沈黙

2017年08月03日 | 健康・病気

「沈黙」(遠藤周作 著 新潮文庫)を先週読了した。
すぐ九想話に感想を書きたかったが、気が重くてなかなか書けなかった。
重いストーリーだし、私はクリスチャンではない。
間違ったことを書いてはいけない、と思った。
まずこの小説を読むことに私なりの抵抗があった。
気の弱い私は“拷問”ということが嫌いです。
そんな場面の描写は読みたくない、と考えた。
マーティン・スコセッシ監督の映画をいつか観たいと思う。
そのためにも原作を読んでおきたいと考えて読んだ。
私は、キリスト教のことを知らない。
どちらかというと私は仏教のほうが好きです。
といっても仏教のこともくわしくは知らない。
本としては、倉田百三の「出家とその弟子」、五木寛之の「親鸞」ぐらいしか読んでない。
こんなふうに書いていると、ますます「沈黙」のことが書けなくなります。

この小説に出てくるキチジロウという気持ちの小さな弱い人間に親近感を持ちます。
イエズス会の司祭で高名な神学者のフェレイラが、布教に行った日本での苛酷な弾圧に負けて、
棄教したという知らせがローマに伝えられた。
フェレイラの弟子ロドリゴとガルペは日本に潜入すべくマカオに立寄り、
そこで軟弱な日本人キチジローと出会う。
キチジローと一緒に五島列島に潜入したロドリゴは隠れキリシタンたちに歓迎されるが、
やがて長崎奉行所に追われる身となる。
もうこのへんまで読み進めると気持ちが萎えてきます。
しかし、読み進めて行くと、もう読むことをやめられなくなった。
読み終わって、ロドリゴという人間を好きになった。
深い感動を味わいました。
いつか映画をDVDで観たいと思う。


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