ぼうじぼ

1999年10月04日 | 暮らし

十五夜がいつだったのか、気がついたら10月になっている。
今頃になって十五夜のこと書くのもなんですが、気まぐれで書きます。

私が子どもの頃、十五夜は楽しみだった。小遣いを稼げたからです。
どうやってお金を貰うかというと、藁で作った「ぼうじぼ」というものを持って家々を回って、
十五夜のおそなえがしてある前で(たいがい廊下にススキとお団子なんかが置いてあった)、
「ぼうじぼ」で地面を打ってうたうのです。
小学生の低学年から中学生ぐらいまでの子どもが、やっていた。
私は、中学生のときには恥ずかしくてやりませんでしたが。

 ぼうじぼ あだれ そば あだれ
 さんかく ぶったら みな あだれ
 ことしは ほうねん まんさくだ

こんな唄を、「ぼうじぼ」で拍子を取ってうたうんです。
ケチな家は1円。普通のところは5円か10円。
いい家だと100円玉をくれるところもあった。
途中で会う友だちと、情報交換なんかをする。
「おめ、あのうぢは、けぢだど。いっしょけんめいでがい声でうだったのに。
1円しかくんね。行がねほうがいいど」
「ほぅが~、そんだら行がね。おめら、さかもどやに行ってみろ。うまぁぐうだうど、100円くれっと」
だいたい4、50軒ぐらい回ったのだろうか。
一晩で300円前後の収入になった。
1日10円の小遣いを貰っていた私には、大金だった。
その夜は、子どもだけで出かけてよく、お金も手にはいる。
大きなお月さんの浮かぶ空の下、手に手に「ぼうじぼ」を持った子どもらが、
うれしそうに歩いていたあの頃が懐かしい。

 子どもらがぼうじぼうたう月の下
 ぼうじぼやあんたもうたえお月さん

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