無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

ファシズムへの道…その4

2008年04月07日 | Weblog
日本人の精神構造と現在の社会現象からタイトルを説明していこうと思っているのだが、政府のやることの出鱈目さ(国民無視)とそれを援護するマスコミの報道を見せ付けられて、ついつい時事放談的になりタイトルとほど遠くなってしまう。
それほど国民生活が締め付けられ、弱者が切り捨てられて、その中で弱者同士の争いが毎日のように新たに起こってきている、この現状はファシズムへの道なかばの感がして、ついコメントしたくなる今日この頃である。

おさらいをすると、

※その1…人は一人では生きていけないので、社会を構成し、役割を分担して生きている。政治・行政はその役割分担の一つである。
即ち、国民が選んだ代議員に我々の税金から給料を払い、政治(行政)という役割を担ってもらっているのである。

※その2…その国民から選ばれた政治家の最大の責任は国民から集めた税金の公平且つ適正な国民への分配・還元である。

※その3…議会制民主主義の考え方=権力は集中したり、長期化すると腐敗する。

※その4…ファシズムは(1)一党独裁体制、(2)議会制民主主義の否定、(3)国民の自由(権利)の否定、により成立する。

国会議員やお役所(行政・官僚)には、我々国民が税金の形で給料をはらっているのである。
公僕なのだが、NHKの解説でも「…これは、行政(役所)に お願いして、やっていただく様に…」と言っていたように、お上に慈悲を請う感覚が日本国民には染みついている。

本題に入る前に、国会議員の給料について書いてあったブログを引用しておく。

(引用開始)
国会議員には給与(歳費)としてわれわれの税金から毎月130万円ほど支給される。
それに加えて期末手当を月額に換算すれば約53万円というから、国会議員は仕事をしてもしなくても、老人も若者も、どんな国会議員でも等しく月平均180万円以上の給与を受け取っている。
勿論これは「給料だけで」である。
政党各党には、税金から政府助成金が支払われ、これが国会議員に政治活動費として配られる。そのほかにも国会議員には住居費や移動費に大きな優遇、特権が与えられている。
ところが、これらに加えて毎月100万円もの「文書通信交通滞在費」が給付されている。
これは「公認」された使途不明金である。
建前では、政治活動に要する文書費・通信費・滞在費・交通費に使われるために支給されるものである。
交通費や滞在費について既に特権が与えられているのに、それに加えて何故交通費・滞在費が二重に支払われるのか、という疑問はここでは置いておくとして、問題は、この「文書通信交通滞在費」が、議員本人に毎月直接支払われ一切の領収書が要らない「第二の給与」であるということだ。
つまり国会議員は毎月300万円近くの給与を受け取っていることになる。…引用終り

国民の5分の1が、年収200万円以下という日本国にあっても、国民の中には、国会議員は日夜駆け回って汗水たらし、国民の幸せの為に苦労されているのだから、その位の税金は受け取ってもらっていいのでは?という意見も有るかもしれない。
ただ、国会開催中にイネムリをしていようが、出席せずにどこかでゴルフ?をしていようが、国会議員に我々の税金が一人300万円/月、渡されているのだ、と言うことを知っておいてもらい、次に進みます。

今日は、ファシズムの成立要件の(2)議会制民主主義の否定=数の暴力・強行採決の例について書いて見ます。

■長寿医療制度(後期高齢者医療制度)

本年4月からスタートしたこの制度は、2006年6月に与党の強行採決で決まった改正法によるものである。

「ねじれ国会」(2007年7月参院選)になる前、政権政党は数に任せて数々の強行採決で法律を成立させてきましたが、これも、その中の一つである。

暫定措置や例外事項等を省き内容を紹介すると、この後期高齢者医療制度は、いままで「子供の扶養家族」として保険料タダの取り扱いを受けていた75歳以上の老人をその子供の社保から外し、老人に「自分で保険料を支払え」というもの。

この額は月全国平均6,200円とのことで、原則、年金から天引きされる。

年金を月に1万5千円以上受け取っている老人が対象となる。

(例1)息子の社会保険の扶養に入っている78 歳と76 歳の両親は個人の社会保険料は支払っていませんでした。この4月からは、息子の社会保険の扶養からはずれ、後期高齢者だけの独立保険に入らなければなりません。(75歳以上の老人から新たにお金を徴収する制度)

そのため、78 歳の父と76 歳の母のそれぞれが月約7,000 円の保険料を支払わなければいけなくなります。2 人で年16 万8 千円の負担です。
年金を月1 万5 千円以上もらっている人は保険料が年金から天引きになるため、介護保険料(平均月4,090 円)と合わせて月に約1 万円以上の保険料が年金から引かれてしまいます。

(例2)“資格証明書”(保険料を払っていないぞ、という書類)で10 割負担!

78 歳と76 歳の両親は息子の国保の扶養に入っています。
しかし経済的困難があり保険料を1 年以上滞納していました。
その場合、病院での自己負担が10 割となる資格証明書の発行の対象になりますが、75 歳以上の高齢者については「保険料を滞納しても保険証を取り上げてはならない」とされ、息子には10 割負担の資格証明書が発行されても、両親は除外されていました。
しかし、4月以降、後期高齢者医療制度では、法律で75 歳以上の高齢者でも保険
料の滞納が1 年以上あれば、10 割負担となる資格証明書の発行を行う、と決めました。事実上の保険証取り上げです。
老人は安心して病院にかかれるでしょうか?

75歳以上(高齢)を区切りにして老人に負担増を迫る国は世界には存在しません。

「高齢者をねぎらい、医療・介護の心配なく生きてください、というのが国の本来の姿ではないか」…(無風注:国民が老後も安心して平和に暮らせる国の実現こそが政治(家)の目指すべき課題であり、そんな国になってこそ「品格ある国家」と言えるのではないか)

2030年には47万人の終末期難民が出現することになる。…様々なブログの寄せ集め引用終り

以上が、4月から実施された「後期高齢者医療制度」の実態であり、医療を受けたくても受けられないで死んでいく老人達(終末期難民)が作り出される、という、まさに民主党が言うように「姨捨山」制度である。
民主党がこの制度を廃案にする法律を提出しようとしているのも頷ける。

人は誰でも年をとる。政府・マスメディアに騙されて、民主党が悪い、などと言っている人は、「自分で自分の首を絞めている」のに気が付かないのか?

国民は「後期高齢者医療制度」を「長寿医療制度」と変えられて(福田首相4月1日閣僚懇談会にて指示)、そのニュアンスで“優しい制度”と思ってしまうのだろうか?
「障害者自立支援法」しかりであり、国民は“長寿”とか“自立支援”とかの「政府が使う言葉」に騙されないようにしましょう。
これらは弱者切捨て法なのですから。
「環境税」の“環境”といった言葉にも要注意です。

ついでに言うと、この75歳以上の老人に負担を強いる理由として、

(引用開始)
なぜ、このような医療制度ができたのでしょうか。
そして今後、この制度によって、我々の家計にはどのような影響が見込まれるのでしょうか。
これらの背景には、みなさんもご存知の通り、日本の国家財政がひっ迫するなかでの「国民医療費の大幅な増加」があります。

平成18年度推計での国民医療費は、およそ34兆円。
そのうち高齢者の医療費は推定11兆円で、全体のおよそ3分の1を占めています。

なかでも「後期高齢者」層の一人当たり医療費は現役世代のおよそ5倍はかかっていると言われます。


それにも関わらず、健康保険や国保などの保険制度のなかに「後期高齢者」層が含まれていたことから、現役世代と「後期高齢者」との負担関係がわかりにくくなっていて、国としても膨張する医療費の抑制がやりにくい構造が、これまでずっと続いていました。

また、高齢化社会が今後とも急ピッチで進む見通しに変わりがない以上、安定的で持続化が可能な医療保険制度をつくらない限り、現在のシステムの部分的な手直しだけでは早晩限界がくる、との声が大勢を占めるようになりました。

このような背景を受けて、国の医療制度改革の柱のひとつとして、この"後期高齢者だけを対象層として独立させ、医療給付を集中管理する"という、世界的にもほとんど類を見ない新制度が、いよいよスタートすることになったわけです。…引用終り

上記の説明を信じてしまう人は、私の次回の日記を見て下さい。

国民から使い方を任された富(税金)の使い方・やり繰りが出鱈目だったためにダメにした日本国の財政(830兆円強の累積赤字)を小子高齢化社会のせいにして長寿者を切り捨てよう、又、ムダ使いを止めることを全く考えずに何とか理屈をつけて増税しよう、としている政府・政権政党。
また、ここにも権力者の意図が表れているのだが、汗水たらして無理をして働いた老人の体にガタがくるのは当たり前であり、医療費も嵩むのは当然である。それを、上記説明で「後期高齢者」と「現役世代」の負担関係がどうのこうのと、老人と若者の対立に持っていこうとしている。若者に老人を攻撃させようという目論見があり、地方と庶民と同様、弱者同士の対立を作り出そうとしている。

国民の医療費の三分の一が高齢者に使われてしまっている、と憤慨してこの制度に賛成している若者よ、あなたも年をとり体にガタがきて医療の助けが必要な老人となるのですよ。年をとり“なけなし”の年金から保険料を払わなければいけなくなるのですよ。 あなたも甘い汁を吸う政府(前述)に余分にお金を巻き上げられる一人になるのですよ。

さて、国民の皆さんは、テレビのニュース・報道番組を見ないようにして下さい。
この制度を導入する法律が強行採決される時に、国民に問題提起したマスメディアがありましたか?
今の権力者(政権政党)に都合のいいこと、指示されたことしか報道しないマスメディアを信じるのも止めましょう。

マスメディアがガソリン税が下がってからの「国民の混乱」を作り出す報道振りには恐れ入ってしまいます。もうあなたも「1ヶ月後に又、ガソリンが上がる」と政権政党の民主主義の精神を無視した再議決をテレビ報道のスリコミで「当たり前のこと」と思っているのでしょう。

これについては、次回に書きます。続けて読んで下さい。