後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

自分物語

2010年02月14日 | Weblog
不思議おじさんが勤める大学には
朝日新聞のOBの教員が7名いる
常勤2名、非常勤5名
元総編集局長や海外・国内の支局長を務めた人たち
共通点は、人に対する無限の優しい目
人生と文章の達人たちである

正課の授業とは別に
不思議おじさんのセンターが始めた講座
「自分物語」
もともとは日本語のリメディア(補習)講座の位置づけ

ところがこれは補習講座ではない

学力不足に業を煮やしたありきたりの先生方は
ごく簡単な語彙力、読解力、作文力を学生に求める
その結果、彼らの手法は
基礎的な日本語ドリルをヤレ!
という、学生を見下した手法にしか行きつかない

元朝日新聞の教員は異なる
たとえ学力が劣った学生であっても
学生を人間としての原石とみる
磨けば必ず光る石

「自分物語」では
学生の自らの経験(心の湖)に深く潜り
「忘れられない先生」「私が涙を流したとき」など
自分史を綴る

心の病を持った学生も多い
引きこもりの学生もいる
そんな彼らは、時として授業に出てこない
昨年秋、不思議おじさんはそんな彼ら約70人と面談した

そのうちの約10名ほどが
「自分物語」講座に出てくる
自分しか知らない経験を
文章で表現する
教員が経験を共有し
もっともふさわしい表現を一緒に考えてくれる

日本語のリメディアル講座を超えて
自己の出発点を確かめる講座である
自己肯定することで生きる原動力を養う

そのリーダーN教授と話していたら
「自分物語」が唄になってヒットしているという
N教授は噂だけでまだ聞いたことがないという

パソコンがからしき駄目なN教授は完全なアナログ派
ワード、エクセルはもちろんのこと、メールもされない
唯一、携帯電話だけは使用される
大学職員にとってはちょっと厄介な教員
すべて紙ベースで連絡しなければならない

というわけで
不思議おじさんのパソコンで
N教授にその「自分物語」の歌を聴いてもらった
8分を超える長い歌
N教授は画面を凝視し、耳を傾けていた
そしてそっと涙を拭ぐわれた
周りの職員が「先生、涙が出ていますよ!」と囃しても
動じることなく、感動されていた

植村花菜の「トイレの神様」
http://www.clearsky.co.jp/kana/toilet.html

皆様も一度お聞きくだハい
FM802でヒットし
近々にCDも出るとか

写真の花の名は
「アメリカ…」だが
忘れてしまった