上 底部、刃の走り具合
下 機体の下側から見た刃側面
半円の溝構造は、四、五、とそれぞれ並んでいるが、顕れる規則性は見えない。
重なりの際、登用されずである溝が存在するが、重なりはそれを放置。
左右それぞれから、同時に刃が、振りゆく事で、何と以下との、綾取りが、成ってしまう。
遠くの星の地下、硬質鉱物を直方体切り抜きで異空間へ転送し、死後科での研磨工程、百以上に晒す。
切れ味、なんだが、車を余裕で切断。
デンバー地下へ転送されし一種で、機体数は二台。
機体は幅十三・七米、縦九・八米、高さ八・三米。
梯子構造等は一切、付属しておらず。
液状による、愚鈍状態物体への、押し流し洗浄への待機構造らしき、朴訥な排水構造が存在している。
二台とも、陸軍が爆破措置に踏み切っている。
“異星人に何を告げられ、何を咎められた過去かは、一切調べずとして、実行を実践する。
対決に至ったとして構わん。
打倒してやる。
人間を、搭載した節ふし、があるらしい、こんなものなど、軍人精神、嗜虐趣味との無縁事実、法規言及皆無ながら、絶対なる一当然ごととの、銃の中、発射直前の弾は我が意志にて、破壊する。
こんなものを、我が軍へ贈呈を図った異星人の策謀も同様だ。”
据え置かれていた、巨大な実験室ごと、二台は高性能爆薬にて爆破されるに至った。
陸軍少将と大佐、複数による議論“異星人への対決意識、実践の動き”はこうした、人間文明にとって奇異をもたらすのみの転送物を、次々と爆破していった。
しかし、特務班が密かに増幅していった組織雰囲気からは逃げられず、一人残らずがデンバー地下で薬殺されていった。
“ベトナム帰りの兵士には負けられん。
ただジャングルに潜伏し、我が軍の休息を狙い続けてくるベトコンに、負けられんと更に深く静かに潜伏していった兵士は呑まず喰わず寝らず夜の闇、三日間の後の急襲作戦を成功させた報告を送りし直後、惨殺死体と成り果てた。
ベトナムに比べれば、ここデンバー地下での緊張など緩いに違いないのだ。”
少将が率いた、異星人との対決への議論、ここで雄弁であった雰囲気の根源はベトナムだった。
現在のデンバー地下には既に存在しない、交錯刃型ベテルホース、効力顕現機能領域のみ
三本組、意匠異なりの根源は、潜航嘲笑への、勝利意欲との製造含意に在り。
追い駆け、捕まえちゃったよ、との。
対象は月の最底辺管区、携帯でFX投資に耽りつつ、文化習熟意欲を沸かせゆく無労働女性階級。
機体の巨大さは、近隣に存在する権力に深き問いを、確実に投げ掛ける投球姿勢を備えている、と陸軍に観察された。
“軍事組織、強制的洗練の時に異星人が関わるとして、人間組織の頭部が隔たりなく察知するに至った、知的指向性の無い、無責任行為、他者への至らしめを、頭部が、咎める術には、異星人、無言展開らしき、陸軍にとっての内部、高機能牽連化利益が自動牽連するようだ。
陸軍がかつて、確かに合意した筈なる、強制的洗練にとって、内部、高機能牽連化とは、一体如何なる素性として捉えるべきか。
陸軍、大渇望の対象の筈。
デンバー地下、高位階級軍人に届く報告の履歴を詳細に観察するとして、不満は無く、ただ各位は職務に邁進の相。
然るに、異星人との関係の有無を問わず、断固、現況とは、ここに存在する軍事組織にとって、着実に大願へと接近し続けての結果と概括出来る。
軍事組織、そして人間にとっての大願とは、内部、高機能牽連化との、大願を、組織頭部に、自在に、編集せしめる、優秀なる体操選手、異常筋肉性能なるも、筋肥大の形跡は無く、秀麗容姿秘書、これの追及に終始し続ける筈、と見なしたとして、大願追及意欲と、肝心なる利益領収感慨の健全な相関は、持続しゆく筈。
利益感慨とは例えば、内部、高機能牽連化を済ませし組織が、時折蒙昧である、祭祀政経仕草に走ってしまうとして、洗練芸能人級に見えるそれは、内部を自然に憶測する意欲を組織構成人にもたらす筈。
あの組織は、軍事組織配下でありながら、遠方への視察手続き上の電話口語や、交渉時のにこやかな視線が洗練されている。
何故だろうか。
如何にして、組織の、末端までの、内部へ、大歓喜なる裸体の踊り子、恒常鑑賞確信を、もたらし、高機能牽連化を、性的軍事組織化作戦結果を、得ていったのだろうか、との憶測を。
知的指向性の無い、無責任行為、他者への至らしめ、を咎める係数には軍事安保が関わる、と見る。
故に、北米広域にての、他者への至らしめが、酷く徴発されるに至った、模様だ。
照準構造は、カナダ、無安保姿勢にあると見る。”
精神疾患者の拘束に用いられる、医療志向拘束帯でカナダ人、十六才の頬から下との、身体の九割八分が縛られている。
大勢のカナダ人と、デンバー地下の収容区での生活を余儀なくされていたこの少女は定期的に、こうした拘束を二時間耐える訓練を強いられた結果、状態に慣れるに至っていた。
言葉は発せずのまま、幾度と無くどこかへ運ばれていた。
ある日、普段とは異なる雰囲気を運ばれる際に察するが、目にアイマスク状の覆いを被せられてしまう。
左右からサジ状が七本ずつ伸びた中央に、白いミイラ状に至らしめられている少女が置かれ、巨大な機体の上部へ連行されていく。
少女を、水色の台領域に置くと、少女の下からサジ状は去っていく。
領域が、体重を検知する事、二分四十秒前後、巨大な柱状の頂点、台領域の左右側面に走る無数の細長い孔群、全ては同時に、鈍い灰色の棒状の背中を吐き出し始める。
少女の耳は外界へ晒されているが、何も聞こえない。
既に四名の軍医は立ち去っており、実験室には誰も居ない。
“自己内省の日々の評価が不良だったからこういう目に遭うと言うの。
あんまりよ。
どうしてなんですか。
今の自分を否定したいと感じたとして、それを他人に吐露してしまうとして、全然気にしなくていいってあの軍人はいつも言っていたのに、嘘だったの。”
全身隈なくを同時に、今回の地球文明最頂点激痛が襲う。
「アアアアアアアアアアアアアアッ。
ルフアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ。
help uhaaアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ。
No, no, no, no, can't stand thisアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ。」
少女は確信する。
“近くに宇宙人が居た。
何かを、こそこそと、社会に差し出す、はしたない手足観念が溢れる一般人を、米軍と宇宙人が一緒に探していたんだ。”
絶叫は続く。
“早く、早く、死にたい。
お願いchristianity!早く死なせて下さい。
聖母christianity!お願いします。”
四十五秒が、彼女に、切断被害を、伝えていった。
一・五糎もの深さの溝が頭部に無数に刻み込まれた段階で彼女は絶叫を止める。
五時間後、特殊職権者で構成される清掃担当班、三名が三階を走る廊下から大放水をかけ、台に残る肉塊を端へ押していく。
大水量を勢いに、複雑な回路状を経て地へ落下していくそれらをベテルホース清掃班は医療現場用、巨大なチリ取りへモップで押し込んでいく。
ただ、職務に徹していた。
彼らの意識を、痛みへの追慕で切り刻むのは十年から二十年後と、まだ遠かった。
四十二名、全員カナダ国籍、十六才から二十五才の女性。
十九名、アメリカ国籍、二十四才から三十九才の男女。
人体実験に先行し、ヤギ一匹、ロバ二匹。
実験に登用された生命体の素性は以上のみ。
物体実験は、木材を大量に使用。
戦車の材料を留置したところ、切断不可との状態が続いたが、切断性能や機体に異常は全く認められず、との結果をもたらした。
八十八年から九十七年にかけて、この型番のベテルホース、一台のみが陸軍所属の軍医の、“デンバー地下に於ける立ち位置”を所以として、デンバー地下にて駆動されていた。
模擬街はまだ、デンバー地下で九割が現存している。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”
軍医が往来していた階層は、徹底的に爆破されている。
別の場所へ、移管されていた、転送物はまだ、デンバー地下で現存している。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”
大深度区画への接近昇降機は爆破されているが、当該区画は措置時、存在すら認知されておらず、まだ現存。
ここは誰一人の意識には知られておらず、無意味なる転送、二方向の連射場と化していた。
岩が、沸いてくるが、暫くすると、消える。
巨人の骨は、既に音波で消滅供養されとるが、宇宙船無数隻は、まだ、健全機能と共に在る。
“ドッドッドッドッドッドッドッドッ”