研究員が教えたり、カリキュラムもしっかりしています。留学生も多い。今回の締結で、明大が『グローバル化』『国際化』を前面に出して大学運営をしていくことが、はっきりしました」(大学通信ゼネラルマネジャー・安田賢治氏)
“昔の名前”だけでは生き残れない時代になってきた。