後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

無常

2011年04月02日 | Weblog
「無常」との言葉は、悲哀、諦観を纏っているように受け止めてきた
瀬戸内寂聴さんの「無常観」は、逆だ
こんな苦しみ、こんな悲しみ、こんなに酷い情況も
何時までも続くことなんか無い、と未来志向である


大学グランドの菜の花である 
昨年11月初めに学生や市民と一緒に植えた
「せんぼく菜の花プロジェクト」の活動の一環

大学では新入生を迎え入れた
今の大学は、皆さんの知っていた「大学」と相当に異なる
なにせ同世代の56%が進学するユニバーサル時代だ
選ばなければ誰でも大学に入れる全入時代
大学が選ばれる時代になって10年以上が過ぎた


新たな職場で教育に仕事をシフトした時
ネットでこの作者のブログに行き当たり
随分と教えてもらった
3月10日発売の新作

ところでマスコミが死者の映像を取り上げないことについて
N教授に聞いてみた 話は1時間では終わらなかった
N教授は全日空松山沖墜落事件の取材から記者生活を始められた
漁船を駆って現場に到着し、船に積み上げられた死体を見たそうだ
僅か300メートル上空からなのにほとんどすべては衣服は剥ぎ取られて裸
手も足もバラバラ、顔のない遺体がほとんど
浮き上がらなかった遺体は網で引く
すでに太刀魚などに食べられてボロボロになったり
唯一のお子さんはサレコウベになっていたり… 
写真を持って確認に来ていた祖母は「孫ではない」と
確認を断ったそうだ

乗客50人ほどの半分は新婚さんだった
そのうちの一組の女性の父親は々朝日新聞の編集委員が父親
見つかったのはもう長付近の肉塊ひとつ
警察は綿などで遺体を形作り、肉塊だけを見せて
「これが娘さんです。どうぞ触ってやってください」という
親は「どんなに無残でも顔を見せてほしいという」
断られ続けて親は事態をそれとなく知ることになる

鉄道での自殺死体、山での飛行機事故
朝日と毎日のヘリコプター衝突事故での死体確認
中東での戦争での死体…  話は止まらない

朝日新聞には800万世帯の読者が居る
その読者に「死体の映像を届けるかどうか」
日本では、見せるべきではないとの見解で一致しているようだ

因みにチェルノブィリ事故の当時の
朝日新聞モスクワ支局長はN教授
当時は先生の記事でこの事故の詳報を掴んでいたわけだ
N教授の故郷はまさに福島発電所の近辺だそうで
あの美しい海岸で泳いでいたとのことだ

「3月11日は誕生日である」
日本が、日本という社会が生まれ変わる日である
価値観が変わっていく瞬間である
それがN教授の現在の認識である