息子の恋人

1999年10月02日 | 家族

 Kのガールフレンドが、8月からよく家に来ている。
 仕事から帰った私も妻も「ああ…、今日も来ているな、会いたいな」といつ
も思っていた。
 **ちゃん(Kのカールフレンド)は、いつもKの部屋にいて、知らないま
に帰ってしまう。
 私は、Kの部屋から聞こえる彼女の声だけ聞いてる。女房もそれだけだ。ど
んなコだろうなと、二人で話はするが、姿を見てない私たちは、声だけをたよ
りに想像するだけだった。
 今日も私が会社から帰ってきたら、Kの部屋から**ちゃんの声が聞こえた。
そのうち幼稚園からの友人のNクンが遊びに来て、Uも帰ってきた。みんなで
Kのギターに合わせて歌っていた。
 7時頃会社から帰ってきた女房と、「青春やってるな」と話した。
 7時半頃、女房が玄関の方で、
「ヒサシ君、ちょっと来て」
 という。ショートパンツにTシャツでのっそり行くと、女房がうれしそうに、
「**ちゃんです」
 と、私にいう。
 Kがニヤニヤ立ってる脇に、彼女がいた。帰るところのようだった。
 私はどうしたらいいか分からなく、ただ、
「Kがいつもお世話になってます」
 と、頭を下げた。
 聡明そうな可愛い、いい感じのコだった。まったく私の“好み”で私が“お
付き合い”したい女性だった。看護学校の生徒だそうだ。
 女房は私に、
「**ちゃんて、いいコだね。ちょうど玄関に行ったら帰るところで、Kに紹
介されてびっくりしちゃった。ヒサシ君も会いたいっていってたから呼んだの
よ」
 という。
「ひょっとすると、このまま付き合って結婚したりして…」
 なんてバカなこという。
「そんなわけねェよ。Kが振られるに決まってるよ」
 ムキになって私はいう。
 さっそく、女房は友人に電話して、息子の恋人に会ったこと話していた。
 今日初めて、Kは家族に**ちゃんを会わせた。Uにも会わせてなかったよ
うだ。
 さあ、これから二人はどうなるんだろう。
 おそらくKが、**ちゃんに振られるんだろう。そうに決まっている。そう
じゃなかったら、私の青春と違いすぎる。面白くない。
 絶対、みじめにKは振られるんだ。ザマアミロ。
 Uも付き合ってる女性がいるという。グリークラブの先輩だとか。女房が、
根ほり葉ほりUから聞き出している。
 いいなァ。おれの19歳とは、天国と地獄だ。
 面白くねェ。

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