後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

完膚なきまで

2008年09月02日 | Weblog
完膚とはなにか?
皮膚が完全に無くなることではない
完全な(健康で傷のない)皮膚のことである
完膚無きとは、つまり傷だらけのこと

皮膚がアンモニア火傷で膨れ上がり
挙句の果てに破水したので皮膚科に行った

蜂に刺されたらどうするのか
職場の人たちに聞いてみた
「オシッコをかける」
「吸い出す」などが多かった

不思議おじさんも全く同様の考え
まずは毒を吸い出し
アンモニアで毒を中和する

不思議おじさんと同年代の皮膚科の医師は
手振り身振りも大仰に
「あんたね、注射した液体を吸い出せると思ってるの?」
「アンモニアを塗るのなら、そこらへんの神社に行って
 お札でも貰って載せておいた方がよっぽと効き目がありまっせ」。

いやはや、これほどまでに
完膚無きまで叩きのめされると
本当に清々しい

思い込みであった
間違った知識であった
蜂にアンモニア・オシッコは何の効果もない
むしろ不思議おじさんのように逆効果になる
お年寄りや子供を預かっている場合は
処置を誤ってはいけない

なんでもない軟膏を塗ってもらって
お代は1090円だったが
安い授業料だった

余りに可笑しくて
その場ではつい聞きそびれた
つまりハチに刺された時の治療法である

今朝に電話した
治療中に電話に出てくれた医師は
「ステロイド軟膏をぬるか
 ひどい場合は飲み薬」と答えてくれた

こんなことも含めて
「私は私であって私ではない。
 私たちは等しく時代の子である
 時代を相対化して
 時代に染められた自己に気付き
 一つずつ自己を取り戻さねばならない」
これは、昨日の阪神大震災の支援活動で
とことん学ばされたことである

夕焼け雲が
裃を付けた人間のようだった