無風老人の日記

価値観が多様化し、自分の価値判断を見失った人たちへ
正しい判断や行動をするための「ものの見方・考え方」を身につけよう。

ファシズムへの道…その7

2008年04月10日 | Weblog
もう、コメントされた方との意見交換は止めます。

書いていて、こんな情け無い世相になってしまったのか、と悲しくなるからです。

それにしても、こういった世相を作り出しているテレビ・新聞・ラジオ等マスメディアの世論操作の罪は重たい。国民に対する重大犯罪である。

私は最近、ネットの「あらたにす」(朝日・日経・読売3社の記事比較)を見ているが、三紙ともひどいものである。
全く国民の立場に立った(=ジャーナリスト精神を持った)報道をしていない。

少し例を挙げておく。

■日銀総裁人事

政府が三回目の日銀総裁案を出してきた時に、天木氏は民主党はもう反対出来ないだろう、と次の様にブログに書いた。

迷走の果ての最悪な幕引きー日銀総裁人事

(日銀総裁人事について)白川総裁で福田首相が譲歩したのだ。三度目の提案だ。
小沢代表らが反対を貫く事は難しいだろう。
それでも反対したら、何も分かっていない世論の反発は、今度こそ小沢民主党に向かう。だから白川総裁ー渡辺副総裁で決まりだ。

しかしこれは、迷走の果ての最悪の人事になる。

問題は白川総裁とセットで福田自公政権が財務省OBを副総裁にしようとしていることだ。前元財務官の渡辺博史氏(58)がそれである。

何が問題か。それは、日銀出身の総裁が財務省出身の官僚OBに監視されるという、従来の支配構造がそのまま温存されてしまうからだ。
そして、彼ら二人に対する政治の影響力は一層強まる。

「白川総裁―渡辺副総裁」の組み合わせは、その前の「福井―武藤」よりも悪い。
なぜなら、前の総裁、福井は衆目の一致する日銀のプリンスであった。武藤も衆目の一致した財務省次官であった。
両者の間には一定の節度が働く。
しかし白川―渡辺の場合はそうではない。
渡辺を通じて財務省の圧力は今まで以上に白川にかかる。白川も自らを自粛する。

一般国民には決して見えないだろうが、大蔵省が持つ金融関係者に対する影響力は絶大なものがあった。
各銀行が大蔵省を相手にするいわゆるMOF担にエースを送り込み、大蔵官僚をノーパンシャブシャブなどで異常接待していたことからもそれが分かる。

スキャンダルで大蔵省の権威が失墜したといっても、そして財務省に看板が変わっても金融業界の官僚組織に対する服従は絶対だ。日銀とても銀行なのだ。

「白川―渡辺」に対する政治の圧力は以前より強まるであろう。「福井―武藤」の場合はまだ政治に対する抵抗力があった。
それぞれの組織を背負う実力者であったからだ。

なぜ日銀総裁人事を完全に財務省の影響力から独立させられないのか。
政治任命をするのであれば、なぜそれを徹底させて福田首相と命運を共にする腕力のある大物が任命されないのか。(20080405)
(無風注:国民も、なぜ民主党が政府財務省出身者はダメと言って反対しているのに政府がこれでもかこれでもかと財務省関係者を候補として挙げて来るのか、を良く考える必要がある。

政府・マスメディアは「人事はあくまで人物、能力、実績などを重視して判断すべきもの」といているが、とんでもない間違いである。
私に言わせれば、「人物が良いから、とか、当選したらすぐに公約の歩道橋を作ってくれた(実績)から」と「国民・地方・老人を締め付ける」自民党に投票する考えと似ている。

(2)政府の渡辺副総裁案に小沢民主党が“ノー”と言ったときの天木氏のブログ。

(引用開始)
私は4月5日のブログで、日銀総裁人事は迷走の果てに最悪の人事に終わる事になるだろうと書いた。
すなわち、白川総裁ー渡辺副総裁で決着し、日銀がますます財務省に屈し、その財務省は自公政権にますます弱くなる事になる、と。

私は自らの予測が外れた事を嬉しく思う。同時に小沢首相の政治決断に驚かされた。そこに彼の覚悟を見た。

ここまで財務省OBを拒否し続けるならば、さすがの世論も反発するだろう。
自民党も、小沢のイメージを毀損し小沢批判を加速させてくるだろう。
民主党の分断を画策してくるだろう。メディアもそれに加担してくるだろう。

9日の党首討論で、福田首相は財務省OBだけで反対するのはおかしいと言った。
メディアは人事を政局に絡めるなと小沢民主党を批判する。

そうではない。財務省OBだからダメなのだ。
年金問題といい道路財源の無駄遣いといい、官僚支配を許してきたからこそ今日の行き詰まりがあるのだ。
一度それを断ち切らないと、何も変わらないということなのだ。

与党と野党の戦いは圧倒的に与党に有利だ。
なにしろ権力を握ってる者が、(無風注:権力者の言うことを聞けば金を出す、言うことを聞かなければ金をストップする、といった金の力や従わなければその人の生活基盤を剥奪してしまう権力支配機構を使って)その権力を決して手放そうとしないからだ。
野党はよほどの覚悟がないと戦えない。野党は政権交代の戦いに勝つためには決して妥協してはいけないのである。

そもそも、今の政治(無風注:マスメディアも)は、国民から乖離している。
一日も早く根底から叩き直し、国民のための政治を作らなければどうにもならなくなっている。

この期に及んでも自公政権を支持する国民がいる。彼らは自公政権で満足してきた者たちだ。自公政権の政策で利益を得てきた者だ。利益を得ないまでも、損をしなかった者たちだ。一言で言えば恵まれている者、余裕のある者たちである。

その一方で日々の生活に苦しめられている者がいる。
彼らは間違いなく自公政権の犠牲者だ。
彼らの中には、自らの理由で苦しい生活に追い込まれている者がいるかも知れない。
しかしそれを自己責任だと政治が言うのは間違っている。…引用中断

本当に政府・マスメディアの言うことが正しいとしている人は、私のように「明日からどうやって暮らしていけばいいのか。妻子を養っていけばいいのか。」といった目の前が真っ暗になる経験をしたことが無い人達なのだろう。
寝耳に水の“自分が勤めていた会社の倒産”を経験された方は分かると思うが、“終身雇用制”を取っていた私の時代のそれは、バブル時代のフリーターと言った職はいくらでもあるといった風潮が出来る前であり、自己都合で会社を辞めたら次に(それなりの給料=妻子持ちが生活できる給料で)雇ってくれるところは無い、と言った時代である。自分勝手に個人の我で会社を辞めるような人間は雇えない(雇っても長続きしない可能性がある)と考える会社が一般的だった。従って、中途採用をしている会社は皆無と言っていいほど無かった。(生産工場の肉体労働者の補充は別として)
それからいろいろな職種の違う仕事をして今に至っている訳だが、その私から見ると、「勉強不足」といって「日本の軍事力の実態を知らない、戦闘機の性能を知らない」とか“自分は知っている”とわずかな知識をひけらかして人を馬鹿にするブログを書いている人達は、現実の世界で大怪我をしたことの無い“痛み”の分かっていない人、生活の苦労を知らない人で、世の中の出来事を全て“他人事(ひとごと)”として考えている人だと思う。
私が言っている“政府のやっていること”が、現実に自分に降りかかってくるとは考えない、自分で自分の首を絞めているのに気が付かない、「勉強不足」どころか、何も考えていない人達である。

75歳以上の老人は医療費が嵩むから、自己責任で自分で保険料を払え、年金から差し引く。保険がきく医療範囲も制限する。
メタボの人には、指導を行い、それでも解消しなかったら、自己責任で保険料率をアップする。(これは良く調べていないが、こんな政府案も有るやに聞いている)

あなたは、自分は75歳以上にはならないと思っている非現実的なバーチャルリアリズムの世界の人なのでしょうね。
また、今は災害避難訓練ですが、憲法が改正されると(自民党案では)国民に勤労の義務に加え、国防の義務が課せられますから、ウィークデイは会社、休日は町内会での国防訓練となって休む暇も無くなっても文句も言えない社会になる、とは思えないのでしょうね。
その現実を分かっていない人たちが多いので、アンケートで憲法改正に賛成(正規に軍隊を持つことに賛成)する人が国民の半数近くいて、軍隊に入隊しての国防訓練(自民党は全国民に1~2年の奉仕活動=憲法改正後国防活動となる活動への参加の義務化を公言)参加に対しては80%以上がイヤだといっている、矛盾した結果が出てくるのだ、と思います。

話が逸れたが、天木氏のブログ引用に戻ります。

(引用再開)
(最近の小泉元首相のマスコミへの再登場について)
小泉元首相にとっては自公政権などどうでもいい。小泉政治を継承してくれる政権であればいいのだ。だから彼は政界再編に動き出すのだ。そしてその小泉再出動をメディアが追いかける。今でも小泉政治を懐かしむ国民もいる。

私は小泉政治を否定する。小泉政治が日本を破壊してしまった。政権交代は小泉政治を否定する政権交代でなければ意味はない。それができるのは今のところ小沢民主党しかない。私は小沢の側に立つ。(20080410天木氏)…引用終り

さて、ここで天木氏が「批判が多くなるので、(ここで民主党は折れるだろう)」と考えた通り、政府・マスメディアによる民主党攻撃・民主党分裂(悪者)作戦はすさまじいものがある。代表例を挙げる。

(引用開始)

日銀人事をもてあそぶ民主党(4/9 日経新聞社説)

日銀人事で民主党は白川方明副総裁の総裁昇格案を承認し、渡辺博史前財務官の副総裁起用案は不同意とする方針を決めた。

同党内では渡辺副総裁案に反対する小沢一郎代表らと、容認の鳩山由紀夫幹事長らが対立する場面もあった。
民主党の迷走が日銀人事をもてあそぶ結果になったのは極めて遺憾である

白川総裁案は9日の衆参両院本会議で同意を得て正式に発令される見通しだ。
11日の7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を目前にようやく日銀総裁空席という異例の事態は解消される。

しかし渡辺副総裁案は民主党が不同意方針を決めたため、同党から多数の造反が出ない限り参院で不同意となり、日銀人事の最終決着は持ち越しとなる。

民主党の迷走は目を覆うばかりだ

小沢代表は渡辺副総裁案に「天下りは認められない」との趣旨から反対の立場をとり、鳩山幹事長は「必ずしもそうは思わない」と明言した。

党首脳の考えが正反対では責任政党とは言えない

党内にも「財務省出身だから即、不同意という機械的な話はありえない」(仙谷由人氏)などと渡辺氏容認論が広がった。

民主党は政府が最初に提示した武藤敏郎氏(元財務次官)の総裁昇格案に「財政と金融の分離」という理由で不同意とした。

この時、武藤氏反対の急先鋒が仙谷氏らであり、小沢代表は武藤氏容認に傾いていたとされる。今回は小沢代表が「天下り反対」を理由に渡辺氏に反対し、仙谷氏らが渡辺氏容認を唱えて、攻守ところを変えた。

こうした姿を目の当たりにすると、日銀人事は民主党内の主導権争いに巻き込まれて翻弄(ほんろう)されたとも言えよう。民主党の山岡賢次国対委員長が政府の人事案提示前に渡辺氏に電話し、間接的に辞退を促していたとされる問題も、事実なら政治の過剰介入である。

ねじれ国会では国会同意にかかる人事権は政府にはなく、実質的には参院の主導権を握る民主党が持っている。

人事はあくまで人物、能力、実績などを重視して判断すべきものである

政治が政略的な思惑で人事を左右しようとすれば、中央銀行の権威も独立性も大きく損なわれる。
民主党の対応は残念でならない。…引用終り

流石に、天下の日本経済新聞の社説である。しっかりした文章で、キッチリと纏めている。引用前に政府・マスメディアの「代表例」と書いた通り、民主党攻撃の立場を良く表現している。

ただ、国民の皆さんは、こういった政府・マスメディアの意見に騙されないでもらいたい。

本当に国の為になるのは、どちらだろうか?国民にとってどちらがより良いことだろうか?との観点からこの「日銀総裁人事」をみてほしい。

いまのマスメディアは、この「国の為、国民の為にどちらがいいのか」と言う観点から見ていない、報道していない。
どう書けば政府から睨まれないか、しか考えていないようである。
国民に問題提起するジャーナリストの姿勢は全く見えてこない。

“日銀の権威も独立性も大きく損なわれる”のは、果たしてどちらの行為か?

天木氏のブログを見られた人なら分かってもらえると思う。
日銀の独立性を保つためにはどちらが正しいか。
財務省関係からどうしても総裁・副総裁を出したい政府なのか、財務省関係者はダメとする民主党なのか。

政治の世界は権謀術数の世界であり、決して清く・正しく・美しくではやっていけない世界である。従って、党内での意見の相違があったり派閥争い主導権争いがあるのは当然のことである。何も民主党に限ったことではない。
裏話はどうであれ、最初の考え方通り、財務省OBだから渡辺氏ではダメとしたのが、民主党の結論であり公的な態度表明である。この渡辺副総裁案が出て何日経ったかは知らないが、その間の民主党内部のゴタゴタや政府のネゴなどマスメディアがセンセーショナルに事細かに報道することは無いのである。(仙谷氏と小沢氏のクダリ等)
そんな民主党攻撃をする暇が有ったら、もっと日銀法に書いてある「歴史の教訓に学んで成立した、財政・金融分離の原則」をもっと国民に解説し、国民に周知されることが先決ではないか。

以前自民党の有名某氏が、若手議員の頃、自民党内で少し党の意見と違う発言をしたら、次の日自民党本部(?、議員会館だったか?)の自分の机が撤去され、しばらくの間自民党内で「村八分」にされていた、と回顧している記事を見た。政権政党の党方針方策に賛成の一票でしか、党員として存在出来ないのである。それを“一枚岩で良い”と言えるのだろうか?

まとまらず、取りとめもなくなったが「ねじれ国会が悪い」「民主党が悪い」といった情報操作により、ファシズムへの道に国民を追いやろうとしている政府とマスメディアの例題をもっと続けて揚げて行きます。

当分「国民は政府に騙されるな、マスメディアに騙されるな」の主旨の日記が続きます。