後ろ歩きの不思議おじさん

あっちこっちにポケットを一杯もった不思議なおじさんの特技は後ろ向き歩き。その右往左往振りは滑稽で、ちょっぴりもの悲しい。

お酒がまわって…

2008年05月13日 | Weblog
中国の成都市は人口1100万人の大都市
そこから2名の研修生がやってきた
先週に、不思議おじさんが講師になって
会社のあれこれ、仕事のあれこれを説明した
ネットの翻訳サイトを活用したが
あれは駄目ですね!!

近くの町に住む女性が通訳にきたが
雰囲気は通じるものの、翻訳にはなっていないとのこと
結局は、彼女の通訳頼みとなった
小平を見かけたことがあると自己紹介したら
2名の研修生は目を輝かせて「四川省出身だ」と誇らしげに言った

ご存知の大地震が成都市一帯を襲った
当初は電話が通じなかったが、今朝になってやっと通じた(らしい)
家はかなり被害を受けたが家族は無事だったとのこと
2名とも30歳で一人のお子さんがいる

不思議おじさんは、中国人研修生受け入れに反対だった
取締役会でも明快に反対を表明した
ひとつは研修生が実体としては低賃金労働者である現実
もうひとつは、技術の伝承追求にはコマギレ労働者は不向きという理由

ハム・ソーセージ業界では「中」規模工場の撤退が激しい
個人経営なら何とかやっていける
大企業でも、経営の合理化は必須だ
「中」規模工場は、まったく先の見えない経営だ
病院をはじめ大半の企業がそうであろう

不思議おじさんの工場の従業員も
学歴は世間レベルより低い人たちが多い
だからと言って、彼らが劣っているというわけではないが
賃金は相対的に(都市に住む人から想像不可能なくらい)低い
それでも経営を成立させることが困難である
しかし都市の消費者は、不思議おじさんの会社従業員に
高い理想に基づいた容赦ない批判を浴びせる
キツイよなぁ

日本の多くの食品工場は、そのような低賃金労働者でも
経営が成立せずに中国やベトナムに工場を移している

適正価格という言葉を誠実に受け止めるなら
生産と製造にかかわる経費を消費者は支払うべきである
言葉の使い分けは、不思議おじさんには卑劣な人間像しか浮かばない
ある時は、「遺伝子組み換えしていないもの」を要求し、
あるものについては、「国産」だけで満足する
正直にモノを作ろうとしている者は、潰されるしかないのだろうか
潰れて初めて、価値が分かってもらえるのだとしたら
悲しいよなぁ

自給力は
持久力のことかと
不思議おじさんは言い
現実は、「自窮」というのがふさわしい

20年以上育てたサクランボは
甘い実を大阪の自宅近在の人に分け与えた