無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

ファシズムへの道…その8

2008年04月14日 | Weblog
今日も、ファシズムの形成過程で起こる大衆ヒステリー現象について、言い方を変えれば政府・マスメディアによる世論操作について書いてみる。

タイトルの副題:国民は政府・マスメディアに騙されるな!

昨日も民放の報道番組で、「『暫定税率』廃止後の混乱を追う」として、三校統合したので、早急に道の整備が必要となり本年予定していたのに、暫定税が廃止されて道が作れなくなった。是非、暫定税率を復活してほしい、といった市町村長や知事のコメントが流れていた。

権力者の情報操作と権力者に縛られてその権力者から指示された通りの世論作りに奔走するマスメディアには、毎日あきれかえっている。

前にも言った通り、マスメディアは、本来なら暫定税率廃止のニュースでは、国民の喜びの声を流すだけでいい。それが、現実はマスメディアが「暫定税率が無くなったら道路が作れなくなる大変だ大変だ」と毎日のように大騒ぎしている。(倍取りを止めても元の税率は残るわけであり、宮崎県でも570億円強の道路整備費は残るのである。半分になろうが決してゼロになる訳ではなく、上記のような必要最小限の道路に予算を回せば道は作れるはずである。(借金返済云々も中央政府の地方に対する施策により生じた問題であり、倍取りを止めさせた野党の問題ではない)

(引用開始)
暫定税率が一時的にせよ廃止され、ガソリン価格が安くなった。快挙だ。それを素直に国民は喜べば良い。ただ喜ぶだけでいい。
ところが世の識者は、その財源の穴埋めを考えなければならないと“したり顔”をして言う。大手新聞やマスメディアも、その大合唱だ。とんでもない情報操作だ。
(引用終り)

限られた予算で適正な予算配分をするのが、政府の役割だ。
ドライバーから倍もふんだくっていた税金を少し地方に分けておいて、それが無くなったら、知りません。暫定税でやっていたのだから(それを元にして交付金・補助金を決めていたのだからその金も含めて)出せません。こんな調子では、政府の役割が果たせていないことになる。
何故、政府に予算配分の修正を迫らないのか。
「道路が作れなくなる」は地方分権を求める地方の長が中央政府に対しそれこそ「団結して」交渉すべき事項であり、地方は、決して「暫定税復活」や「倍取りしていた金を止めさせた野党」に矛先を向けるべきではないのである。

国家の地方自治体に対する締め付けは、前の日記に書いた通りです。(下記)

地方自治体が道路暫定税率維持を訴えて署名した報道は皆さんも見られていることと思いますが、それを見て「これは戻さないと地方が大変だ、1ヶ月後の復活もやむを得ないな」と思われたことでしょう。(権力者の締め付け)
ところがこの署名は、昨年引退した全国の市長が次の様に発言。(役を降りて本音が言える)

「署名を拒めば『どの首長が反対したんだ』と国や県からリストアップされる」

即ち、暫定税率維持の署名をしなければ、ブラックリストにのり、岩国市でも分かる通り、今まで出していた補助金も何かと難癖をつけてカットする権力者(今年の2月岩国の市長選挙で、米軍移転に反対した市長が国から不当な補助金打ち切りの脅しを受けて落選させられている例)を恐れて署名した、と言うのが本当のところである。

多くの市長が「暫定税率維持に署名しろ」=“踏み絵”だった、としている。

この現職(生活の場)を辞すから(辞してから)言える。と言うのはどこの世界でも一緒である。司法の例では…。

(引用開始)
裁判官は、国の方針に逆らう判決を行えば左遷される事を知っている。
だから定年間際になって、やっと自らの良心に従った判決を書いて辞めていく。
勇気のなさが権力の悪をますますのさばらせてきた。そのツケが今、日本に噴出している。
(引用終り)

結論が載っているブログを先に引用してしまったが、マスメディアの世界での例も書いておく。

前にも書いた演出家・俳優等の肩書きを持つ渡辺えり子氏が、戦争反対を説き、次の様に言っている。(私の日記で前述)

(引用開始)
戦争は人が起こすわけですよ。原爆のスイッチも人が押すわけですよ。人が人を殺す、唯一無二の命を奪う、これはもう絶対悪だと思うんです。それを机上の論理で、損得の論理で戦争を起こされてはたまらない。
(中略)…(それなのに)憲法を改正して(正規に)軍隊をつくり,次の戦争を起こそうとしている人たちがいる。
私は、そういう人に聞きたい…どうして人を殺していいんだと思えるのかって。
人を殺していいということは自分も殺されていいし、自分の子どもや親も殺されていいということです。
そう思う人だけが憲法改正に賛成すべきですよ。

(無風注:渡辺氏はこういって戦争反対を唱えた後…)

でも,もう、どこの場所でもつぶして演習場にしてもいいという法律ができちゃってる。(無風注:もう成立した有事立法により、国家が“有事”“公益”と判断したら、個人の所有権等の権利は無くなります。自分の土地を提供しなければなりません)

だからこそ憲法(無風注:こういった国家権力の横暴を規制する憲法)が最後の砦だと思っています。(中略)

私が今言っているのは、反戦活動家(無風注:左翼)じゃなくたって誰でも思う普通のことです。

それを大声で言えなくなってしまっている今の日本は異常だと思います。

「こういうことを言うと仕事がなくなる」と自粛しなければいけない。
すでに戦前のニオイがするでしょ?


大人ならば自信を持って「悪いことは悪いんだ」って言ってもらいたいですね。
マスコミだって過去の過ちをまた繰り返しているわけですよ。
やっぱり本当のことを書かないと。
(引用終り)

テレビ局等マスメディアに深くかかわっている人の“実感”なのです。前にも書いた森田実氏の例の通り、マスメディアは「自主規制」の名の下に、政府の言いなりになっています。

(例1)小泉元首相が現役の時に、その小泉首相に批判的な評論をしたからと言ってマスコミ(テレビ局)の自主規制で“使われなくなった”政治評論家・森田実氏。

(例2)jamzIp(ジャムジップ)の歌のサビの部分「戦争はもうやめよう 戦争はもういらない」の歌詞が“問題視されて”FMで放送禁止になった。

最近のバラエティ番組での和田アキ子さんの発言が、テレビ業界の本質を良く表わしている。

阿久悠さんが無くなった時に「阿久悠さんが作詞した『あの鐘を鳴らすのはあなた』を60、70、80(才)になっても…歌っていく」と話していた和田アキ子さんが、最近の番組の中で「『あの鐘を鳴らすのはあなた』は反戦歌だったんですね。知らなかった、恐ろしい…。」と洩らした。

あの「恐怖のアッコさん」をして、「恐ろしい」と感じさせるもの、その意味を良く考えてください。

反戦歌を歌うこと=恐ろしいこと(仕事が無くなる)、と感じさせるテレビ局。

国民は、政府の言いなりに“自主規制”するマスメディアの洗脳報道に騙されずに、憲法改正について、もう一度下の言葉の意味を良く考えてみて下さい。

◎法はあらゆるものに優る(まさる)贈り物である。

◎法つくる人が権力握るなら、権力縛る法は消えゆく。

時間が無いので、又、次回に続きます。